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きららの心

勇騎も窓を閉め、電気を消し、目隠しされていたとはいえ、別に複雑な家ではない為、明かりのついている元の部屋に戻ろうとするが、その道中、廊下で光る者を見つける。

それはペンダント、今どき珍しい絵にかいたようなデザインのペンダントだ。裏にはK.Mと彫られているきららさんのものか、と何気にペンダントを開くとそこにはきららとめんどくさそうに映る烈火の写真が、二人は恋人なのか?いや、きららの反応を見ているとひょっとして片思いか判断が付きにくい。

勇騎は拾ったこれをどうするか迷った挙句、きららに返すことにした、きららは先ほど、階段を上がる音がしていたことから、この上であろう。

2階に上がると、一部屋だけPCのファンの音がする部屋が、勇騎はその部屋に近寄りノックをし、きららに呼びかける。だが、反応はない。

他の部屋かと思いもしたが、残りの部屋にはまるで人の気配がしない。

「あの、きららさん、入りますよ。!!!」

再度ノックをし、扉を開けると勇騎は部屋の中を見て固まってしまう。

電気の消された部屋だが、PCの明かりでその異様さはすぐに分かる

壁には一面烈火の写真、それに大切に置かれているのはおそらく烈火が昨日来ていたのではないかと思われる服。そしてPC画面3つに勇騎の動画が再生されている。

「れ、烈火くん。私頑張ったよ。、えへへへへ、」

、ヤバい、この子、、ガチだ。ペンダントだけをおいて静かに立ち去ろうとした時、

きららは廊下から差し込む光に気付き、振り向く、そしてそのせいでPCのヘッドフォンが外れ、スピーカーから音が漏れる。

『頑張ったな、きらら。助かったよ、きらら。あい、してる、ぜ、きらら』

録音だろうが、最後のはすさまじく合成っぽい、それに良くみると再生されている動画、これ完全に盗撮だろとしか思えないものばかりだ。

「あ、あのコレ、忘れてて、聞いても返事内足、鍵、空いてたから、、」

「あーーー!!!み、見たの!私の部屋」

見たのも何も、今見ています。というか、PCの音止めなくていいの、、、

「それじゃ、えっと、あの、どうしよう、ハンマーかな、包丁かな、あ、でも後始末の事考えると、毒の方が、、、でも、早くしないと、」

本気だ、本気の目をしている。というより、周りで道具を探している

「そうだ。まずは、これで動きを止めないと」

きららは部屋に置いてあった防犯用とは思えない大きさのスタンドガンを取り出す

「ちょ、ちょっと待ってください!誰にも言いません。落ちつていください」

「で、でも、もし言われたら私は、私は」

「大丈夫です。約束します、全然これくらい普通です。」

「ふ、普通、、そうなの?」

普通ではないが、そうでも言わないと、きららの目が本気だ。

「そ、そうです。これくらい当たり前ですよね。いや、むしろ尊敬できるくらいです。」

「ほ、本当?」

「本当です。すごいと思います。」

「そうかな、、、そうだよね、うん、これくらい普通だよね。」

きららがスタンガンを置き、少し冷静に慣れたのか、PCの音を止める。

「ご、ごめんなさい。」

きららは落ち着きを取り戻し、落ち込みながら、勇騎に謝る。

「大丈夫ですよ。勝手に入った僕が悪かったんですよ。あの、コレ」

勇騎がペンダントを見せるときららは奪い取るように受け取り、大切そうに握りしめる。

「あの、これどこで、」

「あの、さっきの部屋の前の廊下に、落ちてました。」

きららは顔を赤くし、良かった、大丈夫、大丈夫バレてないと何度も自分に言い聞かせ、パニックになりそうな気持ちを落ち着ける。

「あの、、、烈火さんはきららさんの気持ち知らないんですか?」

「、、好きになってもらえなくてもいいの、一緒に入れるだけで幸せだし、烈火君の役に立てれば、それでいい。」

「、、、ちなみに、一緒に暮らしていてこの部屋、どうしているんですか?」

「烈火君は、約束は絶対に守る人だから、烈火君は2階に自体絶対上がってこないの、ここは私だけの場所、だから誰も知らないし、上がってきたのも勇騎君が初めて。」

「あ、すみません知らなくて。」

「ううん、別にいい。」

「、、、、そんなに、烈火さんの事好きなんですか?」

「、、、、うん、、りりかちゃんにとって社さんみたいなのが私にとっての烈火君」

「りりかちゃん?」

「あ、ごめんね。こっちの話、昔ここにいた人たちの事、私は烈火君に助けてもらった。

烈火君、ひねくれてて、あぁ言う性格だけど、すごく頭良くて、本当は優しいんだよ。」

「好き、だって言わないんですか?一緒に暮らしているんでしょ?」

「私たちはここでしか生きて行けないからそうしているだけ、きっと烈火君はそれ以上の意図はない。でもいいの、それでいい、今のままで十分幸せ、、、、でもかなうなら、結婚、ううん愛人でもよくて、、、というより烈火さんの子供を、、あでも、今の私たちじゃ子供出来るかどうかわかんなし、あのね、烈火君ね、、、」

それからきららはどこで息継ぎをしているのか分からない程、流れるような口調で烈火の魅力を語る。勇騎は逃げるタイミングを逃し、結局30分間にもわたり、興味のない情報を与えられ続けた。

烈火の話が出来て、、会話が成立していなかったが、一方的に話が出来ただけでもよかったのか満足げな表情できららは勇騎を送り出す。


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