表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空白のエクソドス  作者: 葛城透
15/18

15


海様がいなくなった。

最近人が憎獣化したり物騒な事件が多い。

何かしらの事が起こってもおかしくない。

戦士の千尋が戦場に行くのも時間の問題だと感じていた。


「千尋……」


広間で朝礼を待っていると数馬が壇上に上がり話し始めた。


「海様が憎獣に!?」


想像できない事態に、胸が痛くなる。


「……もし俺たちと一緒に来てくれる方がいたら、この後残ってください」


そめる起動ムーブを使える。

千尋や数馬と違い、そめるは防御や回復の魔法を主としている。

攻撃は、そめるの戦闘機から繰り出される銃弾が、メインだ。


(私が一緒について行って、千尋の足を引っ張ることにならないかな……)


彼の力になりたい。でも、自分の存在がお荷物にはなりたくない。


「千尋と話したい」


そめるうつむいていた顔を上げて千尋の部屋へ向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ドアを叩く音が響く


千尋ちひろ。私、そめる


ドアを開くスイッチを押すとドアが開く。


そめる。遅くにどうした。今、夜は巣の中でも危険だ。部屋が1番安心だから部屋にいてくれ」


意外な訪問者に目を見開いた。


「わっ私も、海様を助けに行きたい」


そめるの魔法は戦闘向きじゃやない。回復の薬屋食料は十分に用意するつもりだ」


「でもっ」


「もう遅いから……部屋まで送るよ」


背中を押され部屋から出される。


「だから聞けって!!!!」


そめるは、大声を出し千尋の胸倉を掴んだ。目の前には緋色の瞳。


「私はっ、千尋の事が心配なんだよ! いつも私に何も言ってくれない。今、一緒に行かなければ千尋がいなくなってしまう気がして……」


いつも引き下がってきた。そのたびに千尋の安否が気になり眠れなかった。

千尋の戦闘のときは、なるべくそめるも出動していた。


「私、千尋だけは死なせたくない! 死なせない! 」


「……今回の敵は予想不能だ。そめるのことも守れるかわからない」


「私が千尋を守る。」


緋色の瞳に真っ直ぐに見つめられて吸い込まれそうになる。


「今回憎獣の核心に触れられる可能性もある。そしたらあかりさんの手がかりも見つかるかも」


「…………無理は、するなよ」


そめるの固い決意に、千尋は身をゆだねることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ