表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/54

神器神羅天叢雲

 「おはようございます。ツバキさん」

「おはようイシュタル。エリックはどうした?」

「エリック様は個人的な用事があるとかで学校を休むと言って、

出かけられました」

「何の用事だ?」

「さあ?。王関係ではないようですが」

「まあ、学校に来たら聞いてみるか」


 その頃エリックは鍛冶師ギルドに向かっていた。

あることを依頼するためである。

金属を鍛える音を聞きつつ、エリックは鍛冶師ギルドに到着した。

中に入り受付の女性に用件を話す。

「エリック・ローワンだ。依頼したい仕事がある」

「…………っは!?」

受付の女性は一時的に呆けた後、元に戻った。

え!?。エリック・ローワン?。黒獅子?。

依頼?。鎧……は着ないわね。刀?。

秋水程の業物を持ってるわね。うーん……(ここまでの思考0,1秒)

「すまないがギルド長に会って話をしたい。

ここで話すのは避けたい」

「わかりました。奥の応接室で話を聞きましょう」

エリックは応接室に案内され、しばし待っているとギルド長がやってきた。

「これは黒獅子殿。何やら依頼があるそうで」

「依頼というのはこれだ」

エリックは布に巻いた剣を取り出す。

それを見てギルド長は眼を見開いた。

「この剣は……いや、この神器は倭国にしかないはず……なぜこれがここに」

「私がヤマタノオロチを最近退治したのは聞いているか?」

「ええ。流石は黒獅子と噂になっていましたから」

「その時尻尾から出てきたのがその剣だ。

つまり倭国にある天叢雲剣ではなく、もう一つの天叢雲剣がそれだ」

「なんと……。それで依頼というのは?」

「選りすぐりの鍛冶師を集め、技の粋をもって天叢雲剣を素材とし、

剣から刀に打ち直してほしい。それも最上級大業物として最高の刀にな」

「………………………」

ギルド長はエリックの言葉に沈黙した。

「無理か?」

「いえ。私は鍛冶師として最高の品を死ぬまでに作りたいと考えていました。

今回の依頼は最高の素材と最高の鍛冶師達によるおよそ考えうる最高の刀を作るというものです。

この依頼ぜひやらせてください」

こうして作業が始まった。

集められたのは人間二人、ドワーフ二人、ギルド長。

依頼を聞いた鍛冶師達は驚いたが、ぜひやりたいと全員が賛成した。

こうして作業が始まり、剣は徐々に刀へと姿を変えていった。


 「………完成しました」

そう述べたギルド長は疲労の激しい表情を浮かべた。

他の鍛冶師達も疲労が激しいことが見て取れた。

エリックも魔法による付与によって疲労が激しい。

エリックは出来上がった刀を観察した。

鍔等の拵えはまだの状態だが、エリックは刀身を見て眼を見張った。

反りは見事であり、刃紋はエリックが見た中でも最も美しかった。

刀を軽く振ってみる。重心のバランスが完璧であり、

切れ味も間違いなく刀剣で最高の一振りだろう。

「鍛冶師の皆さん、恐らく刀剣史上最高の業物です。ありがとうございます」

エリックは鍛冶師達に深々と頭を下げた。

鍛冶師達は疲れていながらも、笑みを浮かべた。

「それでその刀の銘を何にいたします?」

ギルド長がエリックに尋ねる。

「これぞ最上級大業物。名を神羅天叢雲とする」

そう名付けたエリックも稀代の神器に、鍛冶師達が分からない程度に手が震えていた。


 「ただいま」

「お帰りなさいあなた。………新しい刀?」

「そうだエリザ。リビングで見せるよ」

そう言ってエリックはリビングに向かった。

「………でまあみんなリビングに集まった訳だが………」

「新しい刀だろ。どんなものかと思ってさ」

「呂布。間違いなく刀剣史上最高の一振りだ。

見てもらった方が早いな」

エリックは神羅天叢雲を抜刀した。

その瞬間皆が黙り息を飲んだ。

「………凄い」

「なんて刀だよ………」

「一目見ただけで物が違うとわかりますわ」

「ハウンズ王国の名剣デュランダルを上回ってる?」

それぞれが口々に感想を漏らす。

「神器神羅天叢雲。天叢雲剣を素材として溶かし、人間とドワーフの選りすぐりの鍛冶師達が合力し、

技の粋をもって刀に打ち直した。間違いなく刀剣史上最高の一振りだ」

エリックの説明に皆が沈黙した。

何とも凄まじい神器だと。

「後は使い手の腕次第だな」

エリックはそう言うと神器神羅天叢雲を納刀した。

(抜刀するようなことがなければいいが、無理だろうな)

エリックは抜刀しなければならないだろうという予感があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ