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旅立ちの祝福

森から出たら、目の前に立派な神殿があった。イリーヤ大陸の一番大きい、自慢の観光スポットである、イリーヤ神殿。場所が不便なわりには、観光客がいつもいっぱいいる。


神殿に入ろうとしたら、神官が俺に声をかけた。


「イリーヤ神殿へようこそ。あなた様は祈るためにイリーヤ神殿を訪ねたのでしょうか?」


手を肩まであげて、首を軽く振った。


「ああ、違いますよ。旅立ちの祝福を受けたいと思って、来ました。」


神官が俺の言葉を聞いて、震えている声で俺にこう言った。


「あなたさまはもしや……ウィルフレッド様ですか?」


神官の言葉に対して、俺は戸惑った。


「え、ええ?なんで俺の名前を……?」


神官が慌てて俺の手を掴んだ。びっくりして、手を引こうとしたが、神官がなかなか話してくれなかった。


「これはとても光栄でございます、イリーヤの勇者様!どうやら、ただの夢ではなかったのですね!」


ますます意味が分からなくなった。


「すまんが、なに言ってるのかさっぱり分からないのだが……。」


「は!私としたことが!」


神官はやっと手を放して、いったん俺から距離を取った。


「大変失礼なことをして、申し訳ありませんでした、勇者様!初対面で私こときが馴れ馴れしいまねを……どうか、お許しください!」


「……」


なんなんですか、この嫌な感じ。まるで気持ち悪いファンと話しているみたい。


「いや、その、気にするな。てもできれば、その神様扱いはやめてもらえるとたすかる。だいたい、イリーヤの勇者って俺のこと?」


「イリーヤの勇者様のお心遣い、痛み入ります。お望み通り、私は昨日の夢に伝われた、イリーヤ様からのお言葉を……。」


長い話になりそうだな、とほほ……。


……


「つまり、イリーヤがお前の夢に現れ、そして俺が来ること、そして俺がこれからしようとしてることまで話した……だよね?」


そんな簡単なことを一時間かかって語るなんで……。


「はい、その通りでございます。イリーヤ様の勇者であるあなた様が私なんかの話を聞いていただき、大変光栄でございます!」


光栄光栄うるさいな、この神官。神様扱いは正直うざいんだ。


「はあ……それでは、さっさと祝福とやらを始めてくれないか?」


なんかもう、早く帰りたいな。


「分かりました!では、さっそく始めます。」


「我々の偉大なる絶対神、イリーヤ様、この者に旅立ちの祝福をお与えくだされ!」

マントラっぽい物もあるなんて、流石と言うべきだな。


「……」


「……」


この際、何かがあるはずだと思うのだが、まさか、これだけ?よく見ると、神官も怪訝の表情をしている。


「……偉大なるイリーヤ様よ、彼に、あなたの勇者様に旅立ちの祝福を……!」


よく考えたら、こんなことする必要があったっけ?いや、しなくてもいいんじゃね?


「あの、何か問題でもあるのか?」


「あ、ああ、はい、そのようです。申し訳ありません、勇者様。なぜかイリーヤ様が降臨してくださいません……。これもおそらく、私の未熟さゆえになのでしょう……。」


頭を振りながら、神官さんにこう言った。


「いや、そんなに自分を責めるなよ。きっとイリーヤも何か事情でもあるんだろうから……。」


神官に背を向け、神殿から出ようとしたら、神官が俺に話しかけた。


「イリーヤ様はなぜ降臨しなかったか分かりません。イリーヤ様の教えに反することをしていないあなた様には、祝福をもらえたはず。ですが、せめて、私があなた様の安全の旅立ちを祈ります。どうか、頑張ってください!」


神官の方に顔を向けて、笑顔のままで「ありがとう」と言った。


森へ向かう時、神官の言葉を思い出した。


「イリーヤの教えに反すること、か……。」


ため息をついた。まさか、あのラミアを助けに行ったことがいけなかったということか?


まあ、それでも、助けに行ったことを後悔しない。そもそも、祝福なんていらないしな。


この件については……ジョンさんに黙っておこう。




長い間アップデートしなかったことと、今回はなんか短くてすみません。

最近すごく忙しいから……それでも、書く時間は頑張って確保したいと思います。

読んでくれて、ありがとう!

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