何で俺は此処に居るんだ。
感想など、よろしくお願いします。
「あ~。平和だな~。」
俺は全裸で筋トレをしている剣士の馬鹿と、魔法使いの癖に魔法の詠唱を覚えれない馬鹿を見ながら呟く。
「タロー!今ので1000回だ!よし!筋肉も喜んでるぜ!ハッハッハ!」
「おう。凄いな。」
こいつはシグル。馬鹿で変態である。
ちなみに俺は男の裸なんて見ても嬉しくない。
「タローさん!フレアの詠唱を噛まずに言えました!褒めてください!」
「おう。凄いな。」
この子はララ。馬鹿で可愛らしい子である。
初級魔法を噛む奴なんてこの子くらいだけど、この子は可愛いから許していいか。
「本当に~。平和だナァ!」
ドゴゴーーーー!!!!
なんだなんだ?
街の外れからなんか凄え爆発音が聞こえたぞ!!!
面倒事の予感だ…
絶対に行ってはいけない。
「ふむ…人が集まっているであろう場所…俺の筋肉を見せつけるには丁度いいか…」
「おいまて。筋肉馬鹿。何故お前は出かけようとしてるんだ?」
「ふっ。言わずとも分かれ。」
知るかーーー!!!
「タ、タローさんっ…!」
おい…ララさん…。なんだ…?そのウルウルとさせた目は…やめろ…やめろ…
気付いたら武装を整えてました…
爆発音があった方向へ行ってみると、
そこでは武装した騎士、冒険者と女魔族が戦っていて冒険者のじゃじゃ馬が出来ていた。
そこには見知ったオネエ系おじさんがいたので何があったか聞いてみる。
「サチコさん。何があったんだ?」
「アラっ。タロー君。実はね、魔族がこの街に攻めてきたそうなのよ。それも1人でね。」
すると筋肉馬鹿のシグルが隣にいた。
「ふむ…魔族か…魔族にはまだ筋肉の感想をもらった事がない!早速筋肉を見せつけに!」
気付いたら馬鹿の股間を蹴り上げてK.O.させていた。
「馬鹿だろお前!あの戦いには首を突っ込まずにじゃじゃ馬の1人になるのが最善だろ!」
「タ、タローさん!アレ!」
「ん?」
ララが指を指した方を見ると、どうやら女魔族が騎士と冒険者数人をまとめて倒したようだ…
「ふむ。今こそ絶好のチャンスだ!」
一瞬で復活した筋肉馬鹿は女魔族の前へ行く。
あんの馬鹿ーーーー!!!
「ほう…貴様が次の相手か…さっきの奴らは骨がなかったからなぁ…お前は私を楽しませる事ができるものか…?」
「ふっ…俺なら君を楽しませる事ができるよ…確実にね…」
「ほう…」と女魔族は言い、剣を構える。
嫌な予感しかしねぇ…
「我が筋肉美をその目に焼き付けろ!サンシャインマッスル!!!」
そう言って着ていた服を脱着する。
「な、な、な!」
女魔族は顔を真っ赤にする。
やると思ったよ馬鹿タレ!
やばい!アイツは今全裸だ!武器がないって宣言してるようなもんじゃねえか!
早く助けに…
「な、な、な!裸を見せるなど、貴様は恥ずかしくないのか!!!」
なんか説教が始まったんだが…
「ふむ。俺は裸を見せつけることに抵抗はないな。むしろ清々しい。」
こいつはブレない変態だな。
「~!お、覚えておけ!父上に言いつけてやるーーー!!!そこのお前もな!」
え!?俺も!?
女魔族は背中から翅を出し、空へと消えた。
「ふむ…」
「お?どうした?珍しく自分の行為の愚かさを恥じる気になったか?」
筋肉馬鹿は首を左右に振る。
「俺の筋肉の感想を聞きそびれた…」
こいつはどこまでも馬鹿で変態だった。
「馬鹿のせいで疲れた…ギルドの酒場にでも行くか…」
するとララに服の袖を掴まれる。
「ん?どした?」
「タローさん。あの魔族の女の人って多分魔王の娘ですね。」
そっか~。さて、酒で…モ!?
「おいララ!なんつった!?」
「あの人は魔王の娘ですね。」
はー!?
「どこ情報だよそれ!?」
「賞金首リストの一つの魔族幹部の枠で見たことあります。確かその紙を鞄に入れてた気が…」
ララは鞄をゴソゴソといじる。
「ありました!これです!」
ララに渡された紙を見てみる。
「まんまさっきの女魔族じゃねえか!え、まって!?俺魔王に言いつけられるの!?何もしてないのに!?」
とりあえず筋肉馬鹿にも伝えなくては。
「おい!筋肉馬鹿!あの魔族って魔王の娘らしいぞ!やべえ…魔界で指名手配されかねんぞ!」
「タロー。お前はひとつ勘違いしている。」
筋肉馬鹿の言葉を聞くことにする。
「なんだよ…言ってみろよ。」
「俺は彼女が魔王の娘と分かっていて筋肉を見せつけに行った。」
分かってねえのはオメエだろ!!!
あーーーー!!!
なんでこうなった!!!
そもそも何で俺は此処にいるんだ!!!
半年前まで楽しくオタクライフをエンジョイしてた筈なのに!!!
「タローさん。タローさん。他にも情報ありました!魔王は娘を溺愛してるそうです!」
ぬおーーー!!!知りたくなかった情報だーーー!!!
何でこうなった!?
何で俺はそもそも異世界にいるんだーーー!!!
俺が不幸になったきっかけ。
それは半年前に遡る…
次話からは回想です。
5万字くらいのちょっと長い回想です。