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空白のエクソドス  作者: 葛城透
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ー巣 玄関前広間 AM5時ー

朝の澄んだ空気が体に染みる。


「さて、行きますかね」


長身の数馬でも大きく感じる程のリュックを背負いながら、眠そうな2人に声を掛ける。


からすのメンテは終わっております。リーダー」


千尋は敬礼して見せる。


「ついに森の中に行くんだね。絶対、かい様を助け出す!」


両手を握りしめ、染は気合を入れる。


そめるちゃん!」


聞きなれた声が聞こえる。


しのぶ!?」


「あれ……君は、花摘みの……よくそめるといるところを見掛けるよ」


「数馬様…僕の事ご存じだったんですね」


しのぶは伏し目がちに笑った。

ふと、(そめるの後ろで荷物をかついでいる千尋に視線を向ける。


貴方あなたは……戦闘員せんとういんの方ですか」


「え……ああ。そうだけども……」


「僕は君を知っています。そめるさんの幼馴染おさななじみさんでしたっけ?」


「そうだよー! で、しのぶはこんなに朝早くからどうしたの?」



「……僕も、連れて行ってください」


「……えっ……」


そめるちゃんびっくりさせてごめんね。僕は起動ムーブは使えないけど……」


しのぶは、右手を前に差し出し

魔獣来光まじゅうらいこう

と唱えた。


右手根化指の黄色の指輪が光を放ち、森の方から、大人2人分くらいの大きさの緑の目をした鳥のような生き物が忍の前に降り立つ。


幻獣げんじゅうを呼び出すことができます」

 

3人とも目の前の幻獣を見て唖然とする。


幻獣とは、警戒心が強く人前に滅多に姿を現さない。

皆、幻獣を見るのは初めてで、その神聖さに圧倒されていた。


「幻獣は人に懐かないと聞いていたのに自由に呼び寄せられるのは凄いな」


数馬は関心した表情だ。


「人前でこれを見せるのは初めてです……あまり知られたくないので」


「そんな危険をおかしてまで……確かに憎獣のとの戦闘は未知数だから幻獣の助けはとても助かる」


「数馬様にそう言っていただけるのは、光栄です」


「千尋と染はどう思う?」


「……いいんじゃないかな。戦力は多い方がいいし」


出発の準備を終えた千尋は、ぶっきらぼうに答える。


「染はどう思う?」


「………………」


染は黙り込む。


「染ちゃん、僕頑張るよ」


「……忍はもう決めたんだね……」


「じゃあ出発だな」


空には雲一つなく澄んだ青空が広がる。


4人の後ろ姿がどんどん遠くなっていく。


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