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ダメージ?そんなのくらってなんぼでしょう~HP極振りの行くVRMMO~  作者: まあ
第二の街イルン

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昇級試験2

「では、まず主のプレイングを見ようと思う」


 影丸さんが俺に対してどんなプレイングをしているか聞いてきた。


「あー、俺は基本的に自分から動くんじゃなくて、相手の動きに合わせて立ち回ります」


 俺は流石にプレイスタイルを事細かに言うのはまずいと思い、少しぼかす。


 まあ嘘は言っていないしな。別にいいだろう。


「ふむ、そうでござるか。であれば、段階を踏んで拙者が攻撃するから、その反応を見ようと思う」


 と、影丸さんが俺の昇級試験の内容を軽く決めた。


 それにしても大丈夫だろうか。街中とはいえ訓練場だと速度が0のデータを参照するようで、今の俺は動きがとろい。だから俺は攻撃をされても避けれない。


 そうなるとどうなるか。影丸さんに反射ダメージが行くのだ。しかも防御無視。


 正直言って俺の反射ダメージを受け切れるとは思えない。


「では、参る。【手裏剣の術:初級】」


 と、俺が影丸さんの心配をしていると影丸さんが攻撃をしてきた。


 まあなんらかの対策はあるだろうと予想して俺はこの攻撃を甘んじて受け入れる。


「いてっ」


 俺の体に手裏剣が突き刺さる。それを見てつい呟いてしまった。


 あるよね。物を落とした時とか、大きい音がした時とかに自分は痛くないのに『いてっ』って言ってしまうやつ。


「なっ!?大丈夫でござるか?」


 影丸さんはまさか避けないとは思っていなかったのか焦って俺の様子を見にきてくれた。優しい。


「はい、大丈夫です。それと、影丸さんHP確認してくれますか?」

「ム?わかった」


 俺も伊達に初期村のフィールドボスを倒したのだ。こんな手裏剣一枚じゃ死ぬことはない。


 それと、こんな試験で死なれても申し訳ないので俺はプレイスタイルと反射のことを伝えることにした。


「なるほど、減っているな」

「そうなんです。俺を攻撃したらダメージを喰らうっていうプレイスタイルです」

「ふむ、確かにこれなら試験は難しそうだな」


 やはり影丸さんにも反射ダメージが行っていたようだ。


 こんなプレイスタイルは珍しいのか、影丸さんはどう試験をすればいいか悩んでいる。


「うーむ、どうしたものか」


 確かに影丸さんといえど、俺の3000もあるHPの反射ダメージを喰らって生きていられるとは思えない。


 となると必然的に戦うという試験を行えなくなるのだ。


「一旦ギルドマスターに聞いた方が良さそうでござる。ちょっと待っててくれ」


 そう言って影丸さんはその場から消える。


 すげー、やっぱり忍者だから瞬間移動とか隠し身の術とか使えるんだろうな。忍者好きからしたらたまらなさそうだ。


 と、俺は一瞬で消えた影丸さんを見て目を輝かせる。


 数分待ったらギルドマスターが戻ってきた。


「すまないね。君の事情も知らないで戦うのみにしてしまって」


 ギルドマスターは俺を見るなり謝る。


「いえいえ、プレイングを伝えなかった俺にも非がありますよ」


 と、俺もぺこぺこお辞儀しながら答える。いけないな。こういう時どうすればいいかわからない。


「というわけで少し考えたのだが、君のプレイスタイルは攻撃を反射してそれで倒す、でいいんだね?」

「あ、はい。そんな感じです」

「ふむ、じゃあ今の段階で出せるダメージの最大値ってどれくらいなんだ?」


 えーっと、HPが3000で反射率が28%だから720くらいか。


 あれ?思ってたよりも少ないな。よくこれでレッサーポイズンドラゴンを倒せたものだ


「魔物なら720です」

「720!?反射ダメージだけでそんなに与えられるのか・・・」


 ギルドマスターは少し驚いた顔をしたがすぐに疑問を漏らす。


「あれ?レッサーポイズンスネークの体力って1500だったよな?なんで倒せたんだ?」


 と、ここで俺に対する視線が厳しくなる。もしかしたらハイエナをしたのかもしれないってなると仕方ないな。


「あー、それはドラゴンがめっちゃ油断してたからですね。めちゃくちゃ舐めプしてたおかげで反射ダメージに気づかれずに体力を削ることができました」

「ふむ、なるほど。確かにあそこにはレッサーポイズンドラゴン以外の魔物はあいつの格下だ。驕るのも無理はないかもしれんな」


 どうやら先ほどの説明で納得してくれたようだ。このまま納得してくれずひりついた雰囲気のままだったら困っていたところだった。


「答えたくないなら答えなくてもいいのだが、今のHPはどれくらいなんだ?」

「あ、3000です」

「さ、3000!?そんなに高いのか!?」


 もしかして何か不味かっただろうか?上位プレイヤーならこれくらいのステータスに行っていそうな物だが。


「わ、分かった。今回は特例で君のステータスを見て昇級させることにする」


 ギルドマスターは焦った様子で答える。いつもはちゃんと戦闘してから決めるらしいのだが、今回は普通にやったら影丸さんが死んでしまうと言うことで特例として昇級できるようになったようだ。


「じゃあ、ついてきてくれ」


 そう言ってギルドマスターはまたマスター室に戻っていく。


 ・・・それにしても影丸さんはどこに行ったんだ?さっきから姿が見えない。


「と、言うことで流石に嘘をつかれていると困るのでこの石板でステータスの確認をさせてくれ」


 マスター室についてからギルドマスターが石板を渡してくる。


 俺は特に後ろ暗いこともないし、その石板に触れる。


「ほ、本当だったか・・・。まさかこんなにステータスが高いとは」


 ギルドマスターは俺のHP3073という表記を見て本当だったのかと目をこすりながら確認する。


「まあ、分かった。じゃあランクを昇格させるとする。ギルドカードを貸してくれ」


 俺はここ最近全く見なくなったEランクの鉄を模したギルドカードを差し出す。


 ギルドマスターはそれを受け取ると専用の機械か何かに差し込んで情報を打ち込み始める。


 そして打ち込み終わったと思えば装置が光り輝いて中からCランクに変わった俺のギルドカードが出てきた。


 何それすごい。現実世界にもなさそうな装置じゃねぇか。運営がめんどくさがったのか知らないが世界観を壊していそうだな。


 Cランクに変わった俺のギルドカードは鉄色から銀色に変わっていた。この技術もどうしてるか気になるな。


 どうせ聞いても教えてくれないのだろうが。


「よし、これで昇級は終わった。これからも冒険者ギルドをよろしくな」

「はい、よろしくお願いします」

「あ、名前を名乗っていなかったな。私はキナ。改めてよろしくな」


 そう軽く挨拶を言い合って俺はギルドを離れる。


 それにしてもCランクか。唐突とはいえ感慨深いものがあるな。

後書き

ジン、Cランクに上がる

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