山間部:中層2
「【自爆】」
俺は、今なお山の中層で自爆を繰り返し攻略していた。
今の俺の回復量は尋常じゃなく、半分くらい使って爆発を起こしても1分ほど待てば全回復するようになっている。
そのため、明らかに連発していいような威力ではない爆発を連発することが可能になっている。
そんなことを繰り返しているので、ロックゴーレムという魔物がいるのはわかっているのにいまだに姿を見れていない。
まあいいよな。岩を破壊可能オブジェクトにして、それに擬態する魔物を作った運営が悪い。
ちなみに鉱物はそこそこ手に入っているのだが、金はいまだに極微量しか手に入っていない。分かりやすく言うと、指の上に乗せられるくらいの量だ。
まだまだゴールデンゴーレムは作れないな。だいぶ道のりは長くなりそうだ。
そんなことを考え、次の自爆のクールダウンを待っていたら空からに影が現れる。
「キエエェェェ!」
その魔物は俺に甲高い鳴き声を浴びせ始める。
こいつは前回詳細を見れなかったから、ちょっと気になってたんだよな。
俺はこいつがどんな魔物だったのかを確認する。
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モンスター名:ノイズバード
HP:350/350
説明:空で過ごす鳥型の魔物。攻撃方法はその喉から出る音波。その音には特殊な振動があり、完全に聴覚を奪ってから脳を揺らし、内側から破壊する。近接攻撃をしてこないため、遠距離に対する攻撃手段がないとなすすべなく殺される。
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名前が相変わらず安直なのは置いておいて、相当えげつないなこいつ。
近接攻撃は実質無効だし、防御力も効果があるのかは謎。しかも聴覚を奪った後、脳を破壊してくる物騒さも兼ね備えている。さすがは第二フィールドといったところか。
実際、今なお俺の耳は徐々に聞こえなくなってきている。とはいえ、その速度はかなりゆっくりでこれなら俺の自爆のクールダウンの方が間に合うだろう。
最初のやつと比べると攻撃力が下がっているのは少し違和感はあるものの、俺は難なく完全に聴覚が奪われる前に自爆でノイズバードを倒す。
うーん、この程度なら別に自爆を温存する必要もないか。
こいつを考慮して一応自爆を打つ前に周囲を確認してから打っていたのだが、これくらいの弱さなら別に問題なさそうだ。
俺は考えることが一つ減って嬉しくなって、さらに環境破壊を繰り返していく。
◇◇◇◇◇
その後、俺は特に問題なく山の中層を攻略できた。
魔物はロックゴーレムとノイズバードだけだったのか、この2種類にしか会わなかった。
ちなみに、今だにロックゴーレムの素材はたくさんあるのに、姿は見ていない。
べ、別にこれは俺の怠慢のせいではない。環境破壊が楽しくて、いつの間にか岩山がはげ山になっていたとかでは断じてないのだ。
それにしても、本当にはげ山になってるな。さっきまであんなにゴツゴツした岩が大量にあったのに、全て消えてしまっている。
こんなことをしたのは一体誰なんだろうな?絶対環境保全家の人が見たら発狂待ったなしだな。
俺はそんなことを遠い目をしながら考え、攻略しやすくなったからいいかと立ち直り、さらに山を登っていく。
山の上層はまた先ほどとは景色が打って変わって、雪に覆われた白銀の世界だった。
流石にここまでくると寒すぎて普通の装備だと話にならないので、このために買っていた寒さ対策のルーンを装着する。
これは前砂漠攻略の時に買っていたやつの寒さ対策バージョンで、装着する事によってかなりの寒さを和らげることが出来る。
現実世界にもこんなアイテムがあれば良かったのにな。それなら手袋とかマフラーとかつけなくても問題ないのに。
俺はこんな便利アイテムが現実世界にあればいいのにと不可能なことを望む。
ちなみに、このルーンはあくまで寒さ対策。雪の対策はできていない。
今はまだ積雪は地面にうっすらといった感じだが、まだ頂上が見えていないことからまだまだ深くなるはずだ。
そうなると、全く雪対策の出来ていない毒棘のブーツでは先に進むことが非常に困難になる。
うーん、どうしたものか。
先ほどのように自爆で無理やり溶かすか吹き飛ばして進むと言うことも考えたが、恐らくそんなことをしたら雪崩が起きる。
このゲームはこういう所はしっかりしているのだ。ほぼ間違いなく雪崩が起きるだろう。
まあ、正直雪崩を喰らっても俺のHPなら生きていけるような気もする。が、他のプレイヤーがいたら多大な迷惑をかけるだろう。
最悪、間接的に俺がPKをする事になる。
俺はこのゲームでは真面目にプレイしているのだ。流石にPKをするのはいただけない。
だが、そうなると今度は雪に対して何も出来なくなる。
仕方ないので、俺は一度街戻って便利なものがないか探す事にした。
今回はリサーチと想像不足だったか。普通に考えれば山の頂上の方に雪が積もっているのだから雪の対策はするべきだろう。
何を買うにしろ、一応マザーフロッグの時の大量のゴールドが残っているので問題はないだろう。
寒さ対策のルーンだけ買って満足してしまっていた事を後悔しながら、俺は一旦街に転移した。
後書き
ジン、実はツンデレ気質。
いつか『べっ、別に〜〜のことなんか〜〜〜〜じゃないんだからなっ!』みたいな事を言わせてみたい。
・・・男のツンデレに需要があるのかは謎だが。
とはいえ、言わせてみたいのは事実。どこかで機会を見て・・・おっと、彼が来たようだ。
というわけで今回はここまで。また次回お会いしましょう。
「ちょ、待」
追記 2026/2/2 6:53
誤字がありました。
適用前に読んでくださった方には違和感を与えたかもしれません。すいません。




