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遭遇  作者: 山本ひろし
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第八話 再会

第八話  再会



あれから、数分は経ったような気がする。正太は裏山から離れた駐車場の中の一台の車の後ろに隠れていた。全力でここまで走ってきたため、体力がもう限界だった。だいぶ、遠くまで走ったと正太は思った。



暫く辺りを見渡して、誰もいないことを確認するとホッと安心した。いつまでも、ここ(車の後ろ)にいるわけにはいかないとは思ってはいるけど、今はここでじっとしていたい気分だ。すると、辺りから足音が聞こえてきて、正太はたちまち恐怖に陥った。恐る恐る車の後ろから覗いてみると、どこかで見たような顔をした人がそこにいた。高身長で、髭の長い男だ。正太は気になり、その男の後を追った。暫くして、その男が裏山の方へ向かっているのが分かった。正太は、追うのをやめようと思ったが、なぜかそのまま、男を追ってしまっていた。裏山に着き、正太は近くに「化け物」がいないか、確認した。そしていないことが分かり、裏山に入っていったその男を再び追い始めた。



どんどん奥へと、その男は進んで行く。正太は不安で仕方なかった。この男も円盤を知っているのか?と正太は思った。すると、円盤が前の方に見えてきた。そして、その男はそのまま円盤の穴の空いたところから中へ入って行った。正太はそれを見て驚いた。あの男は、まるで自分の家に帰るようにして円盤の中へ姿を消したからだ。正太は、大きな木の後ろに隠れてその男が出てくるのを待った。



数分後、男は出てきた。目が合わないように正太は、はみ出ていた顔を木の後ろへ隠した。そして、もう一回顔の半分だけ出すようにして、円盤の方を見た。すると、正太は次の瞬間目を丸くして驚いた。なんと、円盤から出てきたその男と、「化け物」が一緒にいるのだ。しかも、「化け物」は襲いかかっているわけではなく、大人しいのだ。正太は目を凝らした。でもあれは「化け物」で、襲おうとはしていない。そして、あまりにも驚き過ぎていたため隠れていることを忘れていた正太は、自分が木の後ろから顔を思いっきり出していることに気が付き、すぐさま隠したが、もう遅かった。「化け物」が、こっちに突進してくるのが見えた。正太は慌てて走り出した。



勢いよく、山道をかけ降りていった。「もうすぐで、出口だ、、。」「もうすぐだ、、。」正太は独り言を言いながら、全速力で走っていた。しかし、もうすぐで「化け物」の手が正太の肩を掴もうとしていた。目からは涙が出てきて、「もう、だめだ、、。」と正太は走りながら、何度も呟いた。そして、ついに「化け物」の手が正太の肩に触れた瞬間、ものすごい勢いで何かが上から降ってくるのが分かった。正太は頭に手をやって、勢いよく倒れこむようにして伏せた。後ろですごい音がした。正太が後ろを見ると、「化け物」が倒れこんでいた。何が起こったのか、正太には分からなかった。




「おい!」と右の方から、声が聞こえてきたので正太が右を向くと、なんとそこにはじゅんの姿があった。正太が「じゅん!」と言うと、じゅんは「良かった!危なかったな!」と言い、ホッとした顔をした。正太は、じゅんが救ってくれたんだと分かると嬉しくて涙が出てきた。そして、「ありがとう!ありがとう!」とじゅんの手を握りしめてそう言った。またじゅんと再会出来て、正太は嬉しかった。


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