図書館
ミルさんに装備の強化を依頼した後、俺はイルンの図書館にきていた。
イルンの街には図書館があり、さまざまな童話や情報などの閲覧ができる。今回は攻略をするにも装備がなく流石にユニーククエストとかも無理だろ、ということでここで情報を集めることにしたのだ。
えーっと、まず一番調べたいのはユニーククエストの極南ってどこってことか。
俺は3冊ほどイルンの近くの地理について書いてある本をピックアップして読み始める。
結果的にいうと極南についての具体的な記述はなかった。そりゃあそうか。今でも全然情報がないのにこんな場所にポロリと落ちてたらおかしいもんな。
3冊に書いてあったのは、この街の周りの地形、動物の生息域、植生などがもっぱらで、周りの地域の外の部分は予測で書かれていて、それぞれの著者の見解が書いてあった。
それはどれもバラバラでどれが本当なのか、もしくは全部違うのかわからなかった。
なんだよ、南の海を超えた先にあるのは魔物が暮らす魔大陸があるって。まだこの街二つ目の街なんだぞ。そんな近くに化け物の巣窟があっていいはずがないだろ。
・・・いや、このゲームならあり得るか。だいぶテンプレから逸脱したようなゲーム作りしてるしな。
俺はこのゲームのおかしさを思い出し、明らかに違うだろという意見ももしかしたらあるかもと思い、その全てを渋々メモした。
あの声が言うには南の方に行くと修行をさせてもらえるらしいのだが、今のところ風を数百キロ先まで飛ばすような化け物の記述はない。
うーむ、一体あの声の正体はなんなのだろうか。早く会ってみたいものである。
極南について調べるもののわからなかった俺は少し気を落としながらこの街の周りの魔物の情報について調べる。
が、NPCはそこまで強くないのかあまり魔物の生息について詳しく書かれていなかった。
特に西の山の中層、上層についてはてんでダメで一切書かれていなかった。が、下層についてはある程度書いてあったので、俺はその部分を読む。
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モンスター名:八つ目蛙
HP:300/300
説明:山の下層部に生息する魔物の一種で、8個の目をもつ蛙のような魔物。攻撃方法はベロによるからめとり、その表皮から分泌される毒、胃袋を吐き出して飛ばしてきたりなど様々である。その攻撃方法と見た目の気持ち悪さから女性冒険者から嫌われている。
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モンスター名:トレント
HP:200/200
説明:山の下層部に生息する魔物の一種で、木に擬態して冒険者が近くを通りかかった時に奇襲する。倒した動物や人間はその根で栄養を吸収するため、この魔物に倒された人間はカラカラに干からびた状態で発見される。その性質上、物理防御力はかなり強いが、火に非常に弱く、過剰に反応するので火を灯しながら歩いていると攻撃されない。
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モンスター名:ヒルビル
HP:150/150
説明:山の下層部に生息する魔物の一種で、大きさはヒルと同じくらいの大きさだがその吸血力と執念深さを舐めてはいけない。いつの間にか足首や首筋にくっついており、気付いた頃には貧血で倒れている。無理やり引き剥がすと口の部分だけが残り、断裂部から吸った血を流すシャワーになるのでこの行動はタブー。
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と、この三種が本に書かれていた。一度山に行った時に遭遇した八つ目の蛙は八つ目蛙という魔物だったそうだ。
あの時はレッサーポイズンドラゴンに追われていて戦うことなどできなかったが、その戦い方はかなり気持ち悪いものだそうだ。
毒使いに、奇襲、知らないところから吸血と下層部にはいやらしい魔物が多い。まあ、どれも大体今の俺の敵ではないのだが。ガイアよりも普通にHPが高いのはさすが第2フィールドといったところか。
一般的な冒険者からしたらかなり厄介なことこの上ないだろう。だから山の調査は行われなかったのかもしれない。
この本を過信しすぎて、他の魔物と遭遇した時にパニックにならないようにしないとな。情報が少ないのだ。もしかしたら他にも魔物がいるかもしれない。
レッサーポイズンドラゴンがいい例だな。この本を読んで余裕余裕とか言いながら突っ込んでいたら普通にやられていた可能性が高い。
俺は油断大敵という四字熟語を思い出し、また気を引き締めながらメモをする。
その後、俺は一旦ログアウトして久しぶりにマサキと連絡をとった。
俺:ULO面白いな。今までのゲームで一番面白かったかもしれん。
マサキ:それは良かった!ところで今どんな感じなんだ?流石にもう続けられなくなったか?
俺:カクカクシカジカってことがあってさ
マサキ:まじかよ!?お前のやっているゲームやっぱり俺たちとは違うよな?
俺のやっているプレイスタイルはかなり奇抜で、類を見ないそうだ。別に普通にやっているはずなんだがな。ちょっと極振りして、攻撃しないだけなのだ。
・・・いや、それが原因か。確かに今のところ極振りで成功してるのはエナくらいだもんな。
俺:それもそうか。まあ俺が楽しかったらなんでもいいや。
マサキ:そ、そうか・・・。まあ楽しいならいいか。
その後、俺はマサキとULOについて考察をしつつも近況報告を続けた。
俺のHPがすでに3000を超えていると知った時のマサキの反応は面白かったな。めちゃくちゃ驚いていたのか『!?』を連呼していた。
そして、今日は特にULOですることがなくなったので現実世界で適当に時間を潰して終わった。
あるよね、ゲームの日課が終わってすることがなくなる虚無時間。俺も休日はデイリーが終わってすることがなくなることが多々あった。
明日にはミルさんは装備を完成させてくれているだろうか。
と、期待しながら俺は眠りについた。
後書き
10万文字を超えてからpvとブックマークが急に伸び始めてびっくりしました。
たくさんの応援ありがとうございます。
今後もこの作品をよろしくお願いします。
追記
一部作品の、
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作品名:ダメージ?そんな・・・
説明:VRMMOを・・・
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の『ー』の個数が一つ多くなっているミスを直しました。スマホ版の方には違和感を与えたかもしれません。すいません。
追記2 2026/01/22 20:36
誤字がありました。適用する前に読んでくださった方に違和感を与えたかもしれません。すいません。




