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僕が求めた理想郷。君がいる世界

「ナ、ナニナイテイルノヨ、ほ、本当にしょうがないんだから」

「り、りか」

「まったく、勇騎はしょうがないな。締まらないんだから」

「よかった、りりかいつもにりりかに戻ってくれた」

「あなたの声があまりにうるさいからせっかく気持ちよく消えてこうと思ったのに、

あなた大丈夫?今の私のどこがいつもの私よ。こんなふうになって、」

「でもよかった、りりかのことだんだんと感じられなくなっていたから。」

「どうして戻ってきたの?」

「決まっているでしょ、りりかと一緒にいたいからだよ。」

「ホント馬鹿なんだから、ねぇ、勇騎、そんなに私の事好き?」

「当たり前だよ!」

「こんな姿になっていても?」

「そりゃいつものりりかの方が好きだけど、今のりりかも好きだよ。だってりりかだもん」

「私の為なら何でもしてくれる?」

「もちろんだよ。どんなことだって」

「だったらお願い。勇騎、今のうちに私を殺して」

「嫌。」

即答で勇騎は答える。

「な、」

「だって僕はりりかを助けに来たんだそんなの嫌だよ。」

「馬鹿な事言わないの正直、今の私をいつまで保っていられるか、、お願い、勇騎君に殺してほしいの、私はそれで満足。」

「そんなの僕が嫌だよ。せっかく人をやめてこうして会いに来たのにそんなんじゃ何にもならない。」

「人をやめた?」

「この世界で僕に不可能はない。どんなに小さくても可能性があるそれが今の僕。

ウィルシードの力。願ったのはりりかの事だよ。

だからりりか、強く願って、一緒に帰ろう。」

勇騎はりりかの手を自分の胸にあてる

「僕はりりかと一緒にいたい。りりかと一緒に遊びに行きたいし、そうだ、映画、まだ映画も一緒に見に行ったことなかったよね。それに買い物だって一回だけだし、そういえばプールもいいね、ぼくりりかの水着みたいな。」

「なによそれ、下心丸出しじゃない。」

「だって見たいもん。しょうがないじゃない。やりたいことがたくさんあるんだ。りりかと一緒にだからお願い。」

「私も、勇騎と一緒にいるの嫌いじゃないよ。」

「そういう言い方、一緒にいたいくらい言ってよ。」

「それは、、その、、でも、プールか、そういえば私、学校のプールも私が入るとみんなが嫌がるから入ったことないな。」

「夜中に学校のプールとか、楽しそうじゃない?」

「そうね、その為にも、まずはこの体を元に戻さないとね。」

「うん、大丈夫戻れるよ。あとは、そうだ、、」

勇騎が頭の中の妄想を口にしていく楽しそうに、自分のせいでうまくいかなかったけど、陽菜が自分に望んでいたことを、今は自分が自分の意思で臨んでいる。

「今年は無理でも、来年の夏に、でもその前に紅葉を見に行こう、二人で、雪山に遊びに行こう、私、スキーもしたことなくて、リフトに乗ってみたい、それに温泉も入ったことないし、」

「大丈夫、できるよ。ううん、僕が叶えるから、」

「うん、だから戻りたい、今までの私に、やっぱり、勇騎君の前では可愛いって言ってくれる私でいたい。」

「大丈夫だよ。大丈夫だから、、」

勇騎が目をつぶり、おでこをりりかのおでこにあてる。

すると強く勇騎の胸が緑色に光り、まるで水の中に溶けるように、りりかの人ならざる姿が闇になって消えていく、りりかがりりかの姿に戻っていく。

幻想的なその光景に、きららは思わず写真を撮る。

だが、そのまますべての闇が消えるかと思われたが、りりかから剥がれ落ちた闇は再び塊、りりかの手を掴み、闇に引きずり込もうとする。

「や、社先輩。」

「違う、あれはりりかちゃんの心の闇が育てたイルシード、社先輩の形を成して動揺を誘い、再びりりかちゃんを引きずり込もうとしている。」

灯が動こうとしたがきららがそれを止める。

「きららちゃん?」

「まだ駄目、これは勇騎君の役目、それに、ほら見て、あれに反応して集まってきている。

れ、烈火君が今は戦えないから私たちで何とかしないといけない。だから、今はダメ」

「いや、離して」

引きずりこまれそうになるりりかの体を勇騎がぐっと引き寄せる。

「りりかは僕の物だ。」


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