何で俺のステータスはそこそこなんだ。
サチコさんが門番に話しかけに行ってくれた。
「ちょっと門番さん。いいかしら?」
門番もサチコさんの姿に警戒心を露わにする。
そりゃそうだよな…
サチコさん中身はイケメンだけど、見た目がアレだし…
~5分後~
「ガッハッハ。そうなのかそれでここにか…」
~10分後~
「なるほどな。そう言う事なら困ったら俺に言ってくれ!俺にできる事なら協力してくれ!」
~15分後~
「それでな…最近娘がパパ臭いって…」
どんだけ打ち解けてんの!?!?
っていうか最早お悩み相談まで始まったぞ!?
サチコさんの会話テクニック凄すぎだろ!?
「タロー君。入っていいそうよ。あと、私達以外にも急にここに連れてこられている人がいるみたいよ。」
「サチコさんの会話力凄いっすね。」
「そうねぇ。私も連れてこられる前はお店を経営していたからね。」
いや、それにしても凄すぎだろ!?
っというかサチコさん店長さんだったんだ。
どんな店かは大体想像つくから触れないでおこう…
「それでね、私達みたいな人ってギルドってところで冒険者になって、ギルドカードっていう身分証明書を発行するそうなのよ。」
来た!ギルド!
冒険者の集い場、ギルド!
「じゃあ、行きましょう!」
「荒くれ者もいるらしいから注意しましょ。」
サチコさんはやっぱ万能だ~。
下手すりゃ青い猫型ロボットよりも万能じゃないか?
俺達はギルドに向かった。
「ここがギルドのようね。」
「うわ~すげ~。本物だ…。」
アレだな。
ここで凄いステータスを叩き出して期待の新人って言われるやつだな!
やっと俺が主人公始めるのか…!
「じゃあさっさとギルドカードを発行してもらいましょう。」
「そっすね!」
俺達は受付に向かう。
サチコさんは冒険者達の中でもサチコさんは人一倍目立つ。
まあ、そりゃそうだろうな…
「ちょっとお姉さん。いいかしら?」
「は、はい…ギルドへようこそ…えっと…冒険者登録でしょうか…?」
サチコさんの雰囲気に受付さんもビビっているぞ…
「そうよ。私とそっちの子の登録をお願いするわ。」
「は、はぁ…それじゃこの水晶に手を触れてください。この水晶に触れると体内の魔力を基にステータスを鑑定し、ギルドカードを作成する事ができます。」
待ってました!ステータス!
「では、どうぞ。」
「じゃあ遠慮なくさせてもらうわ。」
すると水晶が黒く染まる。
なんか凄い真っ黒だなぁ…
すると、受付さんが驚愕の表情をする。
「く、黒くなった!?そんな馬鹿な!?一流冒険者と同格の強さですよ!?」
流石はサチコさん。
もう驚かないぞー。
「筋力と魔力…共にAクラス…貴方は一体何者ですか…!?」
「ただのお姉さんよ。じゃあ次はタロー君の番ね。」
「そっすね。」
そうだ…
異世界ものではここで凄いステータスを出す。
サチコさんを超える凄いステータスを出す可能性も…
「青ですね。そこそこですね。まあまあ凄い冒険者になれますよ。おめでとうございます。っふ…」
まあまあってなんだよ!!!
しかも結構いいステータスなんだろこれ!?
あとお前今ぷって笑っただろ!!!
サチコさんの後だとまったく嬉しくねえ!!!!!
「では、これがギルドカードになります。発行料は今後のクエストのクリア報酬から引かれていくのでご了承ください。」
なんか肩透かし感がハンパないんですけど…
とりあえずステータスを見ることにする。
「えっと…スキルは【鑑定】か…」
ん?【鑑定】?
これってもしかして!
凄い力を秘めている的なアレじゃねえか!
ラノベであったぞ!
鑑定した相手の力に干渉出来る的な!
「タロー君。これって凄いのかしら…?」
サチコさんがギルドカードを見せてくる。
「スキル…【覇王】…」
覇王ってなに!?
めちゃくちゃ強そうなんですけど!?
「えっと…物凄く強くなったり、相手を鑑定したり出来る能力みたいね。」
鑑定っておまけの1つかよ!!!
マジかよ!!!
期待返せよ!!!
と、とにかく今日はもう寝よう。
寝て起きたら夢オチの可能性もあるからな…
ギルドのお姉さん曰く、田舎から出てきたばかりで泊まる宿がない冒険者は割といるらしい。
とゆうことでギルドは登録した日の夜は2階の宿に泊まらせてくれるみたいだ。
もちろん代金は今後のクエストのクリア報酬から天引きされる。
「じゃあタロー君。今日のところはもう寝ましょう。外ももう日が沈んでいるしね。」
「そっすね。」
俺はギルドの2階の宿の1室に入る。
綺麗とは言えないが、汚いとまでは言えない部屋のベットに寝転がる。
昨日から色々あった…
温かい風呂に入りたいなぁ…
森にいるときに川の水で汚れを落としたが、日本人として湯船に浸かりたい…
異世界チートがなんで俺にはないんだ…
もう日本に…我が家に帰りたい…