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ダメージ?そんなのくらってなんぼでしょう~HP極振りの行くVRMMO~  作者: まあ
第二の街イルン

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68/90

山間部:上層

 上層が雪によって進みにくくなっていることに今更気づいた俺は、街でブーツを買ってまた雪山に来ていた。


 あまりブーツは履きたくないのだが、どうも上層は粉雪という踏んだら沈む雪がそこかしこにあるらしい。流石にそれにハマって2度と抜け出せなくなるとか勘弁してほしいので、今回ばかりは仕方ないと割り切って装備を履き替える。


 HPとか反射率とか減るから、あんまり毒棘の装備セットを崩したくないんだよな。


 とはいえ、普通にHPは5000を超えているのでほぼ問題はないだろう。


 それにしても、HP5000って普通にやばいよな。補正値が何もない人だったらステータスポイント5000ポイント分ってことだろ?


 ・・・1000レベル分か。流石にトップランカーでもそこまでは行っていないだろうな。


 と、俺のステータスは相変わらずおかしいということを再認識しながら、雪がうっすらと積もっている上層でも最初の方をズンズン進んでいく。


 すげーな。ゲームなのに質感がリアルのそれだ。雪国出身じゃないから、雪を見たらいまだにテンションが上がるな。


 本当にこのゲームはこういう環境系は一才妥協なしでやっているんだろうな。その労力を他の部分に移せよとは思うが。


 そして、進めば進むほど雪は深くなっていく。先ほどまでは地面が見えていたくらいなのに、もう今は10cmくらいも積もっている。


 やはり推測は合っていたようだ。もしあのまま毒棘装備で突っ込んでいたらまず間違いなく悲惨な事になっていただろう。


 俺は別に不幸になりたいわけではない。好き好んで他人の飯のおかずになる趣味は俺にはないのだ。


 聞いてるか運営。どうせ今でも俺のこと監視してるんだろ?俺は絶対にお前らの道筋通りに進んでやらないからな。


 と、そんな事を考えていると目の前に魔物が現れる。


「グルルル」

「グルオォ」

「ガルル」


 その魔物たちは、今までの魔物とは違い群れで行動する魔物のようで3匹で俺のことを囲んでいた。


 いつの間にか俺は包囲されていたようだ。相当動きが素早いのか、気配を隠すのが上手いのか、どちらかは知らないが俺に対して一斉攻撃は悪手だ。果たしてこの魔物たちは気づくことができるだろうか。


 ちなみに、その魔物達の見た目は白銀のオオカミといったところだろうか。目以外全てが真っ白で出来ており、雪と溶け込んですぐに見失う。


 俺は攻めてこないうちにこいつらの詳細を確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モンスター名:ホワイトウルフ

HP:500/500

説明:雪の多い地域に住んでいる狼型の魔物。基本的に群れで過ごし、その抜群のチームワークで獲物を狩る。特徴的なのは、その真っ白な体毛。その見た目と強靭な足から繰り出されるスピードによって周囲に溶け込むため、視界に常に入れることは不可能に近い。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 こいつも相当強いな。HPも500で非常に高いし、環境を活かした立ち回り、さらには足も早い。


 普通のプレイヤーとか冒険者が狩るのは一苦労だろうな。すぐに見失うし、1匹を視界に捉えたとしても他のホワイトウルフがその妨害をしてくる。


 そう考えるとかなりバランスの取れた魔物なのだろう。今までの魔物はその強みを押し付けて勝ってくるような奴らばかりだったから、このようなオールラウンダー型は初めてだ。


 俺は、初めての敵がどんな動きをしてくるのかワクワクしながら周りを見渡す。


 が、先ほどまでホワイトウルフ達がいた場所にはもう何も残っていなかった。ただ見えるのは時折自分の前を横切る目の光と、唸り声のみ。


 早速始まったか。さて、最初はどんな風に攻撃してくるかね?


 ちなみに俺は上層部は雪崩を考慮して、【自爆】は極力使わないようにしている。明らかに危険そうなら使うが、今回はそんな感じではなさそうなので自爆なしでどれだけ通用するかを試す戦闘にするつもりだ。


「グオオォォ!」


 素早く動き回るホワイトウルフ達をなんとか視界に捉えようと首を忙しなく動かしていると、急に後ろから噛みつかれた。


 うおっ、全くそんな足音も気配も感じなかったぞ。


 俺は急いで後ろを振り向く。が、もうすでにホワイトウルフは撤退して次の攻撃の隙を見定め始めていたため俺の視界に入ることはなかった。


 なるほど、これがこいつらの戦法か。隙を見つけるまでは、その素早さで翻弄して隙を見つけたらすぐに攻撃、撤退。


 完全なるヒット&アウェーだ。相当いやらしい戦法を使ってくる。


「グルアア!」


 と、そんなことを考えているとまた後ろから噛みつかれる。


 またすぐに後ろを見るも、そこにホワイトウルフの姿はない。


 うわー、これは相当いやらしい。人によっては完全敗北するんじゃないか?少なくとも、素早さか色の問題を解決しないと手も足も出ないだろう。


 とはいえ、この攻撃方法では俺を倒し切れないだろう。一撃一撃は500ダメージ程と多い部類ではあるが、それでは俺を倒すことは不可能だ。それよりも先に自分たちの体力が尽きるだろう。


「グルア?」


 そのことに気づいたのか、ホワイトウルフの一匹が不思議そうな声をあげる。とはいえ、姿は見えないが。


 その後、素早く動きながら軽い鳴き声のやり取りを何度かした後、3匹ともが動きを止めた。


「「「グルル・・・」」」


 そして、俺に対して全員が威嚇の鳴き声をあげる。


 俺がどうかしたのかと疑問に思っていたら、全員が一気に突っ込んできた。


 なるほど?ちまちま攻撃したらジリ貧で死にそうだと判断して、一気に攻め切る作戦に変えたらしい。


 悪くはない判断だが、それでは俺は倒せない。


 結局ホワイトホワイトウルフは俺に3000ダメージ程与えたものの、反射ダメージで死んでいった。


 死なないようにするなら逃げるべきだったな。俺は他とは違うんだ。


 やっぱり俺って理不尽だなと思いながら、俺はホワイトウルフの毛皮を回収してさらに奥に向かっていくのであった。

後書き

ホワイトウルフくん「解せぬ」

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