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閉じた心、そして世界は元に戻る

「、、、、」

「待たせたな、きらら、五代さんがごねるから遅くなったな。で、用件は、、、、」

「なんであなたを私の車に乗せないといけないわけ。だいたいあんなところで一人で何してたのよ。近くで騒ぎが起きてたけど、あなたのせいじゃないでしょうね、、、、」

「ははは、烈火先輩は人には従わねど、法は守る人間さ、そういう事はないさ、、、、」

一同が言葉を失い沈黙する。

「、、、、烈火さん。」

「、、、、」

睨みつけるように烈火を見つめる、だが勇騎など目に入らないように烈火を始め、4人は勇気の後方、りりかに釘付けだ。

「、、、りりか、」

「り、りりか、、ちゃん」

「りりかちゃん!!」

「りりか!どこにいたの!ずっと探してたのよ!」

りりかに駆け寄り、触れようとした五代の手を、りりかは本気で払いのけた。

「勇騎君の言っていた、頼りにならない専門家ってやっぱりあなた達だったの、薄々そうじゃないかって思ってはいたけど、なるほどそういう事。」

「りりかさん、知り合いなんですか?」

「えぇ、私の大切な人を殺した人たちよ。勇騎君。その人に何かされなかった?」

「、、俺たちを呼び出した用件は?」

「、、、、もう一人の僕はどうなりましたか?」

「もう一人の僕?」

「今日の昼間、陽菜の前で、もう一人の僕を殺そうとしたでしょう。」

「あぁ、あれの元はお前か、なるほど選ぶのは俺じゃない、そういう事か、、よかったな、因果が切れる前で、となると、寧ろなぜ、お前がいまもそうしていれる?

あれがお前の影だというなら、既にこちら側にはいれないはずだ」

りりかがギュッと勇騎の手を握る。烈火はそれで事態を理解した。

「殺したんですね。」

「あれは存在してはならない存在だ。まぁ、お前には関係のない話。」

「陽菜は、、どうしたんですか?」

「さぁな、悪いがそっちの都合は知った事ではない。

どうとでも好きにしろ、お前の目的はその状況確認か?なら充分だろ。

ここからはお前はすっこんでろ。澪、、最初からそういう事ならいっておけ」

烈火がりりかに近づこうとすると、勇騎が割って入る。

「どけよ」

「ふざけんな、話が終わっていません、それにりりかさんは、嫌がっています。近づかないでください。」

「また頭付きでもされたいのか、それとも殴られたいのか」

「暴力に屈すると思わないでください、でも、なんなんですか今日は機嫌でも悪いんですか、余裕ないですよ。」

「烈火先輩落着いてくれ。りりかちゃん、聞いてくれ、君がこちら側に来てどれだけ立ったかは分からないが、君の因果は既に限界だ。君の過去を辿って、もう一人の君も見つけた。今ならまだ、君を戻せる可能性がある、私たちの所に戻ってきて、話を聞いてくれ。」

「冗談じゃないわ、今さら何を、そんなのもう無理よ」

「無理じゃない、何とでもする。この士条灯。

士条家の全ての力を結集し君を救って見せる。

このままでは君は大変なことになってしまうんだ。」

「何とかできるんならどうして社先輩は殺したのよ。」

「それは、、、」

「何よその目。私はもう、あんたたちの知っている私じゃない、もう戻る気も

寂しくなんてないの、それにほら、やっとよやっと聞こえるの、見て社先輩だってこんなに近くにいるの。もう寂しいとか、悲しいとかそういうものはどうでもいいの、

私はあなた達みたいな人間じゃない!私は選ばれた存在なの!」

「りりかちゃん!!何を!!」

りりかの周りに黒い闇がまとわりつき、彼女を侵食していく、それは勇騎の前に現れたあの赤い影のようにも見える。

「うるさい!!!私に近づくな!!」

彼女の言葉に反応し、黒い闇が咆哮を上げ、灯を退け、きららと五代を吹き飛ばす、ただ、烈火だけは微動することなく、その闇を見つめていた。

「勇騎君。あなたともここでお別れね。あなたは元の世界に戻りなさい。

もう私がいなくても大丈夫でしょ、もう、手放しちゃだめよ。」

それは勇騎がその闇にあっけにとられ、意識が体に繫がらず、体への反応が遅れた間の出来事だった。

「あなたは幸せにならなくちゃだめだから、ありがとう。」

手を離した瞬間、勇騎の視界からりりかが消えていく。

本来なら叫び、その話した手を掴むべきだろう。だが、まただ、また勇騎は選択を誤った。

彼女にまとわりつく闇、彼女の意識が生み出したその闇、手を繋いでいた勇騎にだけは見えた彼女が求めたのは社という存在。だから迷い意識が思考を止めてしまい彼はまた、、


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