いざ、東へ
砂漠に行くことに決めた俺はできるだけの暑さ対策と水を買い込んで、砂漠に来ていた。
「東にずっと進んでたら急に砂漠になるってすごいな。やっぱりゲームだ」
移動中は普通の森だったのだが、ある一点を超えると砂漠に変わったのだ。実際今も後ろを見ると砂漠ではなく、森が広がっている。そして、水平線まで続いているのではないかと錯覚するような果てしない広さの砂漠。当然、太陽が照り付けていて、非常に暑い。
俺はこの時のために買っていた、暑さ対策に優れたアクセサリーを装着した。すると、さっきまで真夏の猛暑に匹敵するような暑さを感じていたのが、少し汗ばむくらいの心地よい暑さに変わった。
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アクセサリー名:冷熱のルーン
階級:中級
説明:ルーンという、どこの装備にも属さず、一枠しかないスロットに装着することで効果を発揮するアクセサリー。装着することで感じる暑さを軽減する。効果はルーンの中ではかなり弱い。ただ、それでもかなりの値段がするので、初心者が手を出すなら、かなりの貯蓄が必要となる。
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俺は砂漠をもう一度一望する。パッと見た感じ、空にはいくつかの影が見えるが、地面には魔物がうろついている様子がない。どこかに隠れているのだろうか?それともポップ条件を満たしていないんだろうか?
そう思いながら、俺は砂漠を進んでいく。・・・当然極振りなので、非常にゆっくりだが。
ゴゴゴゴゴゴゴ
数分歩いていたら、急に目の前の砂が盛り上がり始めた。俺は完全に油断していたので、少しバランスを崩してしまい、こけてしまった。
「いてて・・・」
俺が起き上がって、盛り上がった場所を見るとそこにはサソリのような魔物がいた。
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モンスター名:サンドスコルピオ
HP:100/100
説明:砂漠に住む3mほどの大きさのサソリのような魔物。しかし、暑さにそこまで強くないので普段は砂の中で過ごしている。狩りは基本的に待ち伏せ型で、近くを通りかかった動物や魔物を襲う。そのため、旅人の中では恐れられている魔物。その針には猛毒があり、刺されると基本的には死に至る。
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俺はその説明を軽く見て、針だけは喰らってはいけないということを頭に入れた。
「キシャァァァァ!」
先手を取ったのはサンドスコルピオだった。その大きなハサミで俺を捕らえようと、かなりの速さでこちらに突っ込んでくる。
俺はこれを避けたいと思いつつも避ける術がないので、真正面から受け止める。
ドンッ
軽く吹き飛ばされると思ったものの、サンドスコルピオは衝撃をハサミでしっかりとカバーし、獲物を離さないようにする。側から見ると人間の少年がサンドスコルピオに抱きつかれているような感じだ。
そして、目の前にロックした獲物をその大きなハサミで捕まえ、毒針で刺そうとしたその時、
「【自爆】」
俺はスキルを起動。最初の突進で少しダメージを食らったもののまだ余裕はあるので400HPを消費して、半径5mほどの爆発を起こす。
「キシャッ!?」
サンドスコルピオは驚いて、俺から離れようとするものの、間に合わず爆発に巻き込まれた。当然爆心地に非常に近いため、受けるダメージも相当になり、死亡。素材を残して消えてしまった。
《レベルが上がりました》
お、レベルが上がった。そういえば職業進化してから初めての戦闘だったな。不本意ながら、Mになってしまったのだ。俺は決してMじゃないというのに。
レベルは1から3に増えていた。職業進化をした後は必要経験値も上がるのか少し上がりにくく感じる。とりあえずステータスポイントはHPに振って、ポーションを飲みながらまた砂漠を歩き始める。
そうして歩いていると、また、砂が盛り上がり始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴ
またサンドスコーピンか?と思いながらそこを見るとそこにはミミズのような魔物がいた。でかい。5mくらいは余裕でありそうだ。
・・・見る人が見たら失神するぞこれ。めちゃくちゃリアルにうねうねしてるじゃねえか。正直に言ってきもい。ここまでリアルを求めなくてもいいだろうに。
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モンスター名:サンドワーム
HP:75/75
説明:とても大きなミミズのような魔物。一見ただ気持ち悪いだけの生物に見えるが、この砂漠の生態系を守るのに貢献している。夜行性で、昼間は砂の中に住む微生物や虫などを食べ、夜は外に出て少し大きな虫や魔物を食べて育ち、大きな魔物の餌となる。そのため、大きさの割に強くはなく、臆病な性格なので昼間は餌として見た生物の前以外に滅多に出てこない。しかし、その肉のおいしさは格別であり、奇食家に愛されている。
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そのミミズのような魔物は、口周りにギザギザの牙が生えていて何やら、その口をもごもごと動かしている。八目鰻のような口だ。かなりきもい。
「【自爆】」
今回は流石に気持ち悪いのでさっさと終わらせるべく自爆を起動。HPを300ほど消費して爆発させる。
サンドワームは驚いたように砂の中に逃げようとするが、間に合わず。爆発に巻き込まれて死亡した。素材はサンドワームの肉と牙だった。正直、いくら美味しくても食べる気にはならない。
【八目鰻】
・ウナギのような細長い体で、丸い吸盤状の口をもち、周りにたくさんの歯がある。
・あごがなく、原始的な魚の仲間の一つである。
・目が7つあるように見えることから「八目」(実際は目+えら穴)と呼ばれる。
・種類によっては魚に吸いついて栄養をとる。
・川や海にすみ、日本にも生息している。
カタツムリの歯などが苦手な人や集合体恐怖症の人は調べないことをお勧めします。
今回の戦闘ではレベルは上がらなかった。だが、自爆の有用性がよくわかった。前までの自分だとあの大量の歯に噛み砕かれないとダメージを与えられなかったと思うとゾッとする。
そして、俺はまたさらに砂漠の奥地へと移動していった・・・
Q.極振りの人は街での移動も遅いの?
A.ステータスが反映されるのはバトルフィールドのみです。街などのNPCがいる場所では、アバターにあった速度になります。




