石油採掘に沸き上がる国ガイアナ またしても日本はこうして1人当たりGDPで抜かれる
タイトルの通りです。これが現実ですから。
2015年までガイアナは最貧国でした。それが日本でもご存じのシェルが油田を発見。まずは試掘から始め、2019年に商業採掘がはじまります。2015~2019年は試掘需要でちょっと経済成長しました。それが一気に約+50%もの経済成長したのが2020年です。くしくもコロナ禍での出来事で日本のマスコミは誰もこの奇跡の高度経済成長を成し遂げた「ガイアナ」を取り上げませんでした。
それから2年後。いよいよ生活水準が先進国に達します。2022年夏ごろに到達しました。
2023年、つまり来年ですよね。日本の生活水準を超えます。つまり1人当たり購買力平価GDPで抜きます。
南米ではチリがOECDに加盟しチリが先進国初加入です。厳密に言えば1960年代までアルゼンチンという国が先進国でしたがアルゼンチンは破産して発展途上国に戻りました。逆にチリは最貧国+独裁政権だったのが銅とサーモンを原資に一気にIT先進国となり現在南米唯一の先進国となったのです。そしていよいよ南米2番目の先進国が登場します。
日本のマスコミって恐ろしいでしょ。ちょっと前まで「昭和シェル石油」って会社があったのにそのシェルの偉業を報じないんですよ。
ガイアナは
1990年 2,831.68
2010年 8,356.56
しかない最貧国でした(それでも20年で3倍もの成長を遂げていますけどね。インフレがあるとそんなもんです)。治安も最悪でどうしようもない元英国植民地の国です。国語は英語です。
2015年 11,204.62 油田発見
2019年 13,603.11 商業採掘開始
2020年 19,693.82 商業採掘1年目の結果が出る
2021年 24,526.36 商業採掘2年目の結果が出る
2022年 38,258.27 商業採掘3年目の結果が出る(IMF予測)
もうおわかりですね_?
日本の1人当たり購買力平価GDPは2021年で44,738.55です。US$で。日本の1人当たり購買力平価GDPは現在世界40位です。
ガイアナ 2023年 48,258.27 ≒ 日本(2022年予測) 48,813.67
しかしIMFの予測は1ドル115円で計算しています。今1ドル何円ですか?そう、もう140円に近いんですよね。よってこんな数字になりません。日本はガイアナにも抜かれます。まず所得で抜かれます。
1人当たり名目GDPは遅れて伸びてます
1990年 950.97
2010年 3,837.30
2015年 5,579.97 油田発見
2019年 6,594.38 商業採掘開始
2020年 6,952.70 商業採掘1年目の結果が出る
2021年 9,643.60 商業採掘2年目の結果が出る
2022年 17,107.52 商業採掘3年目の結果が出る(IMF予測)
今先進国で名目上の最下位はルーマニアです
2021年現在で14,667.09あります。
見てください。もうガイアナはルーマニアを超える先進国となってます。
でもルーマニアはEU加盟国だから「なんちゃって先進国」なのであって
実質の先進国最下位はチェコと言われてます。
26,410.65あります。2024年にチェコを抜きそうです。
日本は39,339.84あります。これは1ドル115円で計算したものですから来年は思いっきり順位が下がります。円安ですから。
どっちにしても名目GDPでも2025年にガイアナに抜かれそうです。
1人当たり購買力平価GDP世界46位がハンガリーです。37,128.21あります。
見てください。円安でハンガリーにも抜かれそうです、日本は
45位とか先進国の順位じゃないですよ。
したがって日本はガイアナという国だけでなくいろんな意味でもう先進国という枠から下に突き抜けたという自覚を持ってください。おそらく2022年が「日本国の先進国脱落年」と日本史に世界史に刻まれる事でしょう。
OECD開発援助委員会による援助受取国・地域リストの「高中所得国」を「DAC30」と言いますがハンガリーはDAC30に入っておりません。日本はDAC30から追放されそうです。日本は「HIE OECD」(OECD高所得会員国)からも追放されそうです。2023年に! それが「デフレ」に突き進んだ日本の末路です。いまの日本は「スタグフレーション」という最悪の経済状況ですが。
逆にガイアナは「DAC30」と「HIE OECD」に加入することでしょう。先進国枠ってのは入れ替わるのです。
これからもガイアナのように突然石油が噴出したなんて国が出てくることでしょう。
日本はそういう国にも抜かれていくんです。韓国・台湾・チェコ・ハンガリーだけじゃないです。抜かれるのは。
「先進国」は原油の所得だけでは厳密にはカウントしません。しかしガイアナは工業にも投資してるので間違いなく先進国認定になるでしょう。原油輸出で得た利益を学校、上下水道、発電所、道路、民間住宅建設需要、工場にも投資することでしょう。今まで失業してた人たちは「公務員」として採用されていくはずです。つまり極貧層が一気に中間層・公務員となっていくのです。ガイアナには未来しかありません。
一番の懸念材料である「治安」も失業率改善で消えていくことでしょう。
元々の主要産業はさとうきびと砂糖関連の食品工業ですから工業にも積極投資するでしょう。工業が強いと先進国に認定となります。IMFがそう認定するのです。
隣のベネズエラと戦争しない限りガイアナには未来しかないです。
役に立たない人なんていません。民間競争に適さない人はこうして公務員として採用されるのです。そしてたぶんそれが理想の統治なのでしょう。
・DAC30というのはミニ国家を除外します。サンマリノ・モナコ公国・バチカン市国・アンドラ・リヒテンシュタインといった国は除外されるのです。
IMFは毎年モナコ公国・バチカン市国・リヒテンシュタインの3国を計算除外(参考記録)にしてます。よって世界36位の日本は本当は現時点で世界40位なのです。
・なぜかニューズウイークは「世界最高の国30か国」(NBC30 Newsweek Best Country30)に日本を入れておりますがはなはだ疑問です。所得でハンガリー並みの国がなんで上位30か国以内に入るのでしょう?観光に行きたい国1位ってそりゃおかしいと思いますよ。そんなこと言ったらリゾートアイランド国家が1位になります。日本で優れている指標はもはや医療と治安と教育と観光「だけ」です。