表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

僕と王様ゲーム①

約一年半ぶりの執筆ですので、色々拙い箇所もあるかもしれませんが、その点についてはご了承ください。

「まー君。王様ゲームやらない?」


「は?」




 僕の自慢の幼馴染であるところの木葉咲夜のいきなりの意味不明な発言。きっとこの時の僕の顔を鏡で見たら強張った表情をしているに違いない。




「だから王様ゲームだよ。王様ゲーム。もしかしてマー君王様ゲーム知らない?」


「いや、知っってはいるけど勿論。あれだろ。王様ゲームって言ったら合コンでよくやる番号の書かれたくじと王様の王冠が書かれたくじを引いて、その中の王様を引いたものが指定の番号の人間に好きな命令をできる頭の悪いゲームだろ?」


「確かにそうだけど……なんかその言い方はちょっと違うと思う」


「というと?」


「私が思うに、王様ゲームっていうのは自分の気になる人に合法的に命令できる魅惑のゲームだと思うの」


「いや、まあ確かに合法的に命令はできるけどもそれはあくまで自分が王様になった場合なわけで、しかも王様になっても命令できる人間は名前じゃなくて番号だからそんな都合よく命令はできないだろ……」


「それは……そうだけど……でも私はやりたいんだもん」


「そうは言うけど、そもそもあれって二人でやるゲームじゃないじゃないか」


「あ、その点については大丈夫」


「え、なんでさ」


「だってもう呼んじゃったから」


「は?」




 そう言って我が部屋の扉から現れたのは、ドヤ顔の表情で仁王立ちをしている江中敦とその隣でジト目をしている赤坂朱音がたっていた。




「い、いつの間に……」


「ん? 俺達が付いたのは今さっきだぞ。なあ赤坂」


「はぁ……本当。どうして来ちゃったのかしら」


「え、ええと二人はなんで呼ばれたのか知っているのか?」


「ん? いや、俺は何も知らん。ただ木葉さんから雅也が困ってるって連絡が来たから来ただけだぞ」


「私は咲夜に来ないと秘密をばらすって言われたから渋々……」


「お、おう。そうか。なんかごめんな。咲夜が迷惑をかけたみたいで……」


「別に気にしなくていいぞ。俺としてはむしろお前が困っていなくて安心したぜ」




 え、何? 敦ってこんなキャラだったっけ? 何かめっちゃ綺麗になってない? え、キモ。




「本当。困っちゃうわよね。木葉さんの奇行には」


「いや、ちょっと待ってください。何ナチュラルに腕を絡めているんですか先・輩・」


「え? 何か可笑しなところあったかしら?」


「可笑しなところだけだは‼ てか咲夜、待て。怖い。目が怖い」


「うふふふふふふふ……」




 怖い怖い怖い怖い。咲夜さん目が、目がマジで笑ってない。




「キャーコワイー雅也君タスケテー」




 凄まじいまでの棒読みである。




「うふふふふふふふふ……」




 ヤバい。咲夜がそろそろ限界を超えそうだ。 




 僕はそう判断すると先輩を無理やり引き離した。その時先輩が名残惜しそうな顔をしたが、これ以上してもむしろ僕に嫌われるだけと判断したのか、無理に縋るようなことはしてこなかった。




「と、とりあえず咲夜の要望通り王様ゲームをしよ。な? それで機嫌直してくれ?」


「むぅ……しょうがないな」




 そう言いつつ先輩が抱き着いていた腕の方に、自分の腕を組ませ、尚且つ体を先輩以上に密着させてくるあたり余程嫌だったのだろうということが嫌でもわかってしまい、苦笑を禁じえなかった。




「てか雅也」


「なんだ。王様ゲームってどういう事?」


「ああ、それは……」


「咲夜が雅也とやりたいからその人数合わせであたしたちは呼ばれたのよ」


「そういう事。てか朱音。もしかして機嫌悪い?」


「別に‼」




 そういう割に語気は明らかに強いし、表情もなんだか怒っている様にも見て取れる。実際今の朱音の視線は着た時とは打って変わって、今にも人を殺してしまいそうな程鋭い眼光をしている。




「雅也君。雅也君」


「はい、はい。なんでしょう」


「ひとまず朱音の事は放っておいて早くやろう?」


「咲夜はそれでいいのか……」


「いいの。今はこれが正解だから」


「お、おう」




 何かを理解をしているような咲夜のその言葉に僕はこれ以上の追及はできず、こうしてゲームは始まったのであった。

 そのゲームがあんな悲惨な末路を辿るとも知らずに……

 続きはまだ書いていないので、いつになるかはわかりませんが、近日中には出す予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ