バトルチュートリアル
「ステータスは確認したね。じゃあバトルチュートリアルをはじめるよ。まず最初は攻撃して来ないスライムを倒してね」
「え、攻撃して来ないって」
「うん、攻撃して来ないよ」
は?いやいやいやいや俺武器持ってないし、ステータスも貧弱なんだけど・・・
「え、あっ(察し)」
「・・・・・・・・・・」
「えっと、とりあえず殴ってみたらどう?」
はっ、たしかにその手があったか。とりあえず殴ってみる。ポインッ。スライムの身体は弾力があり、俺のパンチを弾き返した。なんか音からしてダメージを与えてない気がする。俺が恐る恐るスライムのHPバーを確認すると、やはりというかなんというか0ダメージであった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
いや、もしかしたら連打すればダメージを与えられるかもしれない。とりあえず10発殴ってみよう。
ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ ポインッ
ポインッ
よし、10発殴ったぞ。HPバーは・・・全く減ってない・・・・
「えと、これ攻撃できるようにはならないの?」
「無理だね。これはあくまでチュートリアルだから設定の変更はできないね。キャラ作り直す?」
いや、これでキャラ作り直したらなんか負けな気がするから、このまま頑張ろう。
「キャラは作り直さないよ」
「え、そうなの?じゃあ頑張ってね」
とりあえず今から15分程殴りつづけてみよう。
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
あれから15分たった。俺はその間ずっと殴りつづけていた。だというのにこいつのHPバーは全く進んでいない。クソッ。やっぱり無理なのか・・・
ピロンッ
ん、何の音だ?
《称号【不屈の精神】を獲得しました》
なんだ?頭のなかに直接声が響いて来るぞ。
「ああ、それはアナウンスだよ。チュートリアルで称号を獲得するなんて珍しいね」
称号?なんだそれは
「称号はある一定の条件を満たせば入手できる補助機能みたいなものだよ」
えっと、とりあえずステータスを確認するか、ステータス
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名前:ジン
種族:人間
職業:タンク
レベル:1
ステータス
HP110(+30)(+33{30%})→173/173
MP0
以下5つ(STR,VIT,AGI,DEX,LUCK)すべて0
ステータスポイント:0
スキルポイント:0
スキル:【反射Lv1】【HP強化Lv1】【HP自動回復Lv1】
称号:【不屈の精神】
装備:【初心者セット】【HP回復の指輪】
HP毎分回復量:10%
最大反射率:4.5%
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あ、なんか称号っていう部分が追加されてる。詳細は
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称号名:不屈の精神
能力:自身のステータスのうち、3つ以上が相手のステータスより低ければ相手に対して与えるダメージ+50%
取得条件:15分間自身より格上の敵と戦う
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おー、これはめっちゃ俺と相性がいいな。しかも反射ダメージもあがるのか。最強か?いや、今はそこじゃないんだ。これでスライムにダメージを与えれるかどうかを確認しないとパンチッ
ポインッ
音は変わっていないな。さて気になるHPは・・・・・おお~、1/100ぐらい削れてるぞ~。あ、回復した。クソッ、回復持ちか。でもこれで希望が見えたぞ。とにかくラッシュだ!!
「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
あれからどれだけ時間が経っただろうか。2時間位だろうか。この戦いもそろそろ終わりが近づいている。相手のスライムは1分間あたり5%回復で、俺の攻撃は1分間あたり6%のダメージだった。そして相手のスライムの残り体力はおよそ1/100だ。この1発で終わらせる!
パンチッ
パリンッ
倒したあああああぁぁぁ!
ピロリンッ、ピロンッ、ピロンッ
あ、この音は・・・・・
《レベルが上がりました》
《スキル【パンチLv1】を獲得しました》
《称号【強きを討ち取りし者】を獲得しました》
うおお!なんかいろいろ獲得したぞ。ステータスポイントはHPに振って、パンチはいらないからスキルポイントに変換してっと、よし、ステータス
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名前:ジン
種族:人間
職業:タンク
レベル:1→2
ステータス
HP110→115(+30)(+34{30%})→179/179
MP0
以下5つ(STR,VIT,AGI,DEX,LUCK)すべて0
ステータスポイント:0
スキルポイント:10
スキル:【反射Lv1】【HP強化Lv1】【HP自動回復Lv1】
称号:【不屈の精神】【強きを討ち取りし者】
装備:【初心者セット】【HP回復の指輪】
HP毎分回復量:10%
最大反射率6%
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今回新しく増えたのは、
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スキル名:パンチ
レベル:1
能力:パンチによる攻撃の時、STRに10%補正
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称号名:強きを討ち取りし者
能力: 自身のステータスのうち、3つ以上が相手のステータスより低ければ相手に対して与えるダメージ+50%
取得条件:格上の敵を倒す
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だった。パンチは極振りでは使えないからスキルポイント5になってもらった。強きを討ち取りし者は不屈の精神と同じ能力で反射率が2倍になった。
「おめでとう~。次は攻撃して来るスライムだよ~」
ナビさんがまたスライムをだしてきた
「今回のは攻撃して来るから気をつけてね~」
スライムは俺を見るとすぐに突っ込んできた
「ごふっ」
うぐ、クリティカルヒットしたみたいだ。いたい。ステータスを確認すると30ダメージ喰らっていた。相手のHPバーは2割行かないぐらい削れている。このことから、スライムの最大体力はだいたい10くらいだとわかった。俺、10ダメージ与えるのに2時間もかけてたのか・・・・・その後もスライムの突進をくらい続け、スライムは反射で倒せた。
パリンッ
あっけなかったが今の俺の体力は瀕死なのでこのプレイスタイルはけっこうやばいかも知れない。今回はアナウンスはなかった。
「それじゃあチュートリアルは終わりだから始まりの町に行ってね~」
すると目の前に大きな扉が現れた。俺はそれを開け、入った。そうしたら俺は光の渦に包まれ次には町の噴水の前にいた。
大変長らくお待たせいたしました次回から本編に入ります。第一の苦難がやって来ましたね・・・。それでは、また次回でお会いしましょう。