マザーフロッグ
少し遅れました。
すいません。
「なっ!?」
俺が蛙達を自爆で倒していたら、何かに吹き飛ばされた。
その高さはちょうど10mほどで、さっきまで立っていた崖の上が見えた。
「なんだ?何が起きた?」
俺は飛びながら周囲を確認していると、
「グルエエェェェ!!」
今までの八つ目蛙とは比べ物にならないほど大きく、威圧感のある声が響いた。
その魔物は先ほどまで俺が立っていた場所にいて、目が8個の蛙であることに変わりはないのだが、大きさが桁違いで、10mは超えていた。
どうやら俺はこいつに下から突き飛ばされたらしい。
先ほどまでは視界に入っていなかったんだが、どこに隠れていたのだろうか?
そんなことを考えながら俺はその魔物の詳細を確認する。
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モンスター名:マザーフロッグ
特殊ボス
HP:1000/1000
説明:全ての八つ目蛙の原点とされている魔物。単体での性能はそこまで高くないが、脅威的なのはその繁殖力。この魔物がいるだけで5日で1000を超える八つ目蛙を生み出すことができ、過去にはスタンピードを起こしたこともある。そのため、冒険者ギルドでは発見次第即時に討伐するべきとされている。
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おいおい、なんだよこいつは。特殊ボスだし、大量の蛙を生み出すことができる?
俺、こういうよく分からない敵と出会いすぎじゃね?
とりあえず今回大量に八つ目蛙がいたのはこいつのせいらしい。しかもHPも何気に1000と高い。
「ぐえっ」
そんなことを考えていると、俺は地面に打ち付けられる。そこそこHPは削れるものの、当然この程度では俺は死なない。
「グルェェェ!」
マザーフロッグは俺が落ちてすぐにその巨大な体に見合った長い舌をものすごい速さで繰り出してきた。
うわっ、八つ目蛙のも相当きもいけどこれはもっと太くなったからより一層きもくなったな。
俺はなすすべなく絡め取られ、一気に引っ張られる。
「グルェ」
近づいてみて分かったが、その目は自分の子供達が殺されたことに対する怒りからなのか、充血して震えていた。
おいおい、こいつ魔物のくせに感情とかあるのかよ。とはいえ、もう完全に敵だしな。慈悲はない。
側から見たら明らかに劣勢な俺はそんなことを考える。もしこの場面を他のプレイヤーがみていたら、なんでそんなに余裕そうなんだ!というツッコミが入るだろう。
「グルアァァ!」
マザーフロッグは怒り狂った顔で俺を口の中に入れ、飲み込む。
八つ目蛙だと俺を丸呑みすることはできないが、マザーフロッグはその体格が10mもあるほど巨大だ。当然俺を丸呑みにできる。
ゴクンッ。
俺はマザーフロッグの胃の中に一直線で落ちていった。
うわっ、中までめちゃくちゃ精密に作り込まれてるな。あそこの肉壁とかなんか脈打ってるし。正直言ってグロい。
俺はマザーフロッグのヌメヌメとした生ぬるい消化液に満ちた胃の中で漂いながらどうやって抜け出すかを考える。
・・・当然この液は強酸性でスリップダメージは入っている。が、俺がこれだけ死ぬには1時間ほどかかるだろう。
「うーん、どうやって突破しようか」
まずすぐに思いついたのは内側から【自爆】を使って無理やりこじ開けること。それと、このままゆっくりと漂って反射ダメージでこいつを倒すこと。
んー、普通に内部から爆破で良さそうだな。とりあえずクールダウンが切れるまでは何か他に手段があるか一応考えてみるか。
◇◇◇◇◇
あれから50秒ほど気持ち悪い胃液の中を漂いながら他に突破口があるか考えてみたが、特に何も思いつかなかった。
「【自爆】!」
まあ思いつかないものはしょうがないと割り切って俺は【自爆】を起動する。
ボガアァァン!
ある程度は削られているとはいえ、俺はHP極振り。まだまだ余力はあるので、大爆発が起きる。
それに伴い、マザーフロッグの体が内側から飛び散る。
うわっ、グロッ。ベチャベチャッって色んな方向から音が聞こえるんだが。
俺は顔を顰めながら、マザーフロッグだった肉塊を眺めていると、ポリゴンに変わって素材に変わる。
マザーフロッグの素材は分厚い革と、脈打つ肉壁、柔毛だった。
なんでこんなに気持ち悪い素材しかドロップしないんだ?まじで運営が攻略プレイヤーに精神的攻撃を与えようとしている可能性が濃厚になってきたな。
と、俺は陰謀論を想像しながら素材を回収する。
「グルェェェ」
「グルエ?」
「グルエェェ」
マザーフロッグを倒したとはいえ、それだけで子供である八つ目蛙が消えるわけではない。
「来いよ、全員まとめて相手してやる」
俺は【挑発】を込めながら、大声で全ての蛙に聞こえるように叫ぶ。
「「「グルアァァ!!」」」
その効果を受けて、ほぼ全ての蛙が俺に目を向ける。その数およそ5000。
俺はうんざりしながら、大量の蛙達を倒すべく、先頭態勢に入った。
◇◇◇◇◇
「【自爆】・・・ふぅ」
およそ1時間ほどの死闘を超え、俺は最後の蛙を倒した。
「あぁー、疲れたー」
湖から陸地に戦場を移していた(自爆によってほぼ全ての水が蒸発して、残りは抉れた地形に溜まっている)俺はその場にどさりと座り込む。
それにしても疲れた。もう蛙はうんざりだ。
一応あの後、レベルアップによるゴリ押しでなんとか倒すことができた。が、後半経験値が足りなかったのかレベルアップが全然捗らなかった。
《レベルが上がりました》
《大量のスキルを入手したため、アナウンスを省略します》
《大量の称号を入手したため、アナウンスを省略します》
お?ここでスキルと称号のアナウンスがなるのか。どうりで戦闘中に手に入らないわけだ。それにしても大量のスキルと称号って・・・
まあ、今回で相当強かったのはわかるのだが、確認するのは一旦休んでからかな。今回は特に疲れた。
そんなことを思いながら俺は一旦その場で座り込み、体を癒し始めた。
Q.ジン、変なイベントにかかりすぎじゃね? by マサキ
A.このゲームでは幸運値(LCK)が低いと死亡イベントにかかりやすくなります。そのため、ジンが引っかかっているのはほぼ全て高難易度or無理ゲーイベント。
それをジンが真正面から叩き潰しているのです。
ジンクンツヨイヤッター(棒)
追記 2026/01/27 07:10
誤字がありました。修正前に読まれた方には違和感を与えたかもしれません。すいません。




