表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
61/92

カリナ、ヴァンガードと対峙する

「住むところは決まってるのかい?」


 エレナの言葉にカリナは言う。


「いいえ、まだです」

「それならうちの建物の上の方を使うといい。あんたみたいな新人を寝泊まりさせるのに部屋を用意してあるんだ」

「ありがとうございます」


 するとそこに現れた人物が居る。スーツ姿のルーカスだ。すでにカリナがエレナと対話していたのを見て告げる。

 

「遅くなりました」

「おや、ルーカスかい」

「彼女が自力で安定した収入を得るまでユニティーネクサスから補助金が支給されます」

「いつも通りだね。分かった、身の回りは何とかしよう」


 カリナはその言葉から、以前にも自分と同じような流れ者の新人が居たのだと感じずには居られない。

 エレナは立ち上がりながら話題を変えた。


「こっちに来な。あんたが乗る〝戦う手段〟にちょうどいいのがあるんだ」

「ヴァンガードが?」――とジェイ。

「ああ、お下がりだけどね新兵にも使える軽戦闘用の標準機がある」


 エレナに招かれて建物の奥の作業ガレージの方へと向かう。ガレージはとてつもなく広く天井の高さもある。

 そしてそこにそびえるように人型の搭乗機械が佇んでいた。


「これ、私が戦場で保護された時に出会ったモノ!」


 高さは約10mはあるだろうか? 人間のシルエットのように二足歩行、濃緑色に塗られた無骨なデザインは戦場の用途にいかにも向いている。

 カリナに寄り添っていたジェイはその機体を目の当たりにした。


「お? 〝グリーンドワーフ〟か」

「グリーンドワーフ?」


 ジェイのつぶやきにカリナは尋ね返す。


「この機体の名前だよ。2脚2腕の人型のシルエットの機体の中でも最も基本的な要素を満たした〝標準機体〟と呼ばれる量産型だ。ずば抜けた性能はないものの、基本的な要素をしっかりと満たした上で偵察から軽戦闘、工兵作業まで何でもこなせる。扱いやすいから初心者だけでなく経験を積んだベテランもよく使っているんだ」

「でも、ジェイさんやレオンさんのサイファーブレイクににてますけど?」

「サイファーブレイクはこれをベースとしたカスタム機だよ。ヴァンガードを改造したり機能追加してカスタムするのは当たり前に行われているのさ」

「なるほど」


 アリナは目の前のグリーンドワーフを眺めながら感想を口にした。


「つまりそれだけ使いやすくて用途が広いということなんですね」

「そういう事だ」


 2人のやり取りを聞いていてエレナはカリナに尋ねた。


「あんた、これと似たのを前にも見たことがあるのかい?」

「はい、こちらの世界に飛ばされた時に戦地のど真ん中でこれに乗った兵士に保護されました」


 そして一歩下がった位置に立っていたルーカスが語る。


「そこで、傭兵組織のブレイブハーツアライアンスから連絡がユニティーネクサスに入ったんです」

「なるほどそこからあんたのところのピースセーファーにお鉢が回ってきたってわけか」

「はい」


 そこにカリナが恐る恐る問いかける。


「あの、それらの組織はどう言うモノなのですか?」


 2人が口にしていた様々な組織の名前はカリナには初耳だった。それを説明したのはエレナだ。


「この世界には国家と言う人の集まりがもう無いというのは聞いてるね?」

「はい、アイアンオーダーとの戦いで失われたと」

「しかし人間の抵抗勢力は世界各地に残った。様々な組織が乱立し人間が生き残るためのやり方を模索し始めた。ルーカスが所属しているピースセーファーもその1つさ」


 ルーカスが言葉を添える。


「俺が所属する【ピースセーファー】は犯罪取締や治安維持活動を主な任務にしているんだ」


 さらにジェイも、


「そして、【ブレイブハーツ・アライアンス】が、この人型の戦闘機械【シャドウスティール・ヴァンガード】を乗りこなす、俺のような傭兵【アーセナルコマンド】を取りまとめる組織さ」


 カリナは3人の言葉を咀嚼する。


「治安維持組織ピースセーファー、傭兵管理組織ブレイブハーツ・アライアンス、そしてこの戦闘機械がヴァンガードで、その乗組員がアーセナルコマンドですね」

「飲み込みが早いね。そして、そうした様々な組織を一手に取りまとめるのが統合連携組織が【ユニティーネクサス】だ。国というまとまりを無くしたこの世界の人間たちがひとまとまりになるための最後の砦さ。他にも色々あるが少しずつ覚えればいい。それよりこっちだ」


 エレナはカリナを連れてガレージのハンガーに固定されている人型搭乗戦闘機械に向かった。

 カリナがヴァンガードへと手を触れるときが間近に迫っていたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ