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第2話 2004年07月30日

「ふぁあ~」

 今日も良い天気♪

 外では鳥がチュンチュン鳴いていて朝が来た事を気持ち良く知らせてくれる。

 今日の予定は……何しようかな?やっぱり、だらだら過ごすのが一番かなw

 ダイニングキッチンに移り、コップに牛乳を注いだ。

「よ!おはよ」

「…………」

 一瞬、私の思考回路が停止した。

 この人……誰?

「……ぁあ!」

 そうだ!勝平!すっかり忘れてた!

「てか!なんで家の中に居るのよ!?」

 そうだよ!家には鍵が7つも付いていて、そう簡単には入れないはずなのに……

「どーしてもトイレ我慢できなくてさ。2階の窓が開いてたから、そっから入らせてもらったw」

 勝平は私にVサインを見せて誇らしげにしてるけど……それ、不法侵入じゃない。犯罪だからー!

「と、とにかく!勝手に入らないでよ!出てって!穢れる!!」

「『穢れる』って……。てか、スゲー頭w」

「え?」

 ……いやぁーーーー!!今、私の頭は寝起きでボサボサ!!しかも、パジャマ姿!!いやぁーーーー!!見られたぁーーーー!!

 私は無我夢中で自分の部屋に逃げ込んだ。

 バンッ

 最悪、最悪、最悪!!!唯でさえ、知らない人を家に入れちゃったって言うのに、ヒドイ姿まで見られたぁ!!勝平の頭殴って、記憶飛ばしたい!!

 私は頭を掻き回し、溜息を漏らして着替え始めた。

「あぁ!そう言えば『トイレ』とか言っていたよね……」

 もう嫌……。トイレ、買換えないと使えないじゃない……



「なぁ。今、夏休みなんだろ?なんか祭りとかないの?」

 半田鏝をいじっている私に勝平は言った。てか、机に伏せながら上目遣い目に言ってる……。気色悪いから止めてほしい。

「8月になればあるんじゃない?」

「ふ~ん。じゃあ、案内してよ♪」

 何?!この甘えた感じ。気色悪い……。

「やだ。てか、案内できるほど行った事ない」

「ぇえ?!祭りに行かないのか?!俺は地元の祭りには毎年行ってるけど……。夏休みに祭りに行かないなんて、人生の半分は損してるぞ」

 ありがちなセリフ……。

「“夏休み”と“祭り”は深ぁ~く密接しててだな……」

 なんか、語り出したし……。

 私は勝平の講義を聞き流していた。結局のところ、『夏休みに祭りに行く事が“日本の心”“和の極”』らしい。意味分かんない。……けど、あまりにも勝平が楽しそうに語るから、私の行きたくなったじゃない。

「だったら行こうよ!な?」

 なんて、言ってくれた。

「二人で出店漁るのも楽しそうだしさっ」

「……そ、そこまで言うなら行ってあげる」

 本当は内心凄く嬉しかった。けど、そんな事で喜んでるのを見せたくなかった。喜んだら絶対『子供』だって思われるから。だから、意地を張ってしまった。

「なんだよ。ツンデレか?俺にはそんな属性ないぞーw」

「『つんでれ』?何それ」

「知らねぇのか?てか、この時代じゃまだそんなに広まってないのか?」



「祭りは8月7日だってさ」

 私がタイムマシンを造り直している間に、勝平がネットで調べてくれた。

「もうすぐだ……」

 思わず声を漏らしてしまった。

 お祭りなんて何年振りか分からないけど、それくらいずっと行ってなかったから、凄く楽しみで……。それで、思わず声に出ちゃったみたい。

「やっぱり楽しみか?」

 顔に出ちゃうくらい喜んでたみたい……。

「べ、別に!こんな事くらいで喜ぶほど子供じゃないし」

「やっぱりツンデレか?」

「だから、その『つんでれ』って何!」

 勝平は“つんでれ”と言うものの説明を全くしてくれなかった。『そのうち分かる』って言うだけ……。



 私はタイムマシン造り、勝平はガレージにある物をいじり回しながら私に話し掛ける。1日中そんな事を繰り返していた。我ながら奇妙な生活だと思う。昨日会ったばかりの相手なのに、勝平はなんだか馴れ馴れしい。『どうしてそんなに馴れ馴れしく心を開けるのか』と疑問に思いつつ、羨ましくも思う。

 そんなこんなで、タイムマシン造りの1日目が終わった。勝平と話しながらの作業だから、進み具合はかなり遅いと思う。でも、楽しみが1つ増えたから“良し”としよう。

 8月7日……楽しみだな♪


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