表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空白のエクソドス  作者: 葛城透
1/18

1


ST200年。


ここは、惑星CR53にある、せいという国。

自然が多く、暮らしやすい穏やかな国だった。


この国には、二つの組織があり、その組織は100年前から対立していた。


夜叉やしゃぬえ

この二大組織が人々の生活に大きく影響していたのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


風の音だけが聞こえる。

晴れた日に、原っぱで寝ることが好きだ。


何も考えずに風の音だけを聞けるからだ。

肩にかかるくらいの麦色の髪と空色の瞳。


彼の名は、千尋ちひろ

千尋の耳元で、機械が音をたてる


「……おい!ちーちゃん! サボってんじゃないだろうな?」


「……はいはーい……サボってないですよ……」


気怠そうに答え、通信を切る。

千尋はまた、再度目を閉じようとした。


「ちーーー、ひーーー、ろーーーくーん!」


空から声が聞こえた。


純白…だったが、今は薄汚れた、小型戦闘機に彼女は乗っていた。

凛とした声、長い漆黒の髪に芯の強い緋色の瞳。


彼女の名は、そめる


「なーにサボってるんだよー! 働け! 働けー!」


そう言いながら、そめるは去っていった。


「うーん……みんな俺の眠りを邪魔するのか……」


千尋は、大きく伸びをすると、おもむろに頭の上にあげていたゴーグルを装着した。


「これをつけるとシャッキッとする……」


千尋が歩きだそうとした、そのときだ。


ドバババババババババババ!


耳を切り裂く爆音と共に,上から光の弾が降ってきた。


「んー戦闘開始のようだね……でも、やる気の出ない相手っぽいけど」


「ちひろおおおおおおおおおお!」


桜色のウエーブのかかった肩までの髪。

藍色の瞳は意思の強さを感じさせる。彼女は、髪の色と同じ桜色の戦闘機に乗っていた。


はな。ごっこ遊びは終わりにしよう。いつもいつも俺のこと狙ってるけど、実は、俺のこと好きなのか?」


「ち、違うわ! 馬鹿者! お前のことは、はな兄様あにさまうとましいと思っているわ!」


「怪我しないとわからないみたいだから……」


千尋はゴーグルの右横にあるスイッチを押す。

衝撃音と共に黒い小型戦闘機が出現した。


その姿、まるでからす


「悪いけど俺、死ぬ気ないから」


千尋は、からすに飛び乗った。


舞桜まいざくら!」


桜の花びらのような刃が千尋めがけて牙をく。


「ブラックシールド」


からすの周りに黒いバリアが張られる。

無数の刃を全て跳ね返す


小癪こしゃくな!!」


「華。お前はまだ甘いよ。黒水こくすい!」


黒い水が、華の戦闘機を取り囲む。


「わっ!なんだこれは!! 得体の知れない技!」


「その水に囲まれると、相手の動きを止める」


「くっっっっ。ふざけるな!また新たな魔術か!! 兄様あにさまにご報告せっ、せねばばば。」


華はそう言い残すとをしてその場を去った。


「ほんっと。落ち着かねーよなー……」


千尋は、華の残像を見送った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ