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才能

 ヤマタノオロチとの戦い。

エリックの初手は、真正面からの突進!

「む、無茶だ!。エリック!」

ツバキが叫ぶ。

エリックがヤマタノオロチの間合に入った瞬間、エリックが消えた。

「消、消えた!?」

皆が驚く。

そして、エリックはヤマタノオロチの左側に現れ、

首を反応させる間もなく、切断した。

ヤマタノオロチは何が起こったかがわからなかった。

しかし、首を切られたと理解し、悲鳴を上げた。

「まず1つ」

エリックはそう呟くと、地面へ着地したと同時に、その姿がまた消えた。

そして、一瞬でまた首を切断した。

「2つ」

そう言うエリックの心は冷静であった。


 「イシュタル!。エリックは何をしているんだ!?」

「アーサーさん。あれがエリック様の本気の縮地です。

ただ、昔見せてもらった時より明らかに速いです。

昔はともかく今の縮地は私にも見えません」

「これがエリックの本気の縮地……。ヤマタノオロチに一切反応させないとは……」

ツバキが唸り声を上げる。

「この……痴れ者が……!」

ヤマタノオロチは残った首から、炎を吐いた。

それと同時にエリックの姿が消え、またヤマタノオロチの首が飛んだ。

「これで3つ」

エリックは淡々と呟く。

「おのれ……」

ヤマタノオロチは怒りにあふれていた。

「7人」

「?」

「お前が食べた娘の数だ。娘達の仇だ。首を1つ残して全部斬る」

エリックがヤマタノオロチを見る眼は冷酷そのものであった。

エリックのその眼に後ずさるヤマタノオロチ。

「ああ。逃げてもいいぞ。無駄な行為だがな」

エリックが言い終わるやいなや、姿が消え、ヤマタノオロチの首がまた1つ飛んだ。

「4つ」

ついに逃げ始めようとするヤマタノオロチ。

しかし、エリックは全く容赦がなかった。

凍れる炎(アイシクルヒート)。広範囲殲滅魔法の氷雪系最強魔法だ。

極寒の炎を身をもって味わえ」

エリックの魔法で全身を凍らされ、身体が動かなくなったヤマタノオロチ。

それでも意識だけはエリックの調整で残っていた。

「さて、後3つだな」

エリックはヤマタノオロチを見下していた。

ヤマタノオロチは恐怖を感じた。

こんなちっぽけな人間に、恐怖を感じいいように嬲られている。

前世でさえ神は自分を殺すのに酒を準備し、酔ったところを神に斬られた。

あの時は自分の迂闊さを呪い、正面からなら絶対に負けないと思ったものだ。

だがこの人間はどうだ。

神ではないのは確かだ。だが、塵芥にしか思っていなかった人間に、

これほどの化け物がいるとは。人間の皮を被った何かにしか見えない。

「さて、神へのお祈りは済んだか?。まあ、神を信奉してないだろうし、

お前の行先は地獄だがな」

エリックはそう言うと、ヤマタノオロチの残りの首を落としにかかった。


 「うう、寒いよ!。かなり離れているのに。イシュタル。エリックは何をしたの?」

凍れる炎(アイシクルヒート)。エリック様の広範囲殲滅魔法の氷雪系最強魔法です」

「でもこれだけ離れているのに凄い寒いんだけど!。それにヤマタノオロチのサイズなら割れないの?」

「不可能です。あの氷は絶対零度以下ですから」

「絶対零度?」

「エレナさん。これはエリック様の説明になりますが、炎には温度の上限はありませんが、氷には絶対零度といって、

-273.15℃が下限でこれ以上温度は下がらないんです。エリック様の使った魔法はその下限を越えて、

凍らせる魔法です。つまりただ何もしなくても体力が奪われ、動きたくても動けないんです」

「……とてもじゃないけど真似できない魔法ね」

「はい。あの魔法を使うというだけでもエリック様が本気で戦っているという証拠です」


 イシュタル達が話している頃、エリックはヤマタノオロチの首を7つ落としていた。

「どうだ?。何もできずに首を落とされる気分は?。

これが娘達が味わった恐怖のほんの少しだ。

ああ、すまない。凍ってて喋れないんだったな。温めてやる。

黒翼の堕天使(ブラックフレア)

エリックが魔法を唱えると、エリックの背後に天使をかたどった黒い炎が現れる。

だがそれは美しいものではなく、禍々しいものだ。

「地獄の炎を召喚してやった。地獄の一端味わうがいい」

黒い天使はヤマタノオロチを抱擁する。

その瞬間、一瞬で氷が溶けるとヤマタノオロチの全身に火が回った。

声にならない悲鳴をあげるヤマタノオロチ。

絶対零度を越える寒さから一転、凄まじいまでの地獄の炎だ。

ヤマタノオロチの頑丈な外皮は何の役にも立たず、一瞬で消滅した。

エリックが魔法を解除した後、

ヤマタノオロチはそれでもまだ生きていたが、もはや動く事さえできなかった

「さて、終わらせようか」

エリックがそう呟くと雷雲が集まり、エリックの周りに降り注いだ。

「集まるがいい雷よ。我が剣の元に集え」

エリックがそう言うと、雷が秋水に纏わり集まった。

そしてエリックは技を放った。

「雷光・三段突き!」

極光が周囲を飲み込む。

光が収まった時、アーサー達は凄まじい光景を見た。

ヤマタノオロチの胴体に大穴が空いていた。

これは理解ができた。問題はヤマタノオロチの穴の直線状にあった丘が3つ消し飛んでいたからだ。

どんな剣技を使えばこうなるのか理解できなかった。


 「ふう。さてと……」

エリックはヤマタノオロチの尻尾に回り1つづつ斬り始めた。

そしてそのうちの1つから金属音がした。

エリックは手を突っ込み、一振りの剣を引き出した。

「やはりあったか。天叢雲剣」

エリックは天叢雲剣を回収すると皆の所に戻った。

「カーミラ。姉妹の仇取ったぞ」

エリックがそう言うと、カーミラが抱きついてきた。

「ありがとうございます。エリックさん」

カーミラの頬には涙が伝っていた。


 「イシュタル。エリックが放った技は何なのだ?

尋常ではない破壊力だぞ?」

「ツバキさん。わかりません。ただ、私の推測では三段突きと雷魔法を組み合わせたものだと思います」

「三段突き?」

「燕返しと同系統の技です。3つの突きを全く同時に突く技です。

初見での防御や回避は極めて困難な技です。

また、燕返しと違い単純な破壊力にも優れた技です」

「三段突きに雷魔法の組み合わせか……。だが、威力がありすぎないか?」

「それは自然の雷を使ったからだと思います。轟雷一閃は体内の魔力で雷を作るので威力は限定されます。

先程の技は自然の雷を使ったので、威力が桁違いに上がったのでしょう。

今までエリック様が使わなかったのは、威力がありすぎて味方を巻き込んでしまうからでしょう」

「伝説の怪物すら一方的に屠るとは……。間違いなくエリックは大陸最強だな」

「果てしない修行の成果です。エリック様はただ剣が好きなだけなんですけどね」

「剣が好きというのが才能なのだろうな」

ツバキとイシュタルはお互いを見て笑顔を浮かべた。


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