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世界が変わる。僕が変わる①

勇騎が意識を取り戻すとそこはベッドの上だ

何だろう異常に体がだるい、、、それに気持ち悪い。

外は明るくなっているが赤くはない。朝だ、すぐにそうわかる音がする。

どこまでが夢だ、どこまでが、、、勇騎は携帯を確認しようとするが、

携帯の電源が入らない。電池切れかと思い、充電ケーブルに接続する、

暫く充電をすると電源が入った。よかった、壊れていない。

でも昨日の夜は半分くらい残ってたはずなのに、勇騎が確認すると、着信履歴が残っている、やっぱり昨日の電話は夢なんかじゃないんだ。

勇騎は再度陽菜にかけようとも思ったが、指が止まる。いまさら電話をかけて何をするっていうんだ。昨日の夜は大丈夫だった、心配してたんだよ、とでもいうのか、

そんなの嫌がらせ以外の何者でもない。結局僕はまた何も、

勇騎士は再び布団をかぶって眠ろうとした時、嫌な馴染みの足音が近づいてくる。

「勇騎、朝よ、いい加減起きなさい。って起きてるなら、返事位しなさい、、どうしたの?」

布団をめくり、顔を覗き込んだ母親が、あまり心配せずに心配する。

「別に、それより、休みの日くらい寝かせてよ、」

「何言ってるの、今日は月曜よ、もう7時半よ、そろそろ準備しなさい。」

月曜?勇騎は携帯で日付を確認すと確かに月曜日だ。

丸一日以上、寝てたのか、だとしたら状況はなお、最悪だ。

今日学校で僕はどんな顔をして陽菜に会えばいいんだ。

いや、別に今日が日曜でも、何もできない、何も変わらないが、それでも、覚悟はできたはずだ。覚悟いや違う、頭の中で何度も最悪なシミュレーションを行い耐性ができたはずだ。でもいきなりは無理だ。

「、、、、学校には行きたくない」

「はぁ、何言ってるの?」

「今日だけは行きたくない。」

結局勇騎の出した結論は結論の先送り、そして具合が悪くて助けに行けなかったなんて、また言い訳にしかならない自己弁護のいいわけの為

「いいわけないでしょ、小学生じゃないんだから。とにかく、学校に行きなさい、いいわね。それが出来ないならちゃんとお母さんを納得させる説明をしなさい。」

結局勇騎には母親を納得させるだけのいいわけを思いつかず、家を追い出されるように学校に向かう。通学距離が長ければ、それなりに逃げ出す場所もあるだろう。

でもこの近さではどこに逃げようと登校中の生徒に出会う。

今日もうつむいたまま学校に向かう。憂鬱な気分、学校に行きたくないのに、

こういう日に限って勇騎はいつもよりも早く学校についてしまった。


「おはよう。」

「お、おはよう。」

勇騎が挨拶すると皆怪訝な表情で勇騎をみる。

もちろん、早く着いた事を驚いていると言った感じではない、勝手にキレて帰った事で張れ者扱いされている雰囲気だ。幸い、あの時のメンツは誰もいない。

そしてなにより陽菜もまだ来ていない事に何の解決にもならないのに安心する。

「ねぇ、市井君、市井君ってさ、京介たちと一緒に日食身に行ったんだよね。」

クラスメイトの一人が恐る恐る勇騎に話しかける

「ごめん、僕ちょっと家の急用ができて、実は日食見る前に帰らなくちゃいけなくて、、」

「え、なに、じゃあ、ひょっとして、勇騎君何も知らないの?」

勇騎の反応から何も知らないかと思った女子生徒が確認をする

「何もって何の話?」

そっちじゃない、となると夜の事だ、そっちも嫌な話、何も知らないふりをする。

「京介たちみんな入院したんだよ」

「入院?なんで?」

入院思いがけない言葉だ。

「お前らが皆既日食を見に行った日に、そのまま夜まで遊びに行ったらしいんだけどさ

そこでお酒飲んでさ、それでさ、ほらこれ」

そう言ってクラスメイトがSNSに投稿された画像をみせられる。

そこにはうつろな目をした皆。そこには陽菜は映っていないが、きっと陽菜が電話した場所だ事だとすぐに察しがついた。やっぱりヤバい感じだ。

「、、」

「ほらここ、ここに写ってるこれ、違法じゃないんだけどヤバい系のハーブらしくてさ、全員意識を失って病院に運ばれて、今も入院中なんだって、それもさ、誰もその日の記憶がまるっとなくなっているらしくて、で、ヤバいのが一緒にいた大学生連中は皆意識が戻らなくて、今も眠ったままなんだって、ちょっとしたニュースになってたよ。」

「それでみんなは他の人は!」

陽菜の事が頭をよぎり、突然、大声を出き、聞き耳を立てていたクラスメイトも驚く。

「い、いや写真に写っている以外誰が一緒に行ってたかは分かんない、、けど」

「おはよう、、、」

そのタイミングで、後ろの扉からいつもじゃありえない低いトーンで陽菜が入ってくる。

勇騎は本来であれば見て見ぬフリをしようとしたが、その顔を見て、目を離せなくなった。

そしてそれはクラスメイトの皆も一緒だった。


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