じゅん
第六話 じゅん
目が覚めると、正太はベッドにいた。外は明るく、朝だった。正太はとっさに昨日あったことを思い出そうとしたが、思い出すことが出来なかった。昨日じゅんとどんな感じで別れたかも思い出すことが出来なかった。学校に行くと、いつもの時間にじゅんが来ていないので正太はおかしいと思った。チャイムが鳴り、授業が始まると、ガラガラとドアを開けてじゅんが教室に入ってきた。じゅんは照れくさそうにして、「あっ遅れました、、。」と言い席に座った。
学校が終わり、正太はじゅんに話しかけようとしたが、元気が無さそうなのでやめた。昨日何があったか未だに思い出せず、正太は不安に思った。こんなに昨日のことを思い出すことが出来ないなんてあり得ないと思った。
それから数日後再びあの時円盤を見た、たけし、前田、拓郎、由美子、正太で集まることとなった。集まった先では由美子が震えていて、他の子も顔を下に向けていた。正太が「どうしたの?」と聞くと、由美子は怯えた声で「私、、見ちゃった、、。」と言った。正太にはなんの事か分からなかった。するとたけしが口を開いた。「要するに、由美子はお前が前に言ってた円盤の中の訳の分からないモノを見たってこった。」正太はそれを聞いて、あの化け物だとすぐに分かった。「どこで、見たの?」正太は由美子に質問した。「きん、、近所、、。」それを聞いた正太は裏山以外で目撃者が出た事に不安と恐怖を感じた。そして、一刻も早くじゅんに話さなければならないと思った。正太は、その場を抜けてじゅんを探しに行った。
数日後、じゅんは学校に来なくなった。こないだ化け物が裏山以外で発見されたことを話したから怯えて学校に行けないのではないかと、正太は思った。もしそうなら、話すんじゃなかったと正太は後悔した。でも、発見されたことは事実だからしょうがないと思った。
夜になり、正太はじゅんに電話することにした。だが、ここ最近電話しても出ないので今日も出ないのだろうと思った。しかし予想とは違って、じゅんは電話に出てくれた。じゅんの声は低かったが、気にせず正太は喋り始めた。ここ最近どうしているのかをじゅんに聞くと、じゅんは暫く黙ってそれから口を開いた。「あっあのさ、、俺たち一緒にいるのやめようぜ。」「えっ?」「本当ごめん、、。」「どういうこと?嫌なの?一緒にいるの、、?」「いや、そうではないけど、、その方がお前のためなんだ。」正太は次に何か言おうとしたが、電話を切られた。正太は一番大事な友達に嫌われてしまったのだと、この時は思った。