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ユートピア・アラート 〜超能力少年と不可思議少女の世界革命〜  作者: 赤嶺ジュン
ユートピア・アラート4 イモーショナル・ジェイラー(後編)
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第一章 日の当たるこの場所で-7







とある通信記録より抜粋。



「へえ、そう。アンタ、そんなこと言われたんだ。なかなか面白いじゃない、その、レイフ・クリケットって人」


『……』


「そりゃ知ってるわよ。超越者序列二位。治安維持隊最優の兵士。鉄壁の不沈艦。人間を超えし人間。みんな、それらしい二つ名を考えるのに必死なのね。二位でこれなら一位は神か」


『……』


「そんなこと言われても困るわよ。噂は噂よ。でも……『救世主』、ね。随分と的確じゃない」


『……』


「うーん。予想通りというよりは、言われてみればよ。確かにそんな感じがする。不思議じゃない。ようはね。アンタは、真面目過ぎるのよ。あー、色々とスッキリした」


『……』


「だってそうじゃない。アンタの自分に対する異様な厳しさも、他者に対するよそよそしさも、身内に対するお人好しさも、全部説明できるじゃないそれで」


『……』


「ま、そうね。気がつかないわよ普通。というか、『救世主』なんて堅苦しく考える必要はないんじゃない? つまりアンタは、大切な人を守りたいヒーローだった。そういうことでしょ?」


『……』


「違うの? 面倒くさいわね、アンタ」


『……』


「う。いや、五月の件は悪かったわよ。本当に。……てか、話逸らさないの! 何にせよ、そんな夢を追いかけるのはお勧めしないわ」


『……』


「そうね。世界を救おうなんて奴は、詐欺師か悪魔のどちらかよ。あんまり深く考えず、目の前のことに集中することね。うん。それじゃ。……と、最後に一つだけ」


『……?』


「ちゃんと帰って来なさいよ。死んだら顔面焼いて身元不明にしてやるんだから」


『……』


「うん。約束よ。それじゃ、おやすみなさい」




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