徘徊ボス
俺たちが森に入ってしばらく探索していると、森の奥の方から悲鳴が聞こえてきた。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ‼‼」
「なんだ?向こうになにかいるのか?」
「とりあえず行ってみよう」
俺たちは悲鳴の聞こえた方へ向かって走り出した。その場所と思わしき場所についた頃にはそこで戦っていたと思われる男性プレイヤーがちょうどリスポーン地点へと戻ろうとしているときだった。
「おい・・・ここは危ない・・逃げ・・・」
男性プレイヤーが何かを言いかけたとき、
「ぶもおおおおぉぉぉぉ‼‼」
と、ひときわ大きな声で鳴く声が聞こえた。その鳴き声は俺たちのすぐ近くの木々の間から聞こえた。
「ああ、もうだめだ・・・」
とつぶやいて男性プレイヤーはリスポーン地点に帰ってしまった。それと同時に鳴き声の聞こえた木の方向から体高2mもある、イノシシのモンスターが出てきた。そのイノシシは今まで戦い続けてきたのかHPバーは残り半分ほどまで削れていた。頭の上には詳しい情報が載っていた
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モンスター名:猪王
徘徊ボス
レベル:23
HP 156/302
詳細:戦いに戦いを重ね群れの王まで上り詰めた猪。しかし歳を重ね、自身の力が衰えたとき若者に王の座を奪われ、群れから追い出された個体
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おいおい、体力俺よりも多いじゃねえか。レベルも馬鹿みたいに高いし、ボスだしツッコミどころが多すぎるだろ
「おい、どうする」
「やるしかないだろ」
「わかった。俺が引き付ける」
「じゃあ、その間に俺が攻撃するぞ」
と、打ち合わせは終わり、俺が猪の前に立ちスキルを発動させる
「スキル【挑発】発動」
すると猪の目が赤色に変わり、瞳孔は常に俺に向いている状態になった。猪は今にも突っ込んできそうな体制になり、足踏みを始めた。
「くっ、来いよ猪」
「ぶもおおぉぉぉ‼」
猪が俺に向かって突っ込んできて、俺の心臓にクリティカルヒットした。
「がはっ」
俺のHPは見ると残り16まで削れていた
「化け物め」
これで残りボスの体力は139、そして俺には見えている。猪の後ろからマサキが剣を振りかぶって突っ込んできていることを。
「うおおおぉぉぉぉ‼」
「ぶもっ!?」
「【スラッシュ】【2連撃】【渾身のひと振り】発動‼」
マサキはこの1撃にすべてを賭けるらしく、大量のスキルを重ねがけしていた。
「くらえええぇぇぇぇぇ‼」
「ぶもおおぉぉぉ!?」
マサキの剣が2回猪の体を切り裂いた。猪のHPバーがぐんぐん減っていく。しかし、そのHPバーが最後まで削れることはなかった。あと少しのところで止まったのだ。
「クソっ。これでも勝てないのかよ」
「ぶもっ」
猪は大量にダメージを与え、スキルの硬直で固まっているマサキにヘイトを向けた。
「おいっ、待・・・」
最後まで言い切る前に猪はマサキに突っ込んでいた。
「がはっ」
マサキのHPバーが一気に0になった。それと同時に体が消え始めた
「おい、マサ・・・」
「後は任せたぞ、ジン」
それを言うとマサキはリスポーン地点に行ってしまった。
「おい、猪、お前俺の親友を殺したのは許さないぞ」
猪のHPバーを確認すると残り体力は5だった。それに対して俺の体力は回復分も合わせて53だ。少なくとも相打ちにはできるだろう。
「来いよ」
「ぶもっ・・」
猪はマサキにやられた傷が相当痛むようで、なかなか突進できずにいた。
「おい、お前の力はそんなもんか?早く突っ込んでこいよ」
「ぶもおぉぉ‼」
と、少し煽ると猪は最後の力を振り絞り、俺に突進してきた
「ごはっ」
「ぶもっ!?」
さあ、ここからが執念場だ。俺のHPはどこまで持つかだ、50、30、20、10、5、3、2、1・・・・・。俺の体力は最後の1で耐えきったのだ。
「うおおおおぉぉぉぉぉ‼」
「ぶもおぉ」
猪は反射でやられたらしく倒れた。
パリンッ
「やったぞおおぉぉぉ‼」
ピロンッ、ピロンッ、ピロンッ、ピロンッ、ピロリンッ、
《レベルが上がりました》
《ーーーを獲得しました》
《ーーーーを入手しました》
「あー、うるせー」
そして俺は残りのHPを流血のせいか失い、リスポーン地点に戻るのであった。
今回はここまでです。平日は投稿できるかわからないので、この休日の間に投稿しておきます。
というわけで、今回は徘徊ボスを倒すという困難がジンに襲いかかりましたね。バトルシーンって書くのめっちゃ難しいですね。しっかりかけている作家さん方には尊敬します‼
それではまた次回お会いしましょう。