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「お会計お願いします」
飲食を済ませてしまえばここにはもう用はない。なにをするわけでもなく店内に居座るのも、詩乃にとっては心地よいものではないのだ。
「お会計ですね。こちらになります……ありがとうございました」
ウェイトレスは、会計が終わるとそそくさと奥へ消えてしまった。なにか作業でもしているのだろうか。
この後はどうしようかと時間を確認するため腕時計に視線を落とすと、詩乃の眉間にシワが生まれた。
午前11時46分。
昼食をとるにはベストなタイミングであるはずなのだが、今しがた腹ごしらえをしてしまったばかりなのだ。
今から食事ができないわけではないが、何かを食べたいという気持ちがおきないので、詩乃もう少し船内を散策する事にした。
「さて、次はどこへ行こうかな」
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次話投稿は、11月24日!