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仕方なく「イケメンで高身長な異国の王子様」を俺は演じる。  作者: 蓮太郎


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同じ気持ち。

嘉隆と零は、お互いの事を気にしながらも、他愛のない話をしながら帰り、夕食をすませた。


「零。」


「何?」


「今日もうまかった!ありがとう!」

嘉隆は、いつもに増して感謝を伝えた。

「良かった。美味しそうに食べてくれるから、作りがいがあるよ。」

零は、にこやかに微笑んだ。


零は、嘉隆の無邪気な笑顔に、

嘉隆は、零の美しい笑顔に、

お互いドキドキしていた。


「零、久しぶりに肩もみしようか?」


「えっ?ありがとう。」

零は、どうしたの?という顔をしながらも嬉しそうにした。

「あっ、服は着たままだからな。」


「う、うん。もう報復はしないよ。」

零は、報復していた自分の大胆さを思い出して顔を赤くした。


「・・・やっぱりあれ、報復だったんだな。」

嘉隆は、肩をもみながら呆れた様に言う。

「う、うん。ごめんね。」


「大丈夫。俺もやり返したから。」


「えっ?」

零はしばらく考えた後、両手で顔を覆う。耳が赤い。

「もしかしてホームシックは嘘?」


「す、すまん。」

嘉隆は、本当に申し訳無さそうに謝った。

零は、振り向いて嘉隆を見ると、

「恥ずかしかったけど、頑張ったのに!」

と言いながら、頬を膨らませた。


「か、可愛い。」

嘉隆は、つい口から出てしまう。


「バカ。」

零は恥ずかしそうに、前に向き直り、俯いた。


「零。」


「何?」


「その、聞いてもいいか?」


「うん。」


「俺のご飯作ってくれてるの、かなりの負担になってるのか?」


「えっ?何で?全然大丈夫だよ?」

零は不安そうに嘉隆の顔を見た。


「・・・その、試験、満点じゃなかったのよな?」


「えっ?!」

零は、気不味そうにする。

色々と考えていたが、切り出せずにいた。

それに、嘉隆から自分が聞きたかった事を聞かれると思っていなかった。


「疲れさせてるのかと心配でさ。」



「そ、そう言う嘉隆こそ。

何で満点じゃなかったの?

私も、嘉隆が私のせいで精神的に疲れてしまってるのかって心配してた。」

零はまた前を向き、俯いた。


「・・・俺が?全然。むしろ零には沢山幸せを貰って、感謝しかないぞ。」


「じゃぁ、何で?」

零は、また振り向いて嘉隆を見た。


「いや、その・・・首席はいつも頑張ってくれてる零に譲りたいと思って、最後の問題を教師の思惑通りに回答して、わざと間違えた。」


「えっ?私も同じ。嘉隆に一番になって欲しいと思って、一番最後の問題、わざと間違えた。」


「ふふっ。」

「あはははっ。」


二人は見つめ会って笑った。


「良かった〜。嘉隆が精神を病んでなくて。」

零はニコッと笑う。

「俺も、安心した!」

嘉隆は安堵の表情を浮かべた。


「あっ、もしかして。だから突然肩もみが始まったんだね。」


「うん。本当は、これ辛いんだけどな。」

嘉隆は、少し俯いた。


「ごめん。手、疲れるもんね。」

零は、申し訳なさそうにする。


「違うぞ。前も言ったが、手は疲れない。」


「そうだったね。私に触ると、あんな事やこんな事をしたくなるんだったね。」

零は少し意地悪な顔をする。


「零は、そう言う事を平気で口に出せる所がメンタル強いよな。」


「何で?私は、恥ずかしくも無いし、気不味くもないよ。だって、何でも受け入れる準備はできて」

「れ!い!」

嘉隆は零に続きを言わせない様に少し叫び気味に言った。

「ストップしてくれ。」

「・・・分かった〜。」

零は少し不満気に口をとがらせた。


「なぁ、零、一つ思ったんだけどさ。」

嘉隆は、肩もみを続けながら、不満気に言う。

「何?怒った?」

「違う、違う・・・ある意味正解か。

俺達はお互いを首席にしたくて、最後の問題わざと間違えただろ?」

「うん。」


「教師の、あの数学の先生の採点中の憎たらしい顔を想像してしまって頭から離れないんだ。それに、答案用紙を名前を呼んで配る奴の顔が憎い。

俺と零に答案用紙を渡す時と、ものすごく嬉しそうにしていただろ?」


「確かに・・・次は、二人で満点とろう。報復だね。」


「あはははっ。そうだな。」

嘉隆は、久しぶりに悪魔の様な悪い顔をする。

零は、背後に殺気を感じてブルッと震えた。


「さっ!」

嘉隆は、零の肩をポンと優しく叩いた。

「そろそろ帰ろうかな。

また肩に限界が来たら言えよ。」


「うん、ありがとう。」


嘉隆が立ち上がり、玄関を出ると、零は名残惜しそうに、手を振った。


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