家族は大抵恥である。でも、大切なもの。タブンネ。
らんだむダンジョン(フリーゲーム)のかけあいが面白過ぎて辛い。
いや、なんの関係もないんだけどねww
僕の家族を紹介したくありません。
学校にはテストという文化が存在し、大体の場合中間と期末の二期に渡って行われる。期末しかない場合もあるが、その場合はテスト範囲が広くなるため、難易度が必然的に高くなる。あるいは教師が意図的に低くするといったケースが発生する。
今回の中間テストはそれほど難易度は高くなかったものの、結局のところそんなものは個人差でしかなく、できない人間にとってはできないのだ。
しかし……できようができなかろうが、どんぐりの背比べは大好きなもので。
「くっくっく、今回のあたしは絶好調! なんと赤点がないんだ!」
「なん……だと?」
そんなわけで、今回のテストは練磨の勝利だった。
まぁ、どっちも今後が思いやられる点数であることは言うまでもない。
「今のあたしなら妙ちゃんにも勝てる! さぁ、見るがよい! この保健体育の最高点、86点に勝てるかな!?」
「保健体育は92点だけど」
「…………うわぁ」
「なんで引いた!?」
保健体育の成績=エロさと判定されたらしい。
でも、人間なんてエロいもんだし、羞恥心抜きで性的なことを本気で学ばせれば大体100点に近くなるんじゃないだろうか。
「ちなみに、くーちゃんは何点?」
「…………68点」
「どうですか、練磨さん。この点数は」
「羞恥心が見て取れますね。実は70点以上は狙えたのではないでしょうか?」
「うるさい!」
くーちゃんは真っ赤になりながら、テスト用紙を丸めて地面に叩きつけた。
見ての通り、中途半端に恥ずかしがるから、いじられるのである。
まぁ、保健体育はともかくとして、これでテストから解放されたわけだ。僕としてもテスト期間はわりと苦しい時間なので、心地良い解放感と清涼感がある。
部活動が解禁される練磨の場合、僕よりさらに喜んでいるようだった。
「さぁ、部活だ走るぞ! 久しぶりに体を痛めつける日々が来た!」
「その言い方だと確実にマゾだよね……」
「練磨だから仕方ないね。私は死んでもごめんだけど」
僕だってごめんである。特に徒競走は胸と肩への負担が半端ない。
ここでそれを言ってしまうとえらいことになるので、言わないけども。
「それより、君にお願いがあるんだけど」
「補習の対策については僕からはにんともかんとも。ぶっちゃけ面倒なので自分でやってくださいマジで。僕は今日は徹ゲーをして明日休むから」
「手伝ってくれたら、映画と美味しい夕飯を奢ろう」
「さて、とりあえず苦手な暗記ものから取りかかろうか」
報酬があれば真面目になれる。人間とはなんと簡単な生き物なのだろうか。
とはいえ、補習は一週間後だからまだ時間がある。放課後とか図書室でテキトーに教え込めば十分に対応できるだろう。
「図書室や教室はいいなぁ……なんか、眠くなるし」
「じゃあ、またくーちゃんの部屋で勉強しようか?」
「いや、今回は君の家で勉強会をしようじゃないか。私の部屋には空調がないからな」
「絶対に嫌だ」
「……………え」
「絶対に嫌だ」
「……いや、その」
「絶対に嫌だ」
大事なことなので三回言った。
僕の初めてとも言える強硬な姿勢に、さすがのくーちゃんも引いていた。
「へ、部屋が散らかってるなら明日でもいいけど……」
「明日だろうが明後日だろうが絶対に嫌だ」
「れ、練磨……この子いつになく強情なんだけど、一体なにが……」
「ああ、とりあえず落ち着くんだくーちゃん。誰にでも事情はあるんだよ」
事情を知っている練磨は、彼女には珍しく沈痛な面持ちだった。
ただ、次の瞬間には、僕の肩を叩いていた。
「無理にとは言わないけど、くーちゃんなら大丈夫じゃないかい?」
「大丈夫だとは思ってるけど、あんまり迷惑かけたくないんだよ」
「くっ……そこそこ信用はされてるみたいだけど、話がさっぱり分からない! これが時間の重さか!」
くーちゃんが悔しそうに言うが、その辺はまぁ色々と仕方がない。友情の重みは、基本的には付き合いの長さに比例する。
もちろん、例外もたくさんあるけれど。
「いや……まぁ、もうなんでもいいのかな。くーちゃんなら多分大丈夫だろうし」
「そういう言い方をされると、ものすごく不安になるんだけど」
「とりあえず、催涙スプレーとスタンガンだけ持ってきて。スタンガンの方はリミッターとか外しておいていいから」
「君の家は紛争地帯なのか!?」
紛争地帯じゃないけど、モラルが低めなのは否定しない。
色々と酷過ぎて中学校時代の友達にかなり引かれ、かなりの人数が友達から知り合いにランクダウンしたことも、今では黒歴史です。
「友情なんて、埃より軽いもんだよ」
「埃よりは重いよ!」
「そう思うなら僕の家に来るといいさ! どうせ翌日には『あ……お、おはよう』とか言っちゃって少しずつフェードアウトする間柄になること間違いなしだね!」
「まさか君から友情を試されるとはな! いいだろう、その挑戦を受けてやるさ!」
そういうわけで、くーちゃんが家に来ることになった。
ちなみにこの会話の間、練磨は生ぬるい視線と微妙な表情で僕らを見つめていた。
知る者と知らない者。その差はあまりに大きいのであった。
結局、くーちゃんは頑なにスタンガンと催涙スプレーを用意することを拒んだ。
「うわ……萌え四コマに出てくる家みたいだ」
「その例えはいかがなもんだと思うよ」
念のためツッコミを入れておくけど、たとえとしては間違っていない。
綺麗に掃除された玄関と整えられた庭。毎日の手入れを怠っていない証拠だ。
家政婦さんとかを雇っているわけではない。
そう、それは単純に誰かの『趣味』の賜物であるとも、言える。
念のため……というか、当然のこととして、僕は家のチャイムを鳴らした。
『はい』
「ただいま」
『お帰りなさいませ、お姉様』
「………………」
ちらりとくーちゃんを見たけど、今の会話は聞いていなかったのか、彼女は植え込みのプチトマトなんかを気にしていた。
もしかしたら聞いていないふりをしているだけかもしれないけど。
玄関を開けて家に入る。くーちゃんも後に続いた。
いつも通り、僕の妹が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、お姉様。本日もお疲れ様です。そちらの方はご学友ですか?」
「うん……。今日はちょっと二人で勉強しようかと思って」
「では、後ほどお姉様の部屋までお菓子と飲み物を持って行きますね」
「……ありがとう」
複雑な気分のまま、台所に向かう妹の背中を見送った。
「僕の部屋は二階だから。行こうか」
「今の妹さん?」
「そうだね。妹だね」
「メイド服がよく似合う妹さんだね!」
「ああ……くーちゃんならあの程度は絶対に引かないと思ってたよ」
むしろ喜ぶと思ってました。
深沼裕子。ふかぬまゆうこ。僕の妹で遺伝的に半分だけ繋がっている。
勤勉実直かつ努力家。そして、極度の人見知りで家事マニアでヲタク。
学校ではクソ地味でいるかいないんだかよく分からない存在感の女の子で通しているが、家に帰ってくると大好きなメイド服で家事に勤しむ。そんな16歳である。
女子力は圧倒的に高いが、婿の貰い手だけがとことん不安要素。そんな感じの子だ。
「家にメイド服の女の子がいるなんていい家じゃないか」
「まぁ、それに関しての感じ方は個人差あるから。で、ここが僕の部屋」
ドアを開けると、そこはいつも通りの自分の空間。
タンスとベッドと本棚が二つ。勉強机の上にはデスクトップPCやらゲーム機やら色々乗っていてノートを広げることすらできないため、勉強をするときは折り畳みのテーブルを使う。
「普通だね」
「奇抜な部屋なんて嫌だろ。部屋中サッカーボールだらけとか」
「……そうだね」
純粋さとは一種の狂気である。何事も普通が一番なのだ。
そういうわけで、勉強をするために折り畳みのテーブルを広げる。飲み物とお菓子は裕子が持ってきてくれるので、僕らはこのまま勉強をしていればいいだろ……。
ふと見ると、くーちゃんはなにやら妙なものを広げていた。
精緻な細工が入った黒い布である。
「お、大人ぱんつ! しかも黒!」
「人の部屋でいきなりなにしてんの!?」
「清純そうな顔して実は淫乱とか……これがギャップ萌え!」
「誰が淫乱だ! 殺すぞ!」
心外にも程がある。冗談にしても言い過ぎである。
「それは、父さんが冗談で買ったもんだ! そんなもん穿くわけねーだろうが!」
「じゃあ……私のために穿くというのはどうだろう?」
「OKOTOWARIだ!」
断じてお断りである。僕はどちらかと言えば、NOと言える日本人なのだ。
「普段着は地味なのに下着はエロい。これはもう最強なんじゃないかな!?」
「僕はどっちかっていうと服も下着も全部エロい方が好みだし……」
「くっ、妙な所で男の子しやがって! それなら、こっちの猫耳でいいから!」
「嫌だっつってんだろうが!」
なぜそんなものがタンスに入っていたかというと、それも父さんのせいである。
僕の親父はクソ虫である。
もちろん比喩ではあるけれど、それほどに節操がないと解釈していただきたい。
手当たり次第に女性に声をかけ、うっかりそれに引っかかってしまった女性が三人。
一人は兄を産んで、一人は妹を産んで、一人は僕を産んだ。
兄と妹の母親は海外に行き、僕の母さんは家を守っている。
たまに帰ってくるし、お土産も持ってくる。良い人たちだと思う。
良い人だからこそ、馬鹿な男に引っかかったのかもしれないと、最近は思う。
「ま、それはもういいから。お菓子と飲み物が来たら、さっさと勉強始めよう」
「私としては君のPCの中身も気になるんだがね?」
「見たけりゃ見ていいけど、基本的にエロいものしか入ってないよ」
「……君には恥じらいってモノが足りないなァ」
いや、エロいものしか入っていないし、誤魔化しても意味がないし。
実際のところは、エロいもの以外もたくさん入っていて、そちらの方が重要だったりする。走り書きメモとかデータをまとめたファイルとか、ゲームのバックアップとか。
まぁ……どーでもいいものほど、人は大切にするもんだ。
と、自分が楽しんでいるモノがよく考えると無価値なんじゃないかと思い始めた頃、部屋のドアがノックされた。
「どうぞ」
「失礼します、お姉様」
「………………ん?」
なにやら、妹ではない血縁者の声が聞こえたような。
いや……待て。あいつは今大学で、今日は家にいないはずじゃ……。
「お菓子と飲み物をお持ちしました、お姉様♪」
灰色の髪に同じような色の瞳にメイド服の……男が、そこに立っていた。
いや、似合ってはいる。男としては低身長で、男としては童顔で、男としてはほっそりとしているので似合ってはいるのだが、似合っていることと変態であることは一切関係がない。
深沼雄二。ふかぬまゆうじと読む。
なんの脈絡もなく登場したのはまごうことなき『僕の兄』である。
「にーちゃん……テメーなんでメイド服とか着てんの?」
「似合うだろォ?」
「どこぞの芸人の『ワイルドだろォ?』みたいに言われても、僕としては気持ち悪い以外の感想なんて出てこねーよ。自分の巣に帰れ。帰った上で散花しろ」
「あははー。上の方の妹は相変わらず口汚いなぁ」
「にーちゃんが登場すると大抵の友達は引いちゃうからな!」
「お、今回は目が腐ったロリキャラか。妙子は変な女ばっかり連れてくるなぁ」
「失礼極まりねぇよ! 頼むからもうお前死んでくれ!」
僕は叫んだ。心の底から叫んだ。
僕の中の心底死んで欲しい人間ランキングでブッチ切り一位は父さんだが、二位は間違いなくにーちゃんだ。
人懐っこく馴れ馴れしいにーちゃんは、くーちゃんの手を握った。
「ども、妙子の兄の雄二と言います。妹がいつもお世話になってます」
「お兄さんですか……ところで、私はロリキャラじゃなくて、貧乳キャラです」
「そこはこだわる所じゃないよねー」
叫んでばかりでは喉がやられてしまうので、テキトーにツッコミを入れた。
というか、もうそろそろどうでも良くなりつつあった。
「いや、おれの見立てでは君はロリキャラだと思うけどな」
「あらあら、お兄様。それは私の精神年齢が低いとかそういう感じで?」
「精神年齢はむしろババァの領域だろ。おれが言ってるのは見た目の問題で」
「私はロリじゃありませんって。あと、誰が精神的ババァですか?」
「いやいや、ロリだって。誰がどう見てもロリだぞ」
二人の頬が少しずつ引きつり、青筋が浮かんでいく。
なんとなく、気配で察する。
この二人は相性があんまりよろしくないらしい。
「それより、早く出て行ってもらえませんかね? 女装男子とか要らないんで」
「妹をからかうためなら女装すらいとわない。それが兄貴ってもんさ」
「心得はお見事ですが、勉強の邪魔です」
「勉強? 勉強なんて別にしなくてもいいだろ。テストは終わったんだし」
「……補習です」
「補習? ああ……あったな、そんな制度。どうやって受講すんのか知らんけど」
「………………」
くーちゃんの口元が最大限に引きつる。
ウチの兄貴は兄貴のお母さんに似て、天才肌というかぶっちゃけ天才である。
授業を右から左に聞いていても点数が取れるタイプの人間で、おまけに運動もできて、大層おモテになられる人種である。
ただし、家族からの評価はすこぶる悪く、女性陣から煙たがられているが。
「お兄様が大層お勉強ができることは理解しましたが、補習の受け方くらいは覚えておいてもいいと思いますよ? というか、その程度の当然を理解しておかないと『理解できない人間』として扱われ、本命に限ってふられる羽目になります」
「…………ぐフッ!?」
なにやら心当たりがあったのか、にーちゃんはその場に倒れ込んだ。
体中が微妙に震えているあたり、どうやら相当なトラウマらしい。
が、不意に、にーちゃんはにっこりと笑った。
「はっはっは……いや、ちょっと安心かな。最初見た時は死んだ人間のような貧乳キャラかと思ったけど、案外そうでもないみたいだな。すまなかった。心から謝罪する」
「いえいえ、私としても安心です。妙子さんはいい家族に恵まれているようですね」
二人とも歩み寄っているふりをしながらも、互いに青筋は消えていない。
とりあえず、僕に慮って矛を収めたという感じである。
なんというか……もしかしたら、似た者同士か天敵あたりなのかもしれない。
「それじゃあ、邪魔者はこの辺で退散する。ゆっくりしていってくれ」
「はい」
にーちゃんはそれだけ言い残して、部屋を出て行った。
ドアが閉まる音が響いて、僕は少しだけ息を吐く。それは、安堵の溜息だった。
友達は薄い。友達は薄い。絆は脆い。そして人は危険が大嫌いだ。
危険な場所には近寄らない。危険な人には近寄らない。危険な環境には近寄らない。
だから、僕から離れていった子たちは圧倒的に正しい。
メイド服を着て、人を弄する天才に近寄らないのは、正しいことなのだから。
けれど、最初から間違っている人間にとって。
正しさとは、無残で残酷なこと以上に非情で異常だろう。
「ちょ……君! 鼻血! 鼻血出てる!」
「へ?」
くーちゃんに言われて、鼻から血が滴っていることに気づく。
慌てることなく鼻にティッシュを詰めて止血。なにも問題はない。
いつものことだ。
「だ、大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。昔から鼻の粘膜が弱くてさ」
鼻血と鼻の粘膜の因果関係は知ったことじゃないけれど、そう言っておけば大体の人間は安心する。……まぁ、わりと昔から鼻血はよく出てたけど。
「あんまり頻繁に出るようだったら病院に行くべきだよ? もしかしたらなんかこう……私は頭良くないからぱっと思い付かないけど、重い病気の可能性もあるんだから」
「ああ、大丈夫。検査とかは子供の頃にやって異常なしだったから。体質だよ」
軽く笑いながらくーちゃんの目を見る。
人間が死んだような瞳。暗くて淀んで濁っている。そんな瞳。
その目を見ていると、よく分からない気分になる。
曰く言い難い……よく分からない気分。
なんとなく、僕はくーちゃんの頭を撫でた。
「ひゃ!?」
「……ありがとう」
「へ?」
「うん……よく分からないけどね。なんか……ありがとう」
「…………うん」
慣れないことに戸惑い、頬を赤く染めているくーちゃんだったが、手を払いのけたりはしなかった。
くーちゃんの髪を指で梳きながら、僕は口元を緩めた。
「毎度思うのですが、どうして兄さんは友情を試すような真似をするのでしょうか?」
「試す? 馬鹿を言うな。おれは人に試練を与えられるような高尚な立場ではない」
「では、単なる嫌がらせなのですか?」
「進んで嫌がらせをやるほど暇じゃない。おれはわりと忙しいんだ」
「では、あの態度は一体何事なのですか? 深沼雄二は妹の友達をおちょくって、友情に罅を入れるような真似をする、下種下郎外道不貞の輩なのでしょうか?」
「いや、正直お前のメイド服も迷惑って点では似たようなもんだぞ」
「話を逸らさないでください」
「高校生男子が妹の友達に興味を持つのは当然のことだろう?」
「メイド服で出て行って、どの面下げて『興味を持つ』とか言いやがりますか。そういうことはもっと相手に対して虚勢を張ってから言ってください」
「じゃ、単なる嫌がらせでいいや」
「……お兄ちゃん」
「お前に言っても分からん……と、中学の頃なら言っただろうな」
「ウチの家系は、わりとホントにクズの家系なんだ」
「…………っ」
「親父もそうだし、おれのお袋も妙子の母さんも裕子の母さんも俺もお前も……そして、例外なく妙子もだ。どういう風にクズなのかは置いておくとして、クズってのは共通しているだろう。そんな人間と普通の女の子を関わらせるわけにはいかんさ。友達はなるべく選んだ方が双方にとって有益だ。おれはそう思う」
「……でも……」
「言いたいことは分かる。おれもそれが最良だとは思ってない。しかし今回の『くーちゃん』とやらはなかなか面白い。見込みがあるとは言わんが、見守ろうって程度には認めてやりたくなる。目が死んでいるのが玉にきずだがな」
「お姉ちゃんは、人を見る目は……ないから」
「あるいは自覚的にやってるんだろうな。わざと深淵に足を突っ込む。名字の通りに」
「………………」
「ま、心配すんな。兄妹っつっても他人事だ。最終的には妙子が苦しんで解決しなきゃいかんことでもあるが、あいつは俺の妹でお前の姉だ。なんとかすんだろ」
「…………うん」
「んじゃ、話はこれで終わりだ。おれは部屋に引きこもってゲームすっから」
「はい……あ、そうだ。兄さん」
「ん?」
「その服、100回くらいクリーニングしてから返してくださいね」
「………………」
登場人物紹介
■■■■■:通称くーちゃん。恋する乙女。目と魂は死んでる。
立花練磨 :馬鹿は聡い。直観だけは優れている。
深沼雄二 :人間のクズ。典型的な堕落した天才。
深沼裕子 :人間のクズ。メイドマニア。
深沼妙子 :異常者★★★。毎日一人大戦争。
苦しさというのは、主観である。
はっきり言えば他人の『そんなことで』という言葉は全く当てにならない。
本人が苦しいと言えば、それは苦しいことなのだ。どんな些細なことでも。
それを真っ向から否定する人間は、大抵の場合優しくないけれど、人間は優しかろうが優しくなかろうが、どうにかこうにかやっていける生き物でもある。
ある程度優しくない方が、生きるのには好都合だ。
まぁ、上の文は次回予告でもなんでもなく、なんの関係もありませんw
いつも通りに現在考え中ですww