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カラオケ屋さんのレッドちゃん  作者: 深田おざさ
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りんごと千秋とレッドちゃん(1)

「うわぁ、行きたくないなぁ」

 5月も中旬に差し掛かり、ゴールデンウイーク明けに襲われた憂鬱感から抜け出せた頃、赤羽千秋あかばねちあきはバイトに行くことに難色を示していた。今日は土曜日、玄関で靴を履いたところまでは良いものの、ドアを開けることができないでいる。

 数週間前にさかのぼる。高校1年の千秋は、都市伝説にあるカラオケ屋11号室の幽霊に助けられた。その幽霊と仲良くなった彼女は「レッドちゃん」と名前を付け、またすぐに合えると手を振って別れたものの、そう上手くはいかなかったのだ。


 千秋が11号室からスタッフルームに戻ると、店長の南条さとみが心配そうに出迎えた。一服を終えて戻ると、先輩が逃げるように店を飛び出していったので、何があったのかと心配になったのだという。千秋はひとみに、先輩が迫ったことを話した。

「それで防犯カメラに気づいたっぽくて、慌てて逃げてました」さすがにレッドの事を出すと話がややこしくなるので、千秋はそれとない理由をつけてひとみに説明したのだった。

 この後先輩は解雇され、二度と店には現れなかった。どうやら彼は新人を片っ端からいじめていたようで、新人たちは11号室の迷信ではなく彼に耐え切れず辞めていったのだという。ひとみはこれを聞いてショックだったに違いない。自分の店でこんなことが起こっていたとは。ひとみは三日ほど寝込み、臨時で女性店長が別店舗から応援で来た。彼女は千秋を念のため2週間ほど休ませたので、千秋がレッドに再会するのは思ったよりも先になってしまうのだった。


「いやいや、行かなきゃ。今月の給料がまずいことになるわ」千秋は立ち上がり、気合を入れた。勢いよくドアを開け、バイト先のカラオケ屋に急ぐ。

 千秋の家から最寄り駅の枳殻からたち駅までは歩いて10分。そこから二駅で例のカラオケ屋のある関森駅に着く。千秋のバイト先は、駅のすぐ目の前にある大きなビルの中にある。

 千秋はいつも関森駅の隣にあるスーパーで軽食と飲み物を買う。コンビニや自動販売機で買うよりも安く、ポイントも貯まるのだ。今日はサンドウィッチと果汁100%りんごのパックジュースである。

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