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来るべき時、異世界の真実

熱はもう完全に下がっている。一安心した勇騎は気分転換にとホテルの屋上に上がり、町を眺める。あの時、りりかからイルシードから引き離した時。

りりかを縛る鎖はなくなった。

「今の勇騎とりりかなら、この町を出て行くこともできる。二人でどこか静かなところで、

ここは人の悪意が多すぎる。」

だが、同時に彼女は因果もなくし、彼女もまた元の人間に戻る事は難しくなった。

「僕のせいかな。でもいつか言わなくちゃ、りりかが元の世界に戻れなくなったことを。」「いや、いやそれは君が気に病む事じゃないさ。彼女はずっと前から元の世界には戻れない。因果がドッペルゲンガーと繫がっていようとも、彼女はそれを肯定した。つまりは今のりりかちゃん、もとい本名天木美香を殺したところで、彼女は元には戻れないさ。

それどころか、彼女のドッペルゲンガーを殺せば彼女の心の傷は大きくなり、一瞬で悪意の花が目を覚ましこの世界そのものになっていただろうね。」

唐突に勇騎に話しかけたのは 5,6歳の眠った子供を抱きかかえた40代と思しき男だ。

どこか見おぼええのあるような男

「彼女のドッペルゲンガーは以前社が殺そうとしたことがあるんだよ。でも、その時、彼女をいじめていた女の子が身を挺して彼女のドッペルゲンガーを守った。その時彼女は認めたんだ、自分のドッペルゲンガーをね。

結局彼女は事実を受け入れながらも、恨みだけが残ったどうして自分だけが、どうして私が悪いみたいになっているの、違う世界がおかしい。ってね」

そうだ、烈火さんだ。この人は烈火さんに似ている

「だから注意した方がいいよ、今は影を潜めているけど、人を恨むのは人の本質だ。

彼女は特にそれがひどい、人格形成段階で汚い人間を見すぎたからね。

本来であれば君も同じことが起きるんだけど、知っての通り、君は僕たちと同じ、純粋なドッペルゲンガーじゃなくて、そこに寄生した僕と同じような古代種がいたせいで、それがねじまがったそのせいで純粋なドッペルゲンガーとはならず、因果も歪だ。

現実世界で市井勇騎という存在を取り合っていたに過ぎない。

どうだい今の気分はまさかここまでのものになってしまうなんて僕も予想外さ。」

「烈火さん、、、いやこの感じ、違う。澪さんですね。」

「正解、今の君ならこれくらいで来て当然だよね。」

「その恰好どういう事ですか?」

「簡単な事だよ、君とあいつと同じ事。僕は烈火のドッペルゲンガーに寄生し、彼と入れ替わった。現実世界では今は僕が二堂烈火ただそういう事さ。もっとも僕はウィルシードを引き渡すなんてマヌケな真似はしないから、ほらこうやって、、」

「今でも自由に、どちらの世界にも存在できる。」

勇騎の後ろから最初に勇騎の前に現れた姿で、澪が現れ勇気を馬鹿にするように横を歩き、すっと消えて行った。

「可愛いでしょ、僕の子供。来月で7歳になるんだ。」

「あなたは一体何なんですか?いったい何がしたいんですか」

澪が指を鳴らすと、瞬時に空が赤から宇宙にいるかのように高く黒い空に変わる。

「これが烈火のいる世界。正しく認識した本来の世界に近いこの世界。

僕たちは君たち人間よりもはるか昔にこの世界に生きていた存在だ。

僕たち命はこの星で生きる為にこの星で生まれた。

君たちと同じように言葉を生み出し、知識の共有化を行い、文字を生み出し経験を継承が行われ、そのレベルを上げて行った、そうして星の海を渡れるまでの技術を生み出す一歩手前まで進んだ。でも星がそれを許さなかった。

そうして僕たちは星に否定された。僕たちは緩やかな死を迎える事を余儀なくされた存在だ。僕たちは子孫を残すことが出来なくなり、この星から消える事となった。星という神の怒りをかったのさ。でも僕たちはそれを素直に受け入れたりはしなかった。

自らの魂を認識し、それを肉体から切り離し星の支配を離れる事にした。

そしてその魂を保管しておくための器としてこの世界を作った。

この世界は星の意思は介入できないというより、認識できないといった方が正確か。

僕たちはこの世界に移行し、眠りにつき待った。

そう君たち人間が進化するのをね。僕たちは君たちの生物のはるか以前の先祖に二つの事を埋め込んだ。

一つは再び目覚めた僕たちの器として機能するように自分たちの似像として進化する事、そして僕たちの器足りえる存在となるべき脳と魂を持っている事。

その為に長い時間がかかったよ。

文明レベルを徐々に上げ、思考を繰り返し、脳も、体も僕たちに耐えられるになるまでに、」

りりかは屋上におかれた従業員用のいすに座り、自分の膝の上に子供の頭を乗せ寝かさると、子供の頭を撫でながら話を続けた。

「最近、世界各地で見つかっている遺跡を知っているかい?遺跡の下にある遺跡。君たちの文明レベルが上がり、あれを発掘できるまでになった。今後連鎖的にあれらが見つかるはずさ。そうしてある事に気付く、世界各地の遺跡の共通点に、そしてそれが、人類が生まれるはるか以前である事、そしてあれらのさらに奥に、自分達の英知を超えた技術があると。まだ、今の大人たちじゃ僕たちの技術を理解する事は出来ない、つまりは気づけない。でも、あれが見つかる事自体が頃合いなのさ。あの遺跡たちは君たちに巡り合うために見つかっている。そしてあと5年、いや10年、20年すれば気づくはずさ、この世界の真実に、そしておそらくそれが核心に変わるのは日本海溝の底の洞窟にある遺跡を見つけた時さ。それは人が生まれた時は既に海で、にもかかわらず、それが地上にあった時の痕跡を残し、世界各地で見つかった遺跡と同じ共通点を持っているとね

そしてそれで僕たちの存在にも気が付く。でもその頃にはもう遅い、遺跡の奥の箱を開ける事はそれ自体がキー僕の同胞が次々に目をさまし、世界の各地では僕たちと会話し受け入れる人間が出始める。

そうして世界は再び僕たちのものになる。

でもただ蘇っただけでは何も変わらない。その為に君たちの遺伝子に埋め込んだもう一つの事それがこの星の命を削るという事さ。

君たちは僕たちとは根本的に違う、この星の意思を感じる取ることが出来ないし、この星から生み出された命にもかかわらず、僕たちが手を加えた事で、この星を傷つけることが出来る。故にこの星は弱り、かつての世界とは様相を変え始めている。

そうして僕たちは星の楔を解き放たれ、無験の宇宙の支配者になる、、、」

「それがあなたの目的、、、」

「いいや、それは君のゲンガ―君たち偉い人たちの目的だった。

君のゲンガ―君は君の影響を受け過ぎその事さえも捨てただからウィルシードを君に渡した。でもそれらは僕には関係のはない話さ奴隷であった僕にはね。」

「奴隷、、」

「結局そんなくだらない事を考え、実行するのは一部の支配者だけさ。僕たちはただそれに付き合わされ振りまわらせるだけさ。新しい世界でも彼らが目覚めれば、僕はまた昔のようにくだらない事の為に生かされる。だからさ、僕の目的はあいつらの計画を失敗させること、そして、僕がたった一人の支配者になる事。僕はね、永遠に人間を繰り返したいんだ。この体、烈火のだけど結構、気に入ってるんだ。

でも、最近は老化でガタがきているし、もってあと40年、どこまでもか、そうなったら今度は女がいいな。そういう概念元々なかったけど、これはこれでいいものだよ。

そう言う風に僕はこの世界で当たり前の幸せを享受しながら、人を見下し、観察して生きて行きたいんだよ。おっと、いくら邪魔しようとしても無駄だよ。

君のウィルシードは一つだけど、僕は烈火に奪わせた数十個があるし、これからも増え続ける。君じゃ僕には勝てない。ウィルシードを受け入れた以上、ウィルシードを持つ者同士は決して勝てない壁がある。君より階級の上のウィルシードを持つ限り僕には勝てないし、どうする事も出来ないよ。」

「話は分かりました。つまりは僕には全く関係のはない話という事ですね。あなたが何者なのか分かっただけでもすっきりしました。、、、元々僕はりりかと僕が幸せになるのを邪魔しなければ何もする気はありませんよ。どうぞご自由に、」

「いいね。僕もそれが最善だと思うよ。僕たちの利害は一致する。

さっきも言ったけど、僕たちの仲間は既に目覚め始めている。

各地で見つかる都市伝説や幽霊のいくつかは実際に僕たちの仲間がやっている事さ。

彼らが目覚めるほどにこの世界は役割を終え、元いた世界に重なりだす。そうなった時、人であることを捨てた君たちに居場所はなくなり虚無へと堕ちる。今を維持したいのなら警戒すべきだよ、僕たちの仲間に、それにウィルシードを持った君は彼らにも見つかりやすい。彼らからしてみれば君たち人間はただの器だ。器が力を持つことをよしとはしないだろうね、だから気を付けるといい。さて、僕はそろそろ行くね。下の部屋で奥さんがそろそろ起きる頃さ。今は旅行中で明日には立つことになる、もうこの姿であう事はないだろうね」

「ご忠告ありがとうございます。最後に聞いていいですか」

「どうして僕にそこまでしてくれるんですか?」

「まぁ、簡単に言うと身内だから、彼、今は二堂烈火って名乗ってるけど、二堂はこっちの世界に来てから、僕が上げた名前だよ。五代ちゃんみたいな政府の人間に元々のっもとがばれると僕も迷惑だし、家族にも監視がつくからね、彼の本当の名は東堂恋国れんごく、東堂、君のお母さんの旧姓さ。つまり君は今の僕甥っこっていう訳。

もちろん君のお母さんの記憶は僕が自由に生きるのの邪魔がになるから消させてもらっている。というより、家族全員、兄がいた事を認識できないようになっている。

そんな君に本当に偶然だけど、そっちの世界で遊んでた僕が遭遇した。これは偶然と流してしまうにはあまりに惜しい、きっと何かがあるはずそう思った。

だから君は世話を焼いた。いやー。やっぱり血がつながっているという事は因果だね・

運命という者を体感させてもらったよ。でもそれだけ、血がつながっていても心はつながっていない。もう十分楽しませてもらったから、世話を焼くのは今回まで

後は君の人生だ、君の好きにすればいい。」

そう言い残し、澪は町の中に消えて行った。


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