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都市伝説研究所始動!

一方、勇騎がいなくなった都市伝説研究所では、エントランス兼書庫にて各人自分の居場所に座り、勇騎の事についての会議が行われていた

「さて、で、実際のところはどうなんだ」

「どうもこうも、招いてもいないに、ここにきている時点で本物という事だよ。烈火先輩。烈火先輩ともあろうものが愚問だな。ここは認識せざる場所だ。偶然に訪れる事は不可能だよ。ここに来たその時点で彼の身に起こった事は既にこちらの世界だという事さ」

「まぁ、彼の場合、案内役がいてここに来たわけだ。いつもとはケースが違う。」

「案内役?」

「俺の古い知り合いだ。まぁ、そこは気にしなくていい、気にしても無意味だ。」

「あ、あの、、さっきエレベーターの画像見ていたんだけど、は、8階で入れ違った住民の人後から早回しで見ても、その前を見ても利用した形跡のない人だった。つまりはあの人は住民じゃないと思う、あれもそういう類のもの」

「つまりは異世界への扉を開いたという事か。」

「正確には、他の事例同様、こちらの世界を認識できるようになったという事だね。

問題はそのおまけでついてきた、彼の言う赤い影の方だね。」

「心当たりがあるのか?今回は覚醒のきっかけが伝統的な方法ではない以上、きららの範囲の虚偽より生まれた新種の類ではないのか。」

「そんな事より大変だ、烈火先輩。私はショートケーキにはミルクティーと決めていたのに、これは、コーヒーだぞ。」

話の腰を折り、悦に浸り、口にした飲み物意図とする物とは違うと灯がごねだす。

「、、、この間、紅茶出した、ケーキには珈琲だって言っただろ。」

「それはこの間がチョコレートケーキだったからだよ、今回はショートケーキじゃないか、全く烈火先輩ともあろう人が何という失態。」

「そうか、悪い、とりあえず今日はそれでガマンして、、あ、そうだ。きらら、確かきららのがあったっけ。」

面倒だと思い、烈火は適当に謝る。

「違う、きららちゃんのは安物のペットボトルのミルクティーだ。あれでは到底私の、味覚を満足さる事は出来ない。私はアッサムに米印の3.5牛乳と決まっているんだ。」

「あ、あれが、一番おいしいもん、この味覚音痴」

お気に入りが否定され、きららは頬を膨らませ怒っている。

「おいおいそれはないんじゃないかなきららちゃん。私は育ちが言い分良いものを口に師育ってきた、味覚にも自信があるよ。まぁ、仕方がない、今日はこれで我慢してやろう。」

勇騎は、もう一人その横で不満そうにしている人にも、一応話をふる。

「、、、で五代さんも何か?」

「こんな安物を私に出そうという気がしれないわ。これだから男は、」

「うん、悪い、でも五代さん僕より稼ぎがあるわけで、だったら自分で買って。

あの、それじゃ、そろそろ本題いいかな。」

「うむ、では勇騎君の話に戻そうか、彼が見た者、赤い影、結論から言うとそれはドッペるなゲンガ―さんだ。」

「赤いのにか、、、」

「そこはそう見えているだけだろう、彼の開いた波長がそういう類、空が赤いとも言っていたしね。症状を聞き、恐怖をあおり、彼に隠れた因果を観察する限りは、ね。」

「やっぱりか、久しぶりだな、」

「得体のしれない形のわからない新種だったら厄介だったが、ゲンガ―さんなら大丈夫。こっちにはその手の経験は豊富さ、誰よりも知り尽くしているといってもいい。」

「ど、ドッペルゲンガーなら、否定すれば対応できる、だから、彼の開いてしまった感覚を閉じる時と同じ、認識できなく、してあげればいい。だから特別な対応は必要ない。

彼が全部自分の見ている幻覚だ。そう思ってこの世界も、ドッペルゲンガーも否定すれば、

彼は元の世界に戻れる。彼がすることは、逃げ場なんてない、特別な事はないって思う事。

つ、つまり今ある現実を受け入れる事。」

「そもそも、彼の場合、他の事例より圧倒的に深い場所まで、いきなり認識している節があるね。それは、思い込みと精神的疲労、不安からくる幻覚が半分、後は体質かな、彼は珍しく本物の霊媒体質だね。私の式神も、いきなり認識していたしね」

「あれはやり過ぎだ。だいたいなんだ、線香の煙で幻煙などと、」

「演出だよ。まぁ、波長に合うものだけでも見えればと思って、あらゆる式神を顕現させていたが、まさか全部認識しているとは思わなかったよ。

彼の才能は放っておくに惜しいほどのものだよ、

でも、そんな体質の癖に今までは一切こちらの世界を認識している節がなかった。

つまりは今までが余程こういう物に対して否定的な考え方を持っている子だという事さ。」

「それが、片思い相手に別の男がいる事を知ったくらいで、絶望し、自分では何もできず、奇跡に縋りつき、その体質柄、手間のかかる偶然を思い込みで、本当に認識を広げ、抜け出せなくなった。なんて情けない男なの、」

「まぁ、そうは言うべきではないよ、麗華さん。あの年頃の男の子に、純粋で可憐な乙女が、自分よりも大人だと知ればそれは、それくらい衝撃的なものさ、ましてや彼は初恋の片思いをずっと引きずって、それが今の鬱屈した日常を変える最後の希望だったわけだ。」

「そんな、彼のつまらない。心の話はどうでもいい。俺が気になっているのは、これで問題がないかという事だ。かなり深いところまで入り込んでしまっているのだろう。

意識を失って入れ替わっている所を見ると、かなり末期じゃないのか?」

「そうだね、そこに関しては、断言はできないが、段階に関係なく、認識を閉じる、世界を否定する。それだけでいい。都市伝説に対処方法はそれだけさ。

今回は彼には全くと言っていいほどこちらの世界の知識を与えていない。

つまりはいくらでも戻れる。

彼はまだ何も知らない。そして彼自身も、何が本当か、迷っている。

症状としては重いが、そう言った意味では、彼には他の事例よりも対応が容易だ。」


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