鏡向世界
揺らぐ、揺らがぐ、
一瞬の揺らぎ。
私の身体が、1センチだけ左右にぶれる。
その瞬間一時だけ、鏡向世界の入り口が開く。
この日のこの時間、この条件のこの場所だけに、それは起きる。
「そのチャンスを逃すな、」
私はリュックを背負い、勢いよく飛び込んだ。
シュルッ、
シュルッ、
生めく感触、絡みつく鉛の中、押し潰されるような重みを感じ、流れ漂う。
濁色の川。
一つの光が見えた、
「四角い穴に飛び込む、」
シュルン、
一瞬の揺らぎ。
私の身体が、1センチだけ左右にぶれる。
その瞬間一時だけ、鏡向世界の入り口が開く。
この日のこの時間、この条件のこの場所だけに、それは起きる。
「そのチャンスを逃すな、」
私はリュックを背負い、勢いよく飛び込んだ。
シュルッ、
シュルッ、
生めく感触、絡みつく鉛の中、押し潰されるような重みを感じ、流れ漂う。
濁色の川。
一つの光が見えた、
「四角い穴に飛び込む、」
シュルン、
潜入
2023/10/24 23:07
(改)