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遭遇  作者: 山本ひろし
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第七話恐怖

第七話 恐怖



正太は最近自分の周りで不可解な事ばかり起こるんで疲れていた。じゅんとももう仲良く出来ないと思うと、悲しくなってくる。学校に向けて準備をし、食卓につくとテレビでニュースが流れていて正太は目を向けた。自分が住んでいる近所を取り上げていることに気が付くと持っていたパンをお皿に置き、テレビに近寄った。なんと、あの裏山の付近で3人の遺体が見つかったらしい。正太は驚き、そして裏山付近ということはあの「化け物」の仕業だと思った。ついこないだも由美子が目撃してる事から、もうそれしか思いつかなかった。正太は真っ先に母親の所へ行き、今まで黙っていた「化け物」の存在を伝えた。そして、この辺りが危険だと言いきると、母親はクスッと笑い「化け物なんているわけないでしょ。」と言った。正太は口調を強くして「でも、僕は見たんだ!」と言い母親を激しく見つめた。それに対し母親は少し不安な顔をして「大丈夫?正太最近ちょっと変だよ。あまり元気がないし、、学校で何かあったの?」と言う。正太はどうあの「化け物」のことや、これから起こりうることを伝えたらいいのか分からなくて、困っていた。「とにかく、近所を歩くときは注意してくれ!」そう言うと正太は、ランドセルを背負い玄関のドアを開け学校へと向かった。



学校でも皆いつも通りで、だれも裏山付近での事件を話題にしていなかった。このままあの「化け物」の存在を明かさないままでいいのであろうかと正太は思った。でも、明かしたところでバカにされるだろうと思った。母親でさえ信じてくれなかったのだから。



そして学校の帰り、いきなり肩を勢いよく押されるのを感じた。後ろを振り返るとそこには、たけし、拓郎、前田それと由美子とあと一人、由美子と同じ髪はショートで目は細く大人しそうな子がいた。喋りかけようと思ったが、今はやめておいた。きっと、他のクラスで由美子と友達なのだろうと正太は思った。すると、たけしが口を開いた。「よし、なんでお前らはここにいるか分かるか?」皆黙は黙っていた。「今日裏山であの円盤の処分が行われる。」正太は驚いた。「人が死んでたりと色々あったけど、ついに今日処分が決まった。」正太は慌てた。そして「何時から?

」とたけしに聞いた。「もうすぐだぞ、たぶん。」それを聞いた正太は、さっき来た道をもう一度戻りながら裏山へと走った。後ろから、たけしが「おい!どこ行くんだよ?」と言うのが聞こえたが、答えずにそのまま走り続けた。処分なんてとんでもないと正太は走りながら思った。あの円盤を動かせば中の「化け物」が怒り、襲ってくるはずだと思ったからだ。人間という生き物に怒りを示されたら、街中はパニックになると思った。



裏山へつくと立ち入り禁止のテープやら、関係者以外立ち入り禁止の看板があったが、正太は構わず突進して行ったが、いきなり目の前に壁ができ転びそうになった。でも、それは壁ではなく背の高い大人だと気が付いた。その大人は裏山での円盤の撤去作業をしている人の一人だと思った正太は、「今すぐ、作業を中止してください!」と言った。正太は走ってきたせいもあってか、息が荒れていた。でも、相手にされず家に帰れと言われた。だが正太は諦めず、「いや、これは本気です!あの化け物が!」「化け物?君は何を言っているんだね?」作業員の男がそう言った。正太は口が滑ってしまったと思ったが、ここは一気に言ってしまおうと思い円盤の事や、「化け物」のことそれから、こないだの裏山付近での遺体が「化け物」の仕業かもしれないことを言った。だが、そんな事を子供が言って大人が信じるはずもなく、作業員の男はどっかへ行ってしまった。そして別の作業員の男がこっちへ来て、こう言った。「今は大事な作業をしているから、あっちへ行ってなさい。」正太はそんなこと分かってると怒りたくなったが、こらえて「はい」と言った。これからどんな事が起きるのか、正太は不安で仕方なかった。



暫くすると、突然上の方から何かのうなり声みたいなものが聞こえてきた。正太が上を見ると、次の瞬間とんでもない光景を見ることとなった。それは、裏山の頂上ら辺から作業服をきた人が一人また一人と、落ちてきているのだ。正太は瞑った目の上に手をかぶせた。とにかく怖くてたまらなかった。辺りでは人が落ちてきたような、グチャッというような音が聞こえた。それが何回も続いて聞こえた。正太は目を開くことが出来なかった。だが、次の瞬間辺りから「やべーぞ!」「逃げろ!」「なんだ、こいつは!?」など聞こえてきたので、正太は目を開けないわけにはいかなくなった。



目を開けると、正太の目の前では信じられないことが起こっていた。あの「化け物」が作業服をきた人達を噛みきり、そっから出た血をなめ回している。そして裏山の入り口の奥の方から、もう一匹「化け物」がこっちに向かってくるのが見えた。正太は、力を振り絞って全力で走った。走りながら正太は思った。あの「化け物」は一匹だけじゃなかったんだと。


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