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僕はスライムとラブラブなハーレム生活を送れるかもしれない。  作者: 最条真
二章

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28/46

19 夢のようなハーレム生活が待っているかもしれない。


 僕は早く家に帰って宇都宮と有のラブラブハーレム生活を送りたいところなのだが、そうは問屋が卸さない。

 ふざけた話で、ふざけた世界。

 ただ『異星体ぶっ殺してきました★』で済むほど世の中甘くない。殺した《異星体》について、詳細に報告書を書く必要があるのである。……種族名、種族特性、使用スキル、所属派閥、発見場所――異星体についても書くことは山ほどある……『報告書』はめんどくさい。

 戦闘そのものより、その後の事務処理の方がカロリーを使うんじゃないかと思うほど、『報告書』というのはめんどくさい。

 二度言った。この三度目も言う。

 

 ……めんどくさい。


「こら、月野くん。そんな顔しないの」

 脇から五十鈴先輩に小突かれた。

「なんか顔に出てました?」

「『帰りたい』って額に書いてあります!」

「まったくもってその通りです」

 早く帰って宇都宮と有、いや我が愛しい妹でもいい。とにかくかわいい存在に癒されたい。

 が、終わらなければ帰れないのが仕事である。

 

「わたしも早く帰ってゲームしたーい! お揃いだね、ふふふ」


 なんて、協調して笑って見せた笑顔は、まるでひまわりのようだった。茶目っ気のある穏やかな茶色、というのだろうか。

 純粋な茶色ではない・赤みがかった――レッドブラウンとでも言うのだろうか。

 そんな髪色で、サイドテール。

 満月みたいに真ん丸な黄金の瞳と、人を疑うことを知らなそうな純真無垢な顔立ち。

 ふと、五十鈴先輩が初恋の人に似てるなぁ、と思い出した。

 僕は性根が暗いから、明るい人が好きなんだ。

 暖かな陽だまりの方に、とにかく手を引っ張られていたい。

 

 もはやそれはたらればの話で、僕は完全にスライムどもに脳髄まで侵されているのだけれども。――とにかく、五十鈴先輩は僕にとって好感が持てる人物であるという話だ。

 僕は軽率に人を好きになる。疑うことも裏切られることも知っているのに、どうしてこんなに人のことを好きになってしまうのか、我ながら謎である。バディを組んで二週間……その割には僕たちは打ち解けていて、中々相性がいいんじゃないかと思う。

 

 浮気じゃないぞ。浮気じゃないからな宇都宮、有。マジで浮気じゃないからな。違うからな……。

 

 男女の友情は成立するんだよ!

 

 まぁ、どうでもいい思考は置いておいて、あることないこと適当に喋りながら僕たちが歩いていくと、数分程度で件の建物が見えた。

 

 ――『渡辺探偵事務所』。

 そこは、無機質なコンクリートの雑居ビルが立ち並ぶ都会の隙間で、そこだけ異質な温かみを放っているレンガ調の建物だった。

 夕暮れの街並みにおいて、その赤茶色のタイルはどこかノスタルジックな存在感を主張している。先輩の髪色とも、よく似ていた。

 

 一般的な読者が想定する、紫煙と紫煙が燻るようなハードボイルドな探偵事務所とは、少し趣が異なる。

 温かみがあった。

 三階建てのビルの二階部分が事務所のテナントとして入っているのだが、一階は喫茶店になっている。

 軒先には深緑色のテントが張り出し、入り口横には『おすすめのジェラート』を宣伝するのぼり旗が、平和にパタパタとはためいていた。 そういえば、夏か。

 どおりで暑いわけだ。

「事務所の冷房聞いてるかな……」

「キンキンに冷えてると思うよ。渡辺さん、『体質』も手伝って暑がりだから。あ! 伝えてないよね! ごめん! 午後からならいるはずだよ、渡辺さん」

「あ、マジっすか。今日所長がいるんです?」

「マジマジ」

「まじかぁ」

 僕はそこでまじまじと『渡辺探偵事務所』の看板を見た。

 僕は実は、今日この日に至るまで――所長である『渡辺ルカ』さんと会ったことがないのである。

 結姫乃の推薦ということで、僕はあっけなく《星団》の一員になり、この事務所に配属されたわけだが――

「『特別案件』が片付いたらしくてね。にゅふふ、ワクワクするねぇ月野くん!」

「怖い人だったらどうしよう」

「安心して。ただのくたびれた大人だよ」

「それはそれで怖い……」

 くたびれた大人ほど怖いものはないと僕は母親の姿から学んでいるのだが、これは僕が偏っているだけなのだろうか?

「大丈夫だって」

 励ますように、五十鈴先輩が肩を叩いてくる。

 しかし、まだ足りないと察したのか、彼女は笑って言って見せた。


「おいおい、ビビってんの?」

「は? ビビってませんが??」

 ほぼほぼ脊髄反射。

 反骨精神というか、克己心というか。

 とにかく僕は負けず嫌いなのだ。

 ビビる=負けだろ?

 

 別にビビってねぇし。

  

 なんなら仕事終わりの母さんに『最近家に帰ってくるのが遅いわね』と詰められる方が何億倍も怖い……いやマジで怖くなってきた。

 思い出し怖い。思い出し笑いがあるなら思い出し怖いがあってもいいだろう。ん? そういえば今思ったが母さんってあいつに似て――

 とかなんとか考えているうちに。

 無意識に五十鈴先輩に追従していた僕は、あっけなく探偵事務所に足を踏み入れたのだった。

 

 そして――異様な冷気が僕を包み込んだ。

 夏なのに冬の風が吹いたように、僕の身体をくすぐっていった。

「渡辺さーん!」

 らんらんとスキップをして目的のデスクに向かう五十鈴先輩を尻目に、僕は後ろ手で扉を閉める。

 と、外の熱気が遮断され、体感で10℃の世界が訪れた。

 いや寒いわ。

 そして改めて僕は状況を確認――。

 

 楽し気に揺れているサイドテール・五十鈴千代。

 平然とした顔でデスクワークをこなしている・白雪結姫乃。

 銃の手入れをしているピンク髪の女子小学生――は、ここでは一旦置いておいて。

(今日は出勤していない雅安穏についても、ここでは置いておく)

 

 一番奥。

 ひときわ大きな執務机の上に――『死体』があった。

 

「えッ」

 

 事件現場か? 

 いや、探偵事務所だし、死体の一つや二つは転がっていてもおかしくないのか? あながち間違いではないのか?

 

 そこには、一人の女性が突っ伏していた。

 書類の山を枕に、豪快に、あるいは力尽きたように。

 

 まず目に飛び込んでくるのは、鮮烈な赤。

 五十鈴先輩の陽だまりのような茶色とは違う、燃え盛る炎をそのまま糸にしたような、赤髪のポニーテールだ。

 無造作に結われたその髪が、デスクの上で扇状に広がっている。

 女として死んでいた。

 

 あと、夏には場違いの、黒いスーツと赤ネクタイが目に留まる。暑くないのだろうか。いや、熱いから冷房をガンガンにしているのか。

 

 顔は見えない。

 年齢は確か二十八歳と聞いていたが、その背中からは年齢以上の哀愁と、過重労働の気配が漂っている。

「お、……oh……」

 しかしどうやら平常運転っぽい。

 五十鈴先輩は死んでいる渡辺さん(仮)を蘇生しに行った。

「渡辺さん、元気ですか?」

「死んでる」

「生きてください」

「わかるだろ……千代、『いつもの』だ」

「はいはい。《リザレクト》リザレクト」


 適当なもの言いで、スキルが発動される。

《リザレクト》――五十鈴先輩が保有するスキルの一つで、俗に言う《レアスキル》に分類される、治癒能力。

 五十鈴先輩が渡辺さんの肩に置いた掌から黄金の粒子が伝わっていき――

「よくやったな」

 渡辺さんは相変わらずデスクに顔を伏せながら、ポンと五十鈴先輩の頭に手を置いて撫でた。

「にゅふふふふ」

 撫でられた本人は至ってご満悦そうである。

 未だ反抗期が来る様子のない妹を撫でた時の反応とおんなじだな、と思った。彼女にとって、渡辺さんは姉のような存在なのだろうか。

 

「――さて」


 渡辺さんは、ようやく顔を上げて、僕の方に目を向けた。

 

 ――。

 ――――。

 

 煌々と燃える焚火のような、

 轟々と野心という名の薪をくべて出来上がったような、

 早々と訪れた夕暮れを彷彿とさせるような、

 

 

 燃えるような夕日を、瞳の中に宿した人だった。

 

 

 ――怖い――とかでは――ない。

 高揚と光栄に近い。

 その瞳に僕が映っていてくれるだけで、嬉しい。

 

 飛んで火にいる夏の虫の気持ちが今やっとわかった。

 彼らは火の中に光を見たのか。

 

 灯。

 焔。

 炎。

 

 本能が告げていた。

 彼女は僕よりも、いや、有よりも格上――。

 

「――初めましてだな、月野(はじめ)

 

 ただ、笑った。

 それだけで分かった。

 こいつ、いや、この人は――

 

 

 《四ツ星》だ!

 

 

 史上初の四つ星との出会い。

 格の違いを肌で感じる。

 それほどの圧と星の寵愛がその人にはある。

 

「日本に二十四人しかいない《四ツ星》の一人、渡辺瑠火だ。一応探偵事務所の所長で、世間一般的には『探偵』ってことになってる」

「初めまして、僕は――、」

「待て」

 くだらない余興は結構、という風に、彼女は手を振った。


「――《推理の時間》だ」


 炎が笑顔の輪郭を形作る。

 そして、堂々と彼女は言った。


 

「――お前、結姫乃の恋人だな?」



「…………は?」


 

 ――ガンッ!

 

 思考を回そうとした矢先に音が響く。

 急いでそちらを見れば、

 

 デスクワークをしていたはずの結姫乃が、とんでもない勢いで頭を打ち付けていた。

 それから、憎たらしそうに渡辺さんを見た。

「……所長?」

「いや、みなまで言うな。アタシだって分かってるぞ。お前が三倍マシで冷気を放っている理由が」

 ん?

 ……僕はそこで上を見上げてエアコンの様子を見る。

 エアコンは口を閉じていた。

 我関せず、とでも言わんばかりに。

 中々弁えているじゃないか。

 

 と、言うことは……。

 

 また一段と寒くなった。

 全部結姫乃から放たれた冷気なんだわ、これ。

 彼女が冷気を放っている=ブチキレているということなのだが――。

「お前が推薦したはずの月野が他の女とバディを組んでいて癪なんだろ?」

「……。…………」

 沈黙は時に、言葉より雄弁にものを語る時がある。

「でもお前が他人に執着するなんて珍しいよな。推薦してくるのもおかしい。色々な証拠はあるぜ? まぁ仔細は省くが……情報を統合して、アタシは気づいたわけだよ。月野ってお前の恋人なんじゃ――」

「違います」

「くだらない嘘を吐くなよ」

 そこで渡辺さんは獰猛に笑った。

 そうなんだろ、と僕の方にも目で確認してくる。

 僕は首を横に振ったし、結姫乃は――。

 

「星に誓いますが、私は彼と恋愛関係じゃありません」


 渡辺さんは、ぽかーんと、間抜けに口を開けた。


「マジ?」

「星に誓ったでしょう」

「『ブラフ』じゃなくて?」

「明確に『推理失敗』です。推理に失敗した時の《ペナルティ》は覚えていますね?」

「へいへい……」


 なにやら僕の知らないところで話が進んでいる。 

 五十鈴先輩はいつの間にか僕のそばに近づいてきていて、ちょいちょいと肩をつついて、小声で耳元に囁いてくる。


「この事務所のルールなの。《星狩り》としての実力・特に嘘を見抜く力を強化するために、一日一回・職員は『くだらない嘘を吐く』って言う」

「んだそれ……」

「あ、嘘を吐いていい相手は渡辺さんだけね。『ブラフ』の練習って、戦闘にも役に立つでしょ? 馬鹿みたいだけど、一応考えられたルールなの」

「まぁそれは確かに……」 

「でね、嘘を見抜いたのならその場で《指摘》を、指摘できずに十秒経ったら渡辺さんの負けなの。そうするとジュースなりなんなり奢ってくれる。今日は的外れだね。というか、そもそもさ、結姫乃ちゃんが誰かと付き合ってる姿なんて想像できる?」

「まぁ、できませんけど……」

 そうこうしているうちに、ひんやりとした手に僕の腕が掴まれる。

「どうした」

「別に。ただ、そうね。(はじめ)くんの『バディ』になれなかったのは、しっかり不本意よ……とだけ。相性補完を考えての構成だと分かっているけれどね。……公私は分けなさいよ、五十鈴。人のモノを取ったら許さないわ」


 毅然とした態度で、結姫乃は五十鈴先輩のことを睨んだ。

 五十鈴先輩は口に手を当てて、「わーお」と声を漏らした。

 

「ジェラシーを感じる……」

「は? 悪い冗談はよしなさい五十鈴。私はただ自分で推薦した初くんだからこそ、私が最初から最後まで面倒を見るべきだと思っているだけで――」

「ダウト」

 僕が言ってやった。


「くだらない嘘を吐くなよ」


 いつもボコボコにされっぱなしの『戦闘訓練』の仕返し。

 軽い気持ちで行ったのだが、僕がそう告げると、結姫乃は耳を赤くして俯いた。いつの間にか部屋の室温は戻りつつある。

「ぅ、……うるさいわねぇっ…………!」

 あまりにも弱弱しい声で、僕は思わず笑ってしまう。

 

「指摘出来たら奢りなんだっけか?」

「『事務所のルール』が適応されるのは所長だけよ。別に、私たちの嘘がばれたところで何もないわ。ただ、まぁ、プライベートで、何か、考えてあげてもいいかもしれないわね…………」


 あ、今日はデレの日だ。

 僕は結姫乃のことを、心の中で『クーデレ』と呼んでいる。ツンデレではなくクーデレ。ツンツンしてるけどたまにデレるんじゃなくて、クールだけどたまにデレる。僕の中では一般的な用語なのだが、世間的にはどうなのだろうか?

 

 ともかく、白雪結姫乃はクーデレである。

 

「アタシの推理間違ってなくねー……?」

 傍から様子を見ていた渡辺さんが、そうこぼした。

「付き合っていません」

 断固として結姫乃は言う。

「というか、付き合えていません。えぇ、私が推薦するだけあって大した男ですよ初くんは。私のような完璧美少女の好意を跳ねのけるなんて」

「自分で言うか?」

「事実でしょう」

「事実だが」

「ほら、事実じゃない」

「事実だな……」

「でしょう?」

 クスクス、と結姫乃は口に手を当てて笑った。

 

「今日はアタシの負けか……」


 渡辺さんは、大人らしく達観した様子で苦笑していた。

 


「よし、お前ら! 今日は景気よくケーキを奢ってやる!」


 

 そう宣言すると、銃の《改造》に没頭していたピンク髪の小学生が、ようやく顔を上げた。


「ケーキなのです⁉」

「ああそうだ! 新人歓迎会だ!」

「やったっ! ルカさんルカさんっ! 甘いもの食べ放題なのですよね⁉」

「好きなだけ食え!」

「じゃあ銃なんて触ってる場合じゃねぇのですっ!」

 そう言ってハーフツインテールを揺らしながらピンク髪は躍動を始める。小学生らしくていいことだ。

 銃なんて触るべきじゃないぜ、本当に。

 

「……あ、新人歓迎会ならミヤビちゃんも呼びつけていいよね。ハブられるの可哀そうだし」

「アタシの懐なんて気にするな! 呼べ!」

「うん、じゃあ今から連絡するねー」

 そうして五十鈴先輩はスマホを取り出し、渡辺さんはデスクを整理して外に出る準備を始めている。


 なんかフットワーク軽いなぁ……。

 そんなことを思っていると、白色の肌が冷たい温度を伝えてきた。

 

「私のことを忘れたら許さないわよ」

「今朝、宇都宮と有にも同じことを言われたよ」

「じゃあ言い方を変えるわ。私のことを忘れたら殺すわよ」

「ヤンデレに目覚めるなよ! そのままのお前でいてくれ……」

「あなたがそういうなら、分かったわ」

 ふんと鼻を鳴らして、満足げに結姫乃は微笑んだ。


 宇都宮と有もそうだが……仕事で女と二人きりになる機会があるからって、やけに警戒されるんだよな。

 しかし……彼女たち《異星体》がついてくるわけにもいかないし、《融和》がバレたら問題になるし……。

 

 僕に下心なんてないのに!

 いや、隣の女は下心を持ち合わせているかもしれないが。

「ねぇ。……私は妾でも第二婦人でも構わないと前々から言っているでしょう。……早く返答をよこしなさい」

「そう急かされても……分かるだろ、僕とお前には『やらなきゃいけないこと』が――」

「分かってるわよ。宇都宮『有』を《星座》として認めさせるんでしょう」

「あぁ」


 皆が新人歓迎会の準備をしているのを尻目に、小声で話を続ける。

 

「えぇ、というか、私から提案したことでしょう。《異星》として扱われる状態で、あなたが『宇都宮』と《融和》して力を振るったら、《異星体》としての処置が下される。それがもったいない、と」


 僕が以前、結姫乃と戦って勝てた理由。

 大きく見積もって《一ツ星》程度の力しかない僕が彼女に勝てたのは、《一ツ星》程度の力を持たされていた『宇都宮』と《融和》し、一ツ星同士の足し算で、単純に《二ツ星》相当の実力になったことが大きい。一人では一ツ星でも、二人の力があれば二ツ星なのだ。

 それは、この界隈に触れて一カ月の新星が持つにはあまりに過剰な力で、だからこそとんでもない『価値』がある。

 

 星は、レアなものほど興味を持つ。

 星に興味を持たれれば、『星の加護』が増え、もっともっと強くなれる。

 

 つまり、これは四年ごとに起きる《震災》に備えた『月野初』育成プランであり――宇都宮有が《星座》に取り立てられるまでのサクセスストーリー、ということになる。

 

「全面的に協力をすると言ったでしょう、私は」

「その対価なんだろ」


 僕が尋ねると、悪戯っぽく「ええ」と結姫乃が頷く。

 

 

「宇都宮有が《星座》に認定された場合、私を妾にしてもらうわ」




 なんだか、我ながら都合がよすぎてびっくりしてしまう。

《星座》に取り立てるのはそう簡単なことじゃない。

 だが、宇都宮『有』が《星座》になれば、平然とあの触手を振り回し《二ツ星》相当の力を手に入れられる上、経験値ブーストのような状態に入り――白雪結姫乃が妾になる。

 

 いや、彼女を受け入れる度胸はまだ僕にはないのだが。

 僕が彼女に払える対価は、これしかないし。

 

 ……ぶっちゃけ、まんざらでもないし。

 

 現実味がないのは、そうだが。

 僕としては嬉しい限りだ。

 

《星座認定》


 その先には――。

 

 

 ――夢のようなハーレム生活が待っているかもしれない。



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