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ダメージ?そんなのくらってなんぼでしょう~HP極振りの行くVRMMO~  作者: まあ
第二の街イルン

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盗賊戦:前半

「お、良いのがいるじゃねぇか。そいつをこっちに寄越せ」


 盗賊のボスがエナを見て、気持ち悪い笑みを壁ながら俺に話しかけてくる。


「渡すわけがないだろ。何言ってんだ」


 俺は呆れて返事をしながらエナを手で庇う。


「ねぇねぇ、人間ってどんな味がするのかな?」


 ・・・まあ、エナは一切気にしていなさそうだが。というか人間を食べようとしている。


「いやいや、人間を食べようとするなよ」


 ちなみにこのゲームでは、モンスターは死ぬとドロップ品を残して残りが消えるのだが、人間は死ぬとNPCの場合は死体が残り、プレイヤーはリスポーンするしくみになっている。


 だから、こいつらがNPCの場合はエナが人間を食べることが可能になってしまう。しかも全身余すことなく食べれてしまう。というかエナのことだから死んでいなくても齧り付いて食べ始めそうだ。


「え〜、でもこういう機会じゃないと食べれないよ?」

「はあ、分かった。この戦いに勝ったら食べてもいいことにする」


 というかなんで俺はエナの保護者みたいになってるんだ?俺の予定では一人旅を楽しむはずだったんだが。


「おい、今の聞いたか?」

「ああ、人間を食べるんだってな」

「やっぱり思考回路が俺たちとは違うんだな」


 他のプレイヤーもそんなことを言いながら馬車から降りてくる。俺も同感だ。なんで盗賊に襲われてるのに、食べれるのか?っていう思考になれるんだか。


「おい、いつまで喋ってるんだ?さっさとしろ!」


 盗賊のボスは俺たちが喋っている間待ってくれていたようだ。


 なんかごめんな。お前らが食べれるかどうかの議論をしていたんだ。


 俺は話の内容を聞いていたばかりにこいつらに少し同情の目を向ける。


「分かった。渡さないんだな?おい!お前ら!やってしまえ!」

「「へい!お頭!」」


 盗賊のボスが部下に命令を出して俺たちを襲わせる。俺たちの人数は8人、対して盗賊は11人だ。他のプレイヤーには盗賊が1人ずつ攻撃を始めて、俺とエナには2人がかりで攻撃を仕掛けてくる。


「おい、お前ら!できるだけパーティで固まって、一対一にならないようにするんだ!」


 4人パーティのリーダーが指示を出しながら、盗賊と対峙する。今回は6人で臨時パーティを組んで、協力して盗賊を撃破するようだ。


 あちら側は大丈夫そうだな。俺はこっちに集中するとしよう。


「へっへっへ、お前ら、俺たちに逆らってどうなるか分かってるんだろうな?」

「そこにいる女を渡せば、楽に死なせてやるぜ?」


 と、チンピラみたいなことを言いながら4人の盗賊が俺たちを取り囲む。


 ちなみにこのゲームは全年齢対象のゲームなので設定でフレンド以外に体を触れないようになっているし、服も脱げないようになっている。だから盗賊に捕まえられても特に何も起きないはずだ。


 なんでこいつらは女を欲しがるんだろうか?愛玩動物的な感じか?


「エナは渡さない。エナを取りたければ、俺を倒してから行け!」


 と、エナを手で庇いながらかっこよく言ってみたものの、


「わあ!ご飯が向こうから近づいてきてくれたよ!食べて良いよね?」


 目の前の()()に目が向いていて、俺の言葉など眼中になさそうだ。


 せっかくかっこよく決めたのに無視されるなんて。泣くぞ?なあ、泣くぞ?大の大人がみっともなく大声で泣くぞ?


 と、愚痴を心の中でこぼしながら、エナに許可を出す。


「あぁ、分かった。正直俺だけじゃこの人数を捌ききれるか怪しい。好きなように動いてくれ」

「いいの?やったー!!」


 エナは満面の笑みを浮かべながら喜ぶ。


 うーん、ここだけ見れば可愛いただの女の子なんだがな。やってることがやば過ぎてそんな風に見れないな。


「お、おい。い、今俺たちのことを食べるって言ったか?」


 会話が盗賊にも聞かれていたようで若干引き気味になりながら問いかけてくる。


「あー、そうだな。良かったな?可愛い女の子に食べられながら死ねるなんて」

「じょ、冗談じゃねぇ。おい、やるぞ!」


 その合図を皮切りに、4人の盗賊が一斉に攻撃を始める。


「【ファイアボール】!」

「【属性付与:火】・・・シッ!」


 盗賊のパーティーは射手、魔術師、短剣使い、盾使いと非常にバランスの取れたパーティになっている。


「よっ」


 遠距離攻撃は俺が受け止め、近距離攻撃はエナに任せることにした俺はその二つの攻撃を体で受ける。


「なんだ?お前ら、さては全然攻撃力がないな?こんな攻撃いくらでも喰らってられるが?」


 そう、これらの攻撃を喰らっても俺の体力は300ほどしか減っていない。今までのモンスターと比べると全然強くないのだ。


「「なっ!?」」


 俺に攻撃を当てて、死んだと思っていたのか、生きている俺を見て盗賊はギョッとした顔を浮かべる。


「くそっ、【ファイアランス】!」

「【アローレイン】!」


 そして焦ったのか、自分のHPも確認せず、次の攻撃に移る。今まではそれでなんとかなったかもしれないが、俺に対してそれは悪手だ。


 俺の読みだとこいつらは遠距離攻撃部隊だからHPにそんなに振っていない。だからこの攻撃を喰らえばこいつらは死ぬだろう。


「じゃあな」


 そう呟いて、俺はその攻撃を真から受ける。


 ドン!ドドド!


 土埃が晴れると、俺の予想通り不思議な顔をしながら死んでいる盗賊たちの姿があった。


 一人はプレイヤーだったらしく、光となって消えていくが、もう一人はNPCで死体として残った。


 人間を初めて殺したが、これは所詮ゲームなので特に何も思うことはない。精々反射ダメージで人を殺したら、こんなに綺麗に形が残るんだな、と思ったくらいだ。


「ぎゃあああ!」


 と、俺の戦闘が終わった時にエナが戦闘をしていた場所から叫び声が聞こえてきた。

Q.ジンはなぜ防御力には降らないの?

A.防御力が減ると受けるダメージが減って必然的に攻撃力も下がるから。


Q.AGIが0だと空気が粘着質になったりしないの?

A.空気が粘着質になったり、重力が強くなったりして無理やり遅くするのではなく、体が動きにくくなります。全体的にスローモーションがかかっているような感じです。


 ちなみに意思疎通が取れないから、喋る口の動きは変わりません。

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