……何の始まり?
はじめまして。
これは、私が初めて書いた物語です。
まだ未熟で、うまく伝えられていない部分もあるかもしれません。
それでも、この物語には、私の中にある一番深い想いと感情を込めました。
誰かの心に少しでも届いて、何かを感じてもらえたなら――
それだけで、この物語を書いた意味があると思います。
どうか、最後まで見届けてください。
高校最後の年。
まだ眠気を引きずった顔のまま、俺は家を出た。
他の人には気づかれない程度だけど、疲れを隠すことにはもう慣れている。
まあ、今日は新学期の初日だ。
しかも、かなり楽しかった休みの後の。
本来なら、もう少しやる気のある顔をしているべきなんだろうけど。
でも正直なところ――
「はあ……めんどくさいな、本当に……」
歩きながら、思わずそうつぶやいた。
別に学校が嫌いなわけじゃない。
誰かを避けたいわけでもない。
ただ、あの快適なベッドを離れて、またいつもの日常に戻らなきゃいけないっていう、あの微妙な気分があるだけだ。
休みは、本当にあっという間に終わってしまった。
……とはいえ、正直に言うと。
終わったこと自体は、そこまで嫌じゃない。
また会いたい人がいるからだ。
モニカ。
俺の親友。
そして、何年も前から好きな女の子。
中学の頃からの付き合いで、それ以来、俺は毎年のようにこの関係をただの友達以上にしようとしてきた。
でも、結果はいつも同じだった。
告白するたびに、彼女は同じ理由で断った。
今の関係を壊したくない。
この友情を変えたくない。
……まあ、理解できる。
たぶん。
彼女には、もう三年前から彼氏がいる。
それ以来、俺はもう告白するのをやめた。
興味がなくなったわけじゃない。
もっと……複雑な理由だ。
時々、聞かれることがある。
どうしてもう一度挑戦しないのか。
どうしてもっと頑張らないのか。
本当に好きなら、どうして彼女と彼氏の間に割り込まないのかって。
確かに、やろうと思えばできるかもしれない。
こっそり彼女を振り向かせることもできるかもしれない。
彼女のそばに居続けて、関係が壊れる瞬間を待つこともできる。
彼氏と喧嘩するたびに、その隙に近づくことだって。
でも……
そんなことをするのは、どんな人間だ?
誰かを愛するってことは、
その人の幸せが壊れることを願うことじゃないはずだ。
もしモニカが彼の話をするときに笑っているなら。
もし彼の名前を出すたびに、目を輝かせているなら。
その光を消してまで、自分の願いを叶えようとする資格なんて、俺にあるのか?
俺は、誰かが失敗したから選ばれる存在になりたくない。
すべてが壊れたあとに現れる、ただの代わりなんて嫌だ。
もし、いつか彼女が俺を見る目を変える日が来るなら。
それは――
本当に俺を選んだからであってほしい。
最後に残った唯一の選択肢だったから、じゃなくて。
それに……
もし俺が彼氏の立場だったら。
もし、自分が愛する人と付き合えたとして。
誰かが影から関係を壊そうと待っているなんて知ったら――
耐えられない。
そんなの、あまりにも惨めだ。
恋のために、そんな惨めな人間にはなりたくない。
……もしかしたら、俺は臆病なのかもしれない。
もしかしたら、早く諦めすぎているのかもしれない。
それでも――
彼女を幸せにしているものを壊すくらいなら。
静かな想いを抱えたままの方が、
まだいい。
「――イツキ!!」
突然、声が俺の思考を引き戻した。
振り向くと、通りを照らすみたいな笑顔でこちらに走ってくる姿が見えた。
アヤエ。
この休みに知り合ったばかりだ。
彼女が近所に引っ越してきた日が、俺たちの出会いだった。
それ以来、彼女は俺の日常に自然と入り込んできた。
明るくて、まっすぐで、
どんな時間でも少し軽くしてくれるような子だ。
時々思う。
このタイミングで彼女に出会ったのは、
ただの偶然だったのか。
それとも運命だったのか。
「ひどいよ、待ってくれなかったじゃん」
子供みたいな口調で彼女が言った。
「悪い、ちょっと出るのが遅れたんだ。もう先に行ってると思ってた」
「……まあ、いいけど」
そう言ったものの、彼女は一瞬だけ視線を落とした。
「学校に戻るの、楽しみじゃないの?」
少しだけ考える。
「まあ……ちょっとは。忙しくなるのは心配だけど」
軽く笑った。
「でも君がいるなら退屈しなさそうだ。それに、みんなと仲良くなれるように手伝うよ」
彼女の目がぱっと輝いた。
「ありがとう、イツキ。みんなと仲良くなりたいし……あなたとも、楽しく過ごしたい」
俺は、あまり深く考えずに笑った。
その言葉の意味を、まだちゃんと理解していなかったからだ。
俺たちは一緒に学校へ向かった。
途中で、クンゼとジェレミーに出会った。
「おーい、イツキ!元気か?」
クンゼが俺を見るなり大声で叫んだ。
「三か月ぶりだな!」
「何言ってるんだよ」
俺は苦笑した。
「休みの間も、何度かお前の家にゲームしに行ってただろ」
ジェレミーが小さく笑った。
「まあ、この最後の一年を楽しもう。でも勉強も忘れるなよ」
「もちろん」
俺たちはほぼ同時に答えた。
そのとき、俺はあることに気づいた。
アヤエは俺の隣に立っていた。
でも、二人はまだ彼女に挨拶していない。
「……そういえば」
クンゼがアヤエを見て言った。
「この子、誰?」
からかうような口調だった。
「子供じゃない!」
アヤエはすぐに抗議した。
「イツキと同い年だし、友達よ!」
ジェレミーが興味深そうに言った。
「友達?そんな話、聞いたことないな」
少し恥ずかしくなった。
「休みの間に知り合ったんだ……でも、変なんだよな」
「ずっと前から知ってた気がするんだ」
アヤエは驚いた顔で俺を見た。
俺は視線をそらした。
そのとき、チャイムが鳴った。
「おっと」
クンゼが言った。
「急がないと遅刻するぞ」
ジェレミーは手を振って、自分の教室へ向かった。
数歩歩いたところで、俺は思い出した。
「あ、そうだ。アヤエは俺たちのクラスなんだ」
「マジで?」
クンゼは嬉しそうに笑った。
「じゃあ、もう仲間だな」
「みんなと仲良くなれるといいな」
アヤエは少し緊張した様子で言った。
「大丈夫」
俺は言った。
「俺を信じろ」
そして、俺たちは教室のドアの前にたどり着いた。
数秒間、誰も先に入ろうとしなかった。
なぜか分からない。
でも、たぶん――
そのドアをくぐることは、
ただ授業が始まるという意味だけじゃないからだ。
高校最後の一年。
すべてが変わる前の、
最後の思い出の時間。
この先、何が起こるのかは分からない。
でも――
俺の中の何かが言っている。
この一年を、俺はきっと一生忘れない。




