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腐るほどお金に不自由しない生活を手にした俺は欲しいモノを片っ端から手い入れるのだが!?

作者: 七瀬





”腐るほどお金に不自由しない生活を手にした俺は欲しいモノを

片っ端から手い入れるのだが、、、!?”




俺は某有名会社の会長、俺の父親が亡くなった。

底なしにあるお金を俺に遺産として残して死ぬでしまう。

俺は会長になり、俺の弟が父親の会社を引き継いだ!

俺は遊びまくって欲しいモノを片っ端から手い入れる。

高級車を何台も所有し、家とは別に別荘をあちこちに何個か持ち、

妻とは別に、”愛人を俺は数人増やす事にした。”

元々、女癖の悪い俺は妻に隠れて浮気はずっとしていたのだが......。

だが、父親の遺産が入った事でその歯止めが利かなくなった!

歯止めが利かなくなった俺は、欲しいモノは何でも手にしたくなった。

お金で買えるモノは何でも手い入れる!

俺に絶対に振り向かないであろうイイ女もお金で愛を買った。

今にも潰れそうな町工場も買収して、要らないと思ったモノは直ぐに捨てた。



・・・でも何故なのか? 父親は弟には自分の会社の社長としてだけ残し、

お金やその他のモノは一切残さなかった。

残りの所有権は全て父親は俺に残したのだ!

だから俺はその膨大なお金を使いまくることにした。

”この世の中のモノは、お金で買えないモノはない!”


例え、それが? ”愛”だとしても。

お金を出せば全て俺は手に入れていた!



だけど? 俺は一人の女性ひとに心を奪われてお金で彼女を買おう

と思った!

金さえ出せば、買えないモノはないと俺は信じていたからだ!



『“今日から俺の女になれ!”』

『嫌です!』

『お金なら幾らでも出す、俺は金持ちなんだ!』

『“可哀そうな人。”』

『はぁ!?』

『“アナタのお父様は、そんな風にアナタになってほしくなかったと

思いますよ。”』

『“俺を試してるのか?”』

『知ってるなら、どうして、、、!』

『俺の親父は、俺がお金に執着してると知っていた! そんな事は俺も

知ってる、だけど? 俺はお金で買えないモノなんって世の中にないと

本気で想ってんだよ!』

『・・・お金で買えないモノも世の中にあります。』

『例えばなんだ?』

『“愛です!”』

『はいはい、キレイごとを並べても結局、お金で解決するんだ!』

『”私は違います、お金をいくら積まれても私の愛はお金では買えません!”』

『”どうかな? 試してみよう。”』

『・・・な、何をするつもりですか?』

『“君がお金で愛は買えないと言ったんだよ。”』

『やめてください!』

『”君の両親の仕事は何だっけ?”』

『やめて! 私の親には関係のない話でしょ!』

『“じゃあ、どうする? 俺にお金で買われるか?”』

『分りました、アナタがそう望むならそうしましょう。』

『“やっぱりお金じゃないか! お金で買えないモノなんてこの世の中に

はないんだ!”』

『・・・・・・』




俺はこの女性ひとも、お金で買った!

ただ彼女の”愛”は確かに、お金では買えていないように感じた。



『“何故だ? 何故、俺に対して愛がない?”』

『“でもアナタは私をお金で買ったんでしょ。”』

『“俺に愛を注げ! お金なら幾らでも欲しいだけ出す! 

俺に君の愛をくれ!”』

『”アナタが買ったのは、私ですが私の愛ではありません! 

そんな簡単に愛を手に入れる事は出来ないですよ。”』

『“いくら出せばいいんだ? お金ならある!”』

『“哀れな人。”』

『・・・もういい! 好きにしろ!』

『・・・・・・』




俺は妻以外の女性にも子供が何人も居た。

妻にも公認してほしいと言って、全ての愛人にデキた子供を認知

しているんだ。

それなのに、彼女だけは俺の子を産んでくれない!

それどころか、”俺はなんにも彼女を手に入れていないのかもしれない!”

こんなにも俺は君が好きなのに、、、。

何故? 君を俺を好きじゃない! 愛さない!

俺を誰だと思ってるんだ!

俺は、俺は、、、そこで言葉が詰まる。




・・・俺にあるお金は、”元をただせば俺のじゃない!”

”今ある俺の愛は、偽物なのか?”

人のお金で土俵に立っている?

自分の力じゃない! だから君は俺を愛さないのか?

そう思った俺は、”弟にもうほとんど残っていない全財産を渡す事に決める。”



『“なあ隆佑、親父の財産だが受け取ってくれないか? もうお金は僅かしか

残っていないが、俺はやっと分かったんだ。”』

『そうか、兄貴もやっと親父の言いたい事が分かったのか。』

『・・・ど、どういう事だ?』

『“常々親父は僕に兄貴のお金への執着の事は聞いていた! 親父は兄貴に

気付いてほしかったんだ、だから兄貴に遺産を全部残す事にしたんだよ。”』

『・・・お、お前、知ってたのか?』

『兄貴が気づくまで、僕から兄貴に何も言うなと親父に口止めされてたんだ。』

『・・・お、親父が?』

『うん、でも気付いてくれたなら、もう兄貴がお金をいくら持ってても大丈夫

だと思う! 今ある遺産は兄貴が持ってるといい!』

『・・・隆佑、』

『”僕も兄貴の事、信じてたよ!”』

『ありがとう。』









 *






・・・俺は久しぶりに彼女に連絡して会ってもらう事に。

彼女も最初は俺と会う事を嫌がったが、俺が少し変わったと感じた彼女は

俺と会う事に承諾してくれたんだ。



『“久しぶりだな。”』

『“そうね、なんか? 変わったみたいね!”』

『俺はお金に執着し過ぎた、それがよく分かったんだよ。』

『そう。』

『もう一度! 俺にチャンスをくれないか?』

『”それはアナタ次第よ。”』

『そうか、じゃあまだ俺にもチャンスがあるのかな?』

『少し歩かない? 今日はキレイな桜が咲いてるのよ。』

『あぁ、いいね! 歩こうか。』

『えぇ!』





俺はようやく、”彼女の愛を手に入れる事が出来たのかもしれない。”

決して! お金では買えない彼女の愛を俺は手に入れた。

不思議と今の方が幸せだよ。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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