強すぎね?
ゴーレムを作ろうとしたらめちゃくちゃ美少女が生まれた。
え、なんで?
なお、めちゃくちゃに強い模様。
強くて美人とか最強じゃん。
「ジン様、これからどうしましょうか?」
「あー、とりあえずこの洞窟の最奥を目指す感じかな」
色々なことが起こりすぎて若干忘れているが、今は一応攻略隊と雪山の攻略をしているところなのだ。
出来るなら一刻も早くバルドとアカネのところに戻った方が良い。
ということで、俺たちは若干暗くなった洞窟内を進んでいく。
◇◇◇◇◇
「前方、敵です」
しばらく進んでいると、アルベリオンが立ち止まってそんなことを言う。
「え?分かるのか?」
「はい、探索機能もついているので」
俺の目には一切敵の影は見えないが、アルベリオンには見えているようだ。
探索機能ついてるのやばくね?
魔王級の強さを持ってるのが探索機能持ってちゃダメだろ。理不尽の極みじゃねーか。
とはいえ、敵にすれば恐ろしいが、味方にすれば非常に頼もしい存在ではある。
「よし、じゃあ今回は任せる。やれるか?」
「はい、任せてください!」
そう言ってアルベリオンは一気に踏み込んで高速で敵の場所に向かう。
さっきまでは相当ゆっくり進ませてしまってたみたいだな。俺のAGIが少ないばかりに迷惑をかけてしまった。申し訳ない。
俺はそんなことを考えながら、ノロノロと敵がいる場所に向かう。
「うわ」
俺がたどり着いた時にはもうすでに戦闘が始まっていた。
いや、戦闘というよりは蹂躙と呼んだ方がいい。
「キシャアァァ!?」
アルベリオンと戦っていたのはハウスセンチビートル。
強力な毒とそのフィジカルで戦いかなり厄介で、洞窟の生態系の頂点の魔物。
だが、俺の前に見えたのはそんな威厳のかけらもなくただ生きるために全力で逃げている姿。
だが、その程度の速度では魔王種からは逃げきれない。
「逃げ足だけは速い魔物です、ね!」
全力で逃げているその背中に先回りして飛び上がったアルベリオンが、慣性を乗せながら全力の蹴りを放つ。
「ギジャッ」
アルベリオンが蹴った場所が弾けて、緑色の血が辺りに飛び散る。
うわっ、グロいな。
「ふぅ、こんなものですかね」
アルベリオンは顔色ひとつ変えず、俺の元に戻ってくる。
「え?強くね?それ一応俺が若干苦戦した魔物なんだけど」
「そうですか?これくらいならいくらでも倒せますよ」
これくらい(HP800の化け物)
まじか。俺が想定しているよりも何倍も強いんだが?
正直HPが1500だから若干舐めていたが、アルベリオンはおそらくスピードファイターなのだろう。HPだけでは測れない強さがあった。
魔物詳細ではHPしか見れないからなぁ。こういうことが起きる可能性はあるよな。
今後HPだけで敵の強さを判断するのは危険かもなと考えながら、ハウスセンチビートルの素材を回収する。
小国くらいなら下手すれば滅ぼせそうな、ハウスセンチビートルは決して弱くはないのだ。ただ、この理不尽な魔王から見たら弱すぎるだけで。
ハウスセンチビートルは今後は狩られる側になりそうだな。南無。
「あ、ジン様。魔石はもらってもいいですか?」
「魔石?別にいいが、何に使うんだ?」
「動力です。基本的には空中に存在する魔力を使えばいいのですが、今回のように激しく戦ったりした場合に消耗が激しくなるんです」
なるほど。動力か。ゴーレムだから、食事ではなく魔力で動くんだったな。完全に人のそれだから忘れていたが、アルベリオンはゴーレムなのだ。
「はい、これどうぞ」
「ありがとうございます」
今回手に入ったハウスセンチビートルの魔石は本体が強い分、かなり大きい。
こんな大きな魔石を吸収できるのだろうかと若干疑ったが、その疑いはすぐに晴れる。
「よいしょ」
アルベリオンはその魔石を受け取ると、自身の胸元で赤く光っているゴーレムコアに魔石を押し当てる。
すると、先ほどまで淡く青色に光っていた魔石から、光がアルベリオンのコアに移動していく。
そして最終的には光を完全に失い、ただの透明な石になってしまった。
「よし、終わりました。ありがとうございました」
「面白い吸収方法をするんだな」
まさか押し当てて補充するとは思っていなかった俺は、驚きながらそう言う。
「そうですか?大抵のゴーレムはこんな感じですよ?」
「俺が知ってるゴーレムは大体俺を見たら殺しに来るから、まだ見たことがないんだよな」
「なるほど、そうでしたか」
ゴーレムだからなのかは知らないが、結構クールというかドライなんだよな。
いや、まあここでデレデレだったら逆に困るけどな。RPGかと思ったら乙女ゲーム始まったとか洒落にならないからな。
「他に何か欲しいものはあるか?」
「別に魔石以外はないですね。魔石は貰えるだけ貰えた方が良いです」
「それはなんでだ?」
「一定の魔力量をゴーレムコアに蓄えることができたら進化できるからですね」
「へー、進化か。・・・って進化!?」
「はい、進化です」
「え、これ以上強くなるの?」
どうやらアルベリオンはこれが強さの上限ではないらしい。
・・・え?やばくね?
まさかプレイヤーだけではなく魔物までもレベル上限がないのか?
それならサモナーが最強になれそうじゃね?
もしかして後半サモナー最強伝説始まるのか?
「普通のマナクリスタルゲームはこんなことはできないです。ただ、今回はジン様が作ってくれたので青天井で強くなることができますよ」
「ま、まじか・・・」
「まじです」
そんなやりとりをしながら俺たちは洞窟のボスを倒すべく、先に進んでいくのであった。
後書き
『サモナー最強伝説〜不遇職のサモナー選んだら俺の召喚獣全員レベル上限がなかったんだが〜』
今回の小説を執筆していたら、ふとこんな感じの作品が思い浮かんできました。
職業病なのでしょうか。




