勉強をするのは意味がある。でも、勉強はしたくない。
人生は勉強の連続ですが、大人の勉強と子供の勉強は質が違います。
子供の勉強ってのは頭の中身を膨らますための勉強であり、柔軟性に始まりその他諸々を発達させるために、基本的には解くのが難しい難題を出します。大人の場合は生きるための勉強であり、人間関係や仕事のやり方を学びます。資格の勉強もします。面倒さでいえば大人>子供ですが、難解さで言えば子供>大人なのです。
ただし、勉強ばかりやっていてもいい大人にはなれません。
僕は勉強が嫌いだったくせに真面目を気取ったので、良い子でしたが、そういう人間は大抵の場合コンプレックスまみれの『いい大人が』という言葉が付く大人になってしまいます。
そして、今はこうも思っています。
『いい大人が』という大人は、大体ロクな人間じゃない。
大人は、他人の趣味が理解できなくとも、否定はしないもんです。
たぶんね。実際は知らんけどww
僕らは勉強をする。
意味なんてないけど勉強をする。
成績で区分けされるために勉強をする。
頭をフル回転させるために勉強をする。
様々なことを知るために勉強をする。
時には興味の呼び水にするために勉強をする。
友達同士で教え合い、教える優越を得て、教わる劣等を知る。
さて、ここで疑問だ。
勉強には本当に意味はないのだろうか?
放課後、僕らは勉強をするためにくーちゃんのアパートに集まっていた。
なんとなく言うまでもないことだとは思うけど、くーちゃんは一人暮らしである。1DKでわりと広い。お風呂もトイレもある。部屋の中は必要最小限のもの以外なんにもない。私服なんかもすごく質素だし、毎日せんべい布団で寝ているらしい。台所には調理器具の類はそこそこあるが、それは僕が揃えたものだ。冷蔵庫の中は空っぽで、ビールやらノンアルコールビールやらチーズやら各種乾物というかおつまみが用意されている。
冷蔵庫に入りきらず、食べ切れなかったらしい肉は外で調理中。
自称忍者こと、斉藤志郎……さんが、塩漬けにした肉を燻製にしている。
調理も佳境に入っているせいか、外で調理しているにも関わらず、部屋中に美味しそうな匂いが充満していた。
お腹は減ったけど、これも勉強を終えた後のご褒美だと思えば耐えられる。
「……くそ。忍者め……死ねばいいのに」
耐えられていない奴が一人。
「あたしは馬鹿か……なんで勉強前に走り込みなんてしてしまったんだ。私は馬鹿か」
耐えられてない奴がもう一名。
まぁ……確かに、ちょっとお腹空いたけどさ。
「もうちょっと頑張ったら、夕飯の買い物ついでに、なんか小腹を埋めるものでも買ってこようか。なんか食べたいモノとかある?」
『お肉の燻製が食べたい』
「忍者に言え」
馬鹿二人の意見をばっさりと切り捨てる。
どのくらいの時間でできるのかは分からないけど、そういうのは作っている本人に頼むのが筋ってものだろう。
「君は分かってないんだよ。あの忍者は本当に性悪なんだ。性格がエグいんだよ」
「いや、僕に対してはそこそこ親切だったけど……」
「それは妙ちゃんが巨乳だからに違いない、とあたしは直感した! 男ってのは胸が大きい女には大体優しいものだからな!」
「………………」
ごめん、志郎さん。練磨の言葉はなんとなく否定できない。
練磨は握り拳を作ると、口元を歪めて陰湿そうに笑った。
「くくく……女もクソだが男もクソだ。あいつら、あたしの身長が高いからって『身長が高いのは無理』とか、訳の分からないことを言いやがるんだ。身長が高いのと性格は全く関係がないじゃないか……」
「おーい、練磨。戻ってこい。そのままだとダークサイドに落ちるぞー」
「はぁ……ま、それはともかくお腹が減ったよ」
僕の呼びかけよりも空腹の方が先立ったのか、練磨はあっさりと戻ってきた。
エネルギーが足りていない時の練磨は、わりと大人しい。
その代わり、ご飯を食べた後なんかはものすごくうるさかったりするが。
僕もそうだけど、集中力が切れてきたからそろそろ気分転換するなり、コンビニでなんか買ってきて食べた方がいいかもしれない。
「君、そんなことより一狩り行こうぜ!」
「そのゲームだと気分転換どころかゲーム大会になるだろーが」
くーちゃんの提案を一蹴する。
モンスターをハンティングするゲームは1プレイにつき10分~20分くらいかかる上、中毒性や常習性があるので、気分転換には全く向かない。
中毒性や常習性は、モンスターの弱体化と共に多少薄れたけども。
「しゃーない。ちょっと早いけど気分転換にコンビニでも行こうか。小腹も減ったし」
『行ってらっしゃい』
「もうブタになっちまえ!」
そういうわけで、馬鹿二人に呪詛を残して一人でコンビニに行くことになった。
靴を履いて部屋を出ると、そこには煙を吐く段ボールの前でライトノベルなんかを読んでいる忍者が一人。
忍び装束に鎖帷子。わらじを履いて背中に小刀。
顔立ちはほっそりとしているが、目つきがやたら凶悪。
自称忍者こと、斉藤志郎さんだった。
「ん? 勉強はいいのか?」
「部屋の二人が燻製の良い匂いに引っ張られてギブアップです。今からコンビニに行ってなんか小腹が埋まるものでも買ってこようかって思ってます」
「じゃ、俺も行こう。ちょいと待っててくれ」
そう言い残し、志郎さんは消えた。
いや……消えたという言い方は正しくないか。正確には一足飛びでアパートの二階までジャンプして、自分の部屋に窓から入ったというだけなのだから。
なにあれ? 忍者になりたくて体鍛えてんの?
「いや、まぁ……落ちこぼれでも一応も忍者だからなぁ」
「うおおおおっ!?」
今度はいきなり、僕の隣に現れた。
おまけに私服だった。洒落たTシャツにクラッシュジーンズというよくある服装だ。
「超びっくりした……志郎さん、超能力でも使えるんですか?」
「足音消したり早着替えぐらいはするぞ。忍者だからな」
筋金入りの自称忍者らしい。
行動は痛いというよりすごいし、言動はあまり痛くない。むしろ普通だ。
「深沼さんはアレとは高校からか?」
「はい?」
「君曰くの『くーちゃん』とは高校からの付き合いか?」
「ええ、そうですね。きっかけはあんま覚えてませんけど」
「俺はつい最近だ。仕事というか趣味というか義理というか、あいつの友達に頼まれたんだが……どーも、なんというかあの手のタイプは苦手でな」
疲れたような表情を浮かべて、志郎さんは溜息を吐いた。
あるいは、本当に疲れているのかもしれない。
「正直、見ててイライラする。理由はなんとなく分かるが」
「理由?」
「似た者同士なのさ。煮え切らないところとか、特にな」
そう言って、志郎さんは苦笑を浮かべた。
似た者同士。僕にはそうは見えなかったけども。
あるいは、志郎さんの表現は的確なのかもしれないとも、少し思った。
ないものねだりの……欲しがり下手。
頭を振って思考を打ち切り、ゆっくりと息を吐く。
そんなことはないだろう。二人は同じ人間だけど、違う人間だ。
忍者と異常者。似たようなものかもしれないけれど、絶対に違う。
「しかし、大変だな君も」
「まぁ……くーちゃんは荒々しい人ですからね」
「いや、そういうことじゃない」
忍者は苦笑を浮かべる。
ばつが悪そうに頬を掻きながら、それでもきっぱりと言った。
「大変だろう? 生きるの」
生きるの。いきるの。イキルノ。
お前が生きているのは大変だろうと、平気の平左で彼は言った。
少しだけ考えて、僕は笑いながら言った。
「誰だって、生きるのは大変ですよ」
「おう、そうだな。生きるのは確かに大変だ。しかし、俺は人生には難易度が設定されていると思う。国の豊かさや家族構成や才能の有無なんかは選べない。そういう意味じゃ俺や君は恵まれているのかもしれん」
真っ直ぐに、志郎さんは僕を見た。
「それでも、俺はお前のことを大変だと思う。よくやっているとも、思ってる」
「僕なんてまだ楽な方ですよ。家は貧乏じゃないし、家族もいる」
「でも、心と体はちぐはぐだろう」
足を止める。彼を見る。真っ直ぐに自称忍者を見つめる。
彼は、決して目を逸らさなかった。
「言っておくが、これは同情じゃねぇ。敬意だ。腐らず、媚びず、諦めず、よくぞここで踏み止まっていると感心しているんだ。心の底からな」
「いや、多分忍者よりましだと思います」
「かもしれん。が、俺はすごいと思ったことは素直に褒めたい。ついでに言えば、内面が男だと分かっている奴に手は出さんということを伝えておこうと思ってな」
「初見でめっちゃ胸見てましたよね?」
「反射行動は勘弁してくれ、いやマジで」
忍者はそう言って苦々しく笑っていた。
なんというか……良い意味でも悪い意味でも素直な人だ。
確かに、くーちゃんと少しばかり似ているのかもしれない。
まぁ、似てる似てないはどうでもいいし、似てたからどうってこともない。
僕はいつも通りに、手を差し出した。
「じゃ、握手で」
「へ?」
「僕は志郎と友達になりたいと思った。だから敬語もやめるし呼び捨てる。そんだけ」
「…………おう」
志郎は僕が差し出した手を握る。僕は志郎の手を握り返す。
友情なんて儚いもんだし、いつ終わるか分からないし、ぶっちゃけどうでもいいっちゃどうでもいい。二束三文以下の目に見えないなにかだ。
それでも、僕らは友達になった。
関係が変わろうが変わるまいが、やることはそう変わらない。
コンビニにやってきた僕たちは普通に買い物をしていた。
「お、季節限定のお茶じゃん。買っていこう」
「忍者って、普通にコンビニで買い物したりするんだね。僕はてっきり自分で調合した薬品や飲み物しか口に入れないのかと思ってたよ」
「……大いなる偏見だぞ、それ」
「ナルトみてーな便利忍者グッズとかないの? 兵糧丸みたいな」
「漫画と現実をごっちゃにすんな」
怒られてしまった。
普段突っ込んでばかりなので、ツッコミが入るというのは新鮮な経験だった。
「そもそも、俺は忍者としては才能ないからな」
「そうなの?」
「自分で言うのもなんだが、そっちの方じゃ名前も顔も売れてる。名前と顔が知られてる忍者なんざクソ以下だよ。忍者は知られちゃいけないんだ」
ということは、普通の忍者はそれこそ読んで字のごとく忍んでいるのだろう。
二階へジャンプとか、そういう派手なことはしないわけだ。
志郎は平気な顔でああいう真似をしたが、あれは開き直りなのかもしれない。
「ま、忍者の話はどーでもいいだろ。大っぴらに話すと痛い人扱いになるしな」
「自覚あったんだ……」
「お前から向けられた痛々しいモノを見る視線は忘れられんなァ」
あ、これは根に持ってる。すげぇ根に持ってるな。
どおりで、初見以外でもやたら胸を凝視されたわけだ。あれは志郎なりの仕返しかなんかだったのかもしれない。反射行動かもしれないけど。
「まぁ……それはともかく、せっかくだから燻製に合った飲み物でも買っていこうよ」
「それならビール一択だな」
「全員未成年なのに、いきなりアルコールを勧めるな!」
「残念! ノンアルコールだ!」
「おとといくらいにくーちゃんが同じことをやったよ!」
「ごふっ!?」
真面目にショックだったのか、志郎はその場に突っ伏してしまった。
「お、おのれ……あの目が死んでる女め。やっぱり俺と芸風がかぶってるじゃねーか。太刀厨の分際で生意気な!」
「その発言は色々と問題があるんじゃないかなー……」
太刀厨とはゲームの差別用語の一つである。
僕はガンナー兼、最強武器なので一切関係ないけど、くーちゃんや練磨あたりは太刀厨と言われると烈火のごとく怒る。
「そういえば、深沼はアルコール類は飲んだことないのか?」
「うん」
「その即答は、ものすげぇ怪しいが?」
「実は、じーちゃんの実家が酒蔵だったりして」
その弊害か、まずい酒が飲めないんだよね、困ったことに。
いや、飲めないってわけじゃないけど悪酔いするので、あんまり飲みたくない。
「ま、そういう事情なら仕方ねーな。普通にお茶とジュースでも買うか」
「燻製があるならおにぎりとかもいいんじゃない?」
「ん、そうだな」
結局、無難な飲み物と梅、鮭、昆布のおにぎりを人数分買って買い物終了。
からあげさん的なホットスナックも買おうかと思ったけど、今回はメイン食材があるので諦めた。メイン食材があるから妥協できたとも言える。
僕だってお腹は減っているのだ。
「これで燻製全部食われてたらあいつら殺そう」
「お前ってさりげなく凶悪だよな……」
「それ、くーちゃんにも言われた」
「またかあの女! 死んだ人間みたいな目ぇしやがって!」
頭を抱える志郎は、可愛らしいというか微笑ましい感じがした。
なんというか、志郎は素直でもてそうな性格してんなぁ、と思う。
逆を返すと、クソみたいに鈍そうだし、女を女として扱わない妙に淡白なところもあったりする。全くもって、コイツに惚れる女は大変だ。
僕は女ではないので全くもってさっぱり関係ないわけだけど。
「なんか、わりと失礼なことを考えてねーか?」
「人間だもの」
「ま、別にいいけどな。それより、ちょっと先に帰っててくれねーか? 目覚ましの電池切らしてるの、すっかり忘れててさ。コンビニで買ってくる」
「ん、りょーかい」
忍者と別れ、くーちゃんの住んでいるアパートに足を向ける。
いくつか角を曲がり、何事もなく目的地に到着。念のため段ボールの中を見たが、誰も手をつけていないようだった。
ちょっとだけ安心して、くーちゃんの住んでいる部屋に入る。
扉を開けると、なんだか甘い匂いがした。
どうやら、台所で練磨がなにかしているらしい。
「ああ、妙ちゃん。お帰り」
「なにしてんのさ?」
「ケーキを焼いているんだ」
「…………ん?」
ケーキって言ったか? コンビニに色々買いに行って、燻製もあるのにケーキ?
どんだけ食う気なんだ。こいつら。
「正確にはケーキの生地を焼いているんだ。くーちゃんには監視……もとい、生クリームとフルーツを買いに行ってもらった」
「監視って……」
「妙ちゃんは色々と無防備な所があるからな。くーちゃんも心配だったんだろう」
無防備だったことはないと思うけど、そう思っているのは僕だけだったというのはよくあることだ。
これからはちょっとだけ気をつけよう。
しかし……そうなると、志郎とふーちゃんが帰ってくるまでは暇だな。
「よし。ちょっとだけゲームしよう」
「妙ちゃん、あたし……天鱗が欲しいな!」
「僕は要らない」
「お願いです後生ですから手伝ってください……」
しおらしい練磨は結構可愛かったけど、口に出すと調子に乗るので黙っておく。
さて、それじゃあお勉強は一時中断。
学生らしく遊びに興じるとしましょうか。
運命というやつは、つまるところ偶然であり、神々の遊び程度のものだ。
偶然、駅前で一目惚れをする。
偶然、世界の命運に巻き込まれる。
偶然、才能に目覚めて窮地を脱する。
必然、自分の意志で運命を切り開く。
しかし……自分の意志で運命を切り開けるほど、世界ってのはヤワじゃない。
彼ら彼女らのような愚衆は運命に流していただいているのだ。世界って奴に存在を許されながら、生かされているのだ。
次の瞬間に、飽きられないように、みっともなく生かされているのだ。
「で、それがなんだ?」
「それが愚民の生き方ってことだよ。忍者くん」
私は嘲笑う。
それは、私に許された権利であり、義務だ。
「たとえば……だ。忍者くん。君はその権利を有さない。愚民らしさを有さない。なぜなら君は極致に行きついた一点のみであらゆる全てと拮抗し得る。そういった力を持ち合わせている。まさに恐るべき……恐るべき存在、だ。君と敵対する私も含め、その力の名を『忍法黒風』と表現しているが、実際に凄まじ過ぎて涙が出てくるほどだ」
「………………」
「おっと、なにもするなよ忍者くん。私は『彼女』を見ていただけで、別に君とどうこうとか、君が護衛する目の腐った廃人とどうこうするわけじゃないんだ」
証拠を見せろと言われたら、見せよう。
衣服を脱ぎ土下座をして、涙と鼻水を垂らしながら命ごいだ。
もっとも、彼はそんなことは要求しないだろうが。
「別に……俺からなにかしようって気はねーよ。アンタが鬱陶しい視線をあいつに向けてたから気になっただけだ」
「私は巨乳派なんだ……と、言っても信じてはくれないだろうね」
実際に巨乳派であることは言うまでもない。
私は嘘を吐かない。嘘を吐くと言う必要性を感じない。逆に必要性を感じたらガンガン嘘を吐いていくわけだが、少なくとも自分に嘘は吐かない。
「見てた理由は極めて簡単だ。『彼女』は実に魅力的だと思ってね。私や君や廃女にとっては実に魅力的な存在だと、そう思っただけなのさ」
肩をすくめる。嘲笑う。高らかに嘲笑う。
「だから、忠告をしに来た。これ以上彼女に近づかない方がいい」
「………………」
「いや、無言で重心を変えられても困る。私に攻撃しても意味はないんだ」
私は朗らかに微笑を浮かべる。
目は笑っていなかったかもしれないが、それは私の預かり知るところではない。
「私が見る限り、君たちの交友関係はとても良いもののように思える」
「それが駄目だってのか?」
「いいに決まっているだろう。良い交流は良い結果しか生まない。正直、君たち二人と良い関係を築けるのは、立花練磨嬢と彼女くらいなもんだろうよ」
「じゃあ、なんであいつに近づかない方がいいんだ?」
「それは自分で考えることだ」
私は、そこで忍者を突き放した。
当たり前の話だが、分からないように言っている。分からない方が好都合だ。
分からないままの方が、私は嬉しい。
「忠告はあくまで大サービスだ。敵が忠告に来るなんて滅多にない。レアなイベントだと心得てもらおう。だからこそこれ以上のサービスはない。絶対にない」
「……力づくって手もあるぜ」
「友達を大事に思うならやめておきなよ。彼女はああ見えて血の臭いに敏感だぜ」
「………………」
忍者は小さく舌打ちをすると、そのままなにも言わずに立ち去った。
引き際がいい。これ以上私からなにも引き出せないと理解し、退却した。
賢明だ。さらに付け加えるなら『理解できないものを理解できなまま納得する』というとんでもないことを平気でやってのける。
忍者っていうより、化物の領域だろあれ……。
「ま、生きようが死のうが、どうでもいいけど……ね」
未だ感じる刺すような……包丁に刺されるような視線を感じながら、私は歩き出す。
私は幾島光輝。いくしまこうきと読む。キラキラネームだ。
人からは『高貴なる幾島』と呼ばれている。
楽勝極まる人生を、お遊び程度に生きている、神々の遊びのミソッカス。
私の人生には苦難がない。故にクソだ。
それでも、神に感謝しよう。
今日、私は敵を見つけた。
ようやく私は、私の人生の意義を得たのだ。
登場人物紹介
■■■■■:通称くーちゃん。恋する乙女。目と魂は死んでる。
斉藤志郎 :主人公兼語り部。通称黒風の志郎。忍者。
立花練磨 :馬鹿は聡い。直観だけは優れている。
深沼妙子 :異常者★。毎日一人大戦争。
幾島光輝 :敵。
第三話。友達は意識的に、敵はいつの間にかできました。いぇーいww
まぁ、敵なんていつの間にかできてるもんです。気にするこたぁありません。
次回もこんなぐだぐだした感じになります。読んでいただけたら幸いです。
まぁ、次回があるかないかも分かりませんがww