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僕は何にでも変身できるスライムとラブラブなハーレム生活を送れるかもしれない。  作者: 最条真
三章

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48『メス堕ち(1)』(♡シーン有)


 さて、近づく体育祭に、クラスメイトが湧きたつ姿ももはや日常茶飯事となってきた。購買での戦利品たる焼きそばパンを頬張りながら思うことは、いくら何でも学校全体が元気すぎるという事だ。人目を忍んでわざわざ非常階段で食べているというのに、耳を澄ませるだけで活気のある声がグラウンドから聞こえてくる。今昼休みだぞ。まだ体育祭まで二週間近くあるというのに自主練に励む必要性があるというのか、甚だ理解しがたい。


 しかし、一度きりの青春に気合を入れるのは学生の本分とも言えるし、仕方あるまい。これは僕が擦れているだけだと自認できる程度には精神性が成長しているのだよ。とは言え、この無為な学校の時間には早く終わってもらいたい。僕には早く家に帰って可愛い彼女たちとにゃんにゃんするという使命があるのだ。クラスTシャツの発注が決まり、皆体育祭の始まりを意識したからなんだというのか。


 無駄にやる気を持て余した連中に、僕の可愛い有を貸し渡さなければいけないという事実が腹正しい。


 夏休みの前に決まっていた『体育祭実行委員』は今日も元気に活動中――!

 何故僕は手を上げなかったというより何故有が立候補したのか……!


 ……おかげで僕はぼっち飯だ……。


 いや、弁明させてもらいたい。決して、これは、僕に友達がいないと言う訳ではない。僕の友達と言えば……有と他に…………――――あれ? 結姫乃は僕の大切の彼女とは言え友達と言われれば怪しいし、ミヤはこの場にいないし彼女だし、真白はただ監視役としての役目を全うしているように思えるし……。


「ッスゥ……」


 いやいやいや。笑わせるなよ月野初。お前マジで友達が一人しかいないのか? おまっ、それ、その一人がいなくなったらどうすんだ? さすがに僕ってば交友関係狭すぎだろありえな――――


「悪いな月野。委員会長引いて――」

「有ッ!!」

「おわっ」


 僕は鉄扉から悠々と現れた有を見るなり、思いっきり抱き寄せた。黒髪の男姿だろうが、お構いなしだ。どんな姿であれこいつは可愛くて可愛くて可愛い。もうそれだけで十分だった。力の限り抱き着いて、離したくないと思う理由は。


「……オレがいなくて寂しかったか?」


 …………さみしかった。

 有にだけ聞こえるように呟いて、そのまま口づけまで交わすつもりだった。


「こら。そういうのは、夜になってからな?」


 ぴとっ。人差し指を唇に押し当てられる。まさかのお預けだ、ありえない。今僕はこんなに昂っているというのに。こんなに可愛い有が目の前にいるというのに……待てだと……? 悔しすぎるが彼女にそう言われて押し通るほど僕も子供じゃない。強姦なんて下種の行為にもほどがある。無理やりキスをしたら僕は犯罪者だ。……しかし、逮捕されるべきは有だとも思う。可愛すぎる罪で逮捕できるだろう、この潤んだ瞳と妖艶な笑みは。男の姿だよな一応。だというのにその可愛さは何だ。罪だろうもはや。あー、僕が警官になって拘束したい。はー……可愛すぎる……。


「そろそろ落ち着いたか?」

「お前の可愛さで世界がやばい」

「言い過ぎだって。それにオレ、いま男じゃんか。可愛いもクソも……」

「男だろうがなんだろうがお前は可愛いってことを自覚してくれ……」

「えー? 男なのに?」

「性別を超越して可愛いんだよお前は」

「そんなこと言ってくれるの月野だけだぜ?」

「それは周りの見る目がない」


 マジで周りの見る目がない。体育の最中もやれなんだ、カッコいいだのイケメンだの女子たちの黄色い声援は……。『可愛い』だろうが圧倒的に! 必死に手を振ってる姿が、懸命に足を動かす動作が、ゴールを目指して輝かせる瞳が! 圧倒的に! 


「……日本のアイドルのテッペン取れるだろうが……」

「えぇ……?」


 引き気味の有だが、ここは譲れない。お前は世界一可愛いので日本のアイドルのテッペンを取れる。いや、日本どころか世界だ。ワールドワイドで行こう。世界一のアイドルの素質がある女だ。お前は。


 ――とはいえ。今、この瞬間、お前は僕だけのもの。


 自由に撫でまわしていいとか、もうマジで至宝の時間過ぎる。


「んぅ……♡ 月野、そんなに撫でるなよぉ。……気が抜けちゃうだろ……?」


 頭と頬を撫でられ、すぐに蕩けた声を出す有は、“気が抜けた影響”なのか、髪が無意識に伸びていき、色は金に、身体が女の子みたいに縮小していき、更には全体が丸みを帯び、女性的なボリュームが主張を始める。悪戯心で股に触れば、最初にあった有のペニスが徐々に縮んでいき――小学生レベルの“おちんちん”というところまで縮み……まだ更に縮んでいき、最終的にはなくなって――受け入れる形になったのが確認できた。

 気が抜けて、すっかり雌の形になってしまった有は、雄々しさを一ミリも感じさせないトロンとした目つきで僕に抗議した。


『コラッ! 触っちゃダメだろ!!』

 

 そう言いたいのだろうが、女の子に成り下がった今では本当に可愛いだけだった。


 気が抜けただけでこうなるというのだから、エロ可愛い。もはや、有にとって男の姿とは、気を引き締めないと成れない姿になってしまっているのだ。何にでも変身できることが取り柄のくせに、気を引き締めない雌の姿になってしまうとは……名実ともにメス堕ちスライムである。


 可愛すぎる僕の彼女で、未来の妻だ。


「マジで今すぐに結婚してぇ……」

「調子いいことばかり言うなっ……! ……“そこ”っ、触るのは、なし、だからっ!」

 さすがに調子に乗ったか。僕は渋々下半身から手を離した。

 ……会えない時間が愛を育てるとは言うが、僕の愛は育て過ぎたら倒錯的な方向に向く気がする。我ながら有の男性器が小さくなっていく様子に興奮していたなんて、マズいと思う。まごうことなき変態だ。だが、まぁ、有の事なら変態になれるのも僕だすまないが受け入れる方針で有には動いてもらいたい。


「可愛いよ、有♡」

「ぐぅぅぅっ……♡ そういうのはっ、昼間はナシっ、だってぇぇっ!」

「有、可愛い」


 重ねて落とされたその言葉に、有の顔がカッと限界まで朱に染まり上がっていく。そこにあるのは情けない『雌』の顔だった。

 抗議しようと開かれた艶やかな唇は、だらしなく震えるだけで言葉を紡げない。必死に僕を睨みつけようとする瞳は、すでに快感の涙でたっぷりと潤み、怒りどころか庇護欲と嗜虐心を激しく煽る極上の媚態へと成り下がっている。


「……っ、ぁ……ぅ……」


 熱い呼気が漏れるたび、ふにゃりと柔らかい笑みが浮かびそうになるのを、有は必死に歯を食いしばって堪えていた。恥じらいと快楽に板挟みになりながら、それでも僕から縋るように視線を外せない。

 切なげに眉をひそめ、助けを求めるように上目遣いで僕を見つめるその表情は、どんな芸術品よりも美しく、ひどく扇情的で――


 間抜けだった。


「可愛いな」


「ッ、もぉっ、やぁっ「可愛い」――っあ♡ っ、あっ、「愛してる」――あっ♡ あああああぁああああああぁぁぁぁ――!?♡♡♡♡♡♡」


 限界まで張り詰めていた理性の糸がプツリと弾け飛んでしまい、ビクンッと大きく背を反らせた有の身体が、空中で一瞬だけ激しく硬直した。

 直後、堰を切ったように極上の絶頂が全身を駆け巡り、彼女は声にもならない甘い絶叫を喉の奥で震わせる。


「――――やめてッ♡♡♡♡」


 それから降参宣言。完全に雌としての本能を曝け出した有の身体は、もはや自立するだけの力すら失っていた。ガクンと膝から力が抜け、冷たい非常階段のコンクリートへと崩れ落ちる。制服の隙間から覗く肌は、上気したようにうっすらと桜色に染め上げられている。


「も、ッ、ダメ、っだからっ……!」


 そのままコンクリートに這いつくばってしまった有の身体は、例えようもなくエロい。床に押し付けられた胸の双丘が甘い吐息に合わせて波打つ。更には、男物のズボンを内側からパツパツに押し上げているデカい尻。

 有自身はまったくの無自覚なのだろう。腰砕けになった四つん這いの姿勢のまま、彼女は僕の視線を誘うように、ぷりっと丸みを帯びたお尻をいやらしく突き上げていた。


「んっ、はあぁっ……♡ だめっ、見ちゃ、だめぇっ……♡」


 涙目で身をよじるたびに、熱を持った雌の肉体がさらに扇情的な曲線を描き出す。ふりふりと尻を振っていることには気づいていないのか? おまけに腰使いまでエロいので、僕の股間はもう終わりそうになっていた。


 極上の雌であるという自覚が足りないように思う。


 あまりにもエロ過ぎるし非は9:1であちらにあるとはいえ、流石に学校だ。流石に行為に及ぶのはどうかと思う。そんなのまるで変態じゃないか。困った僕は大人しく、スマホで動画を撮ることにした。


「つ、月野?」


 もちろん誰に見せることもない。僕専用の僕だけの有のこのエロい姿を金輪際忘れることがないように、僕のスマホにもしっかり覚えていてもらう。


「スマホいじってないで助けッ……♡ 腰砕けてッ……♡」

「…………」

「なんで無言なんだよぉっ!」


 そりゃ、男の声が入ったら邪魔だもの。喋るわけないだろ常識的に考えて。有がエロ可愛いだけの動画に僕は不要だ。それにしても何故期に及んで尻を振っているのか。まさか無自覚の求愛行動なんじゃないのか。その求愛行動にこたえるべく、僕はスマホに愛の証を記録した。


 昼休みが終わるまで、有は快感に体を震わせながら、熱い吐息をだらしなく吐き出し続けていた。






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