第六章 英雄譚-2
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マイケル・スワロウが居た場所から数ブロックほど離れたところで、御影はようやく移動速度を緩めていく。それでも自転車ほどのスピードで走りながら、彼は吹きすさぶ風に負けないよう声を張り上げた。
「大丈夫か、エボ!?」
我ながら月並みすぎる問いかけに舌打ちしたくなってくる。エボニーからの返事はない。聞こえなかったのか、あるいは答えるだけの余裕がなかったのか。
腕の中で、自分よりも背が高く、筋肉質な体つきをしながらも、どこか儚げな印象も醸し出す少女が震えている。御影は道路に着地し、目についた高層マンションのエントランスへと、エボニーを抱えたまま歩いていった。
手ごろな柱の根元に、彼女を座らせる。一言断ったのちに彼女の軍服の上を脱がせ、火傷した箇所を確認していった。
流石はエボニー・アレインというべきか、新たな火傷も重傷には至っていないようだ。むしろ問題なのは……。
『心の傷、か』
御影の無言の呟きが聞こえたかのように、エボニーはピクリと肩を震わせる。彼女は御影からひったくるように上着をひったくると、乱暴に上体に巻き付けて膝を抱えてしまった。
「なあ、エボ」
「見るな!」
「……」
「私を、見ないで。…………お願い」
御影はため息を吐いて、エボニーへと背を向けた。ポケットに突っ込んで、複製された街を観察する。荒れに荒れたビル群の向こう側ではいまだに粉塵があがっていて、ラン・シャオナンとマイケル・スワロウが壮絶な戦いを繰り広げているのが見て取れた。
だが、今優先すべきは彼女の方だ。例え動かなければ仲間の三人が死んでしまうのだとしても、御影はここに留まることを選択するだろう。マイケル・スワロウは手を抜き続けるような気もするが、そんなことは関係ない。
それぐらいには、わがままだ。わがままになれた、と言った方が正しいが。
後ろにいる、少女のおかげで。
「ねえ、奏多」
「……」
「わけがわかんないって。そう、思ったでしょ?」
「何がだ」
「私がよ」
「どうして」
「だって……だって……」
スンと、鼻をすする音が聞こえる。黙したままの御影に、彼女は続けて言った。
「おかしいじゃない。バカみたいじゃない。私……私は……人を、殺したのよ? それも自分を。自分と同じ存在を、燃やしたのよ? お父さん、お母さんを殺した奴と同じだ」
「それは違う」
「同じよ!」
後ろでエボニーが立ち上がる気配。上着が彼女の足元に、パサリと落ちる。
「私は彼女を殺した! 焼き殺したのよ!? 私は知っている! それがどんなに苦しいことかを、誰よりも!」
「……」
「それなのに! 『私』が私を許したのをいいことに! 私を超えるだとか、自分自身の先に行くだとか、格好つけちゃって!」
「全てのものは、言葉にすれば嘘になる。だが……お前の言葉には、欠片であっても真実があったはずだ。そうだろう?」
「難しいこと言って混ぜっ返すな! アンタに私のことがわかるわけがない!」
「……ああ。その通りだ。でもさ。お前のことがわからないのは……お前だってそうだろう? 違うか? 言葉を発していた自分。それを顧みる自分。全部違うだろ? 俺たちは瞬間に生きている。一瞬に閉じ込められている。未来への予想も、過去への後悔も、空を切るばかりだ」
「うるさいうるさい! 偉そうなご高説なんて、朝霞奏也だけでたくさんだ!」
まったくもって彼女の言う通りだと、御影は唇をかみしめる。
他者理解とはパターン理解の延長にすぎない。泣いていたなら。叫んでいたなら。沈んでいたなら。その人間は、『悲しんでいる』。そうやって、丁寧に丁寧にラベルを張って、人間は人間を理解することができるのだと胸を張る。実際には思い込みに過ぎないというのに。
だけれども、人間にはそれ以外にない。人間と人間。我々人類の、物語。それはあるときは音楽であり、あるときは口伝であり、あるときは石板であり、あるときは書物だった。だけれども、全て本質は同じだ。
感情に言葉は届かない。だけど、言葉でしか感情は表現できない。
だから二人は口を開く。誤解もすれ違いも許容して、自分と他人が触れ合うことしかできないこともわかったうえで、それでも会話の道を選択する。
沈黙こそが雄弁であるなら、沈黙を作るのは会話であると、知っている。
「そうね。アンタの言う通りよ。真実は確かにある。私は、私を超える者。限界のその先を夢見る者。それ自体に、嘘はないわ。でもね。でも……それだけじゃないの。私の中には、もっと醜い感情が存在した」
「……何だ?」
「憎悪よ」
「憎悪は、醜いのか」
「ええ、そうよ。怒りは堕落へ繋がるわ。アウタージェイルだって、始まりは憎悪だった。だけれども、最後にはただの犯罪集団になり下がった。そこに正義はないのよ」
「相変わらず厳しいな、お前は」
「アンタに言われたくないわね」
「こんなときまで強がるなよ」
「……そうね。アンタの、言うとおりね。何度も言われているのに。だから……私は……」
衣服の擦れる音。エボニーが自らの体を抱きしめたのが感覚でわかる。
「私ね。思ったのよ。『私は悪くない』、って」
それはそうだろうと言いかけたが、なぜかそれだけは言ってはいけないような気がして、御影は口をつぐんだ。
「アンタと戦う前。顔を合わせたよりも、すこし前。私、エルシェに会って、応急手当を受けてたのよ。本当に、本当に酷い状態だったから」
「……だろうな。全身焼かれて、何日も樹海をさ迷ったにしては、お前は綺麗すぎた」
「そうでしょうね。火傷で皮膚がベロンとめくれちゃって。ケロイドも酷くてさ。そんな状態で森を歩き回ったから、もうゾンビよゾンビ。髪の毛だって……なくなっててさ……」
「そんな状態で、どうして俺のところに」
「意地よ。弱音を吐きたくなかった。私はそんな私を許せなかった。私を治療したエルシェも、私を引き留めようとはしなかったわ。きっとわかってたんでしょうね。止めたら、殺されるって。私はそれくらい本気だった。『私』を殺した私は、私を定義したかった。でも同時に、私は隠したかったのよ。私の醜さを、隠したかった」
「憎悪。怒りの感情」
「何で私がこんな目にあわなきゃいけないのって、本当は泣き叫びたかった」
「……」
「壁を超えるためには魂を削る必要があるなんて知ったことじゃない! 私は私を超えたかったけど、『私』を殺したかったわけじゃない! なのになんで? どうして!? どうしてあんなことになったの!? あんなことをしなきゃいけなかったのッ! 私の本質がなんだ! それが正解だとしても、道を選択するのは私だッ! それなのに、いきなり出てきて、賢し気なことを言って勝手して! 何様だッ!」
「……」
「だけど! 『私』を殺す選択をしたのは私よ! もっと他に選択肢があったはずなのに! その場から逃げることだって! 『私』を説得することだって、できたはずよ! だって相手は『私』なんだもの!」
「……それは、無理だ。状況が……」
「そんなものはいい訳よッ! だって私は思ったんだもの! 私だって思ったんだもの! 『私』のことが醜いって! それでアンタと戦えて喜んだんだもの! 強くなれたって! その感情が、確かに私の中にあったの! だったら、押し通すしかないじゃない! 戦い続けるしかないじゃない! それ以外に、私を許した『私』にどうやって顔向けできるの!?」
「顔向けなんてできないよ! 死人相手に償いなんて不可能だ!」
「……ッ!」
「俺に言わせればな。全ての元凶は、朝霞奏也だ。あのクソッタレが、お前の人生を狂わせた! だけど、お前がそんな答えを望んでいるわけじゃねえことぐらいはわかってる! だから言うぞ! お前はお前が殺した人間に償うことなんて一生できない! 罪は永遠に、お前の体に刻まれる! 殺人の烙印は、お前が死ぬまで消えることはない!」
「そうよ! アンタの言う通りよ! だから、私……ッ!」
「だけどさあ! それでお前の『苦しみ』が義務になるこたねえだろ! 何だよそれ! 悲しすぎるじゃねえかよ! お前はお前の幸せを望まなくてはいけない! だって俺たちは、そのために生きているんだから! どんな道を行くのだとしても! 生き方を選ぶのだとしても! 俺たちはこの無意味な人生に、幸いという価値を与えるために生きている!」
「そんな権利は私にはない!」
「いいや、あるね! そしてお前は幸せになったときに思い出すんだ! お前が殺した誰かは、その機会を永久に奪われたのだと!」
「……ッ」
「そしてお前は思っていい。願っていい。そんな呪いは消えてなくなってほしいって! そして祈るんだ。誰に? 神にだよ! いと高き方にだ! 俺たちの手の届かない場所にいて、いつだって傍観者で、存在するかどうかもわからない非存在! だけど俺たちは! 信仰がなくても! 真実が見えなくても! それでも、願うんだ。願うんだよ! ……だからさ。頼むよ。お願いだ。誰にも許されなくて、世界の全てがお前を呪うのだとしてもさ。お前は。お前だけは、お前のために生きてくれ。少しぐらい……わがままになっても、いいはずだ」
噛みしめた唇から、血が流れる。
赤い血だ。刺激的で暴力的な赤。生きているのだとうるさいぐらいに主張する色。
「……ねえ、カナタ」
背中に、熱を感じる。押し付けられた両手と額が、彼女の震えを伝えてくる。エボニー・アレインという少女は確かに生きているのだと、教えてくれる。
「人殺しは絶対に許されなくて、被害者と同じように殺されるべきだと喚く連中に、殺意を覚えるのは、間違いかしら?」
「……間違いじゃない」
「自分の敵は自分しかいなくて、夢を叶えるためには努力し続けなきゃいけないって、偉そうに演説している人間が、鬱陶しいと思うのは、間違いかしら?」
「間違いじゃない」
「昨日考えていたことと別なことを今日考えていて、それなのに理想だけは高くて、いつも無様にもがいてて。それでも、報われたいって思うことは、間違いかしら?」
「何も間違えていない。あのときのお前が、間違いでなかったように」
「……そう」
彼女の温もりが、背中から離れる。御影がゆっくりと振り返ると、エボニーが右目から涙を流しながら笑っていた。
「無茶苦茶ね、私たちは」
「ああ。そうだな」
「いつだって対立して、いつだって矛盾している」
「まったくだ」
「きっと私は、この後悔をなかったことにして、また部下の前で胸をはるわ。私は私を超えてみせる。だから、ついて来いって」
「カッコいいな」
「それ、女の子に言う台詞?」
「じゃあさ。少しだけ、俺にもカッコつけさせてくれ」
手を伸ばす。指先が頬に触れて、彼女はビクリと体を震わせた。
「な、何よ」
「目を治すのは難しいかもしれない。だけどせめて、肌ぐらいは元に戻していいだろう。そのほうが、ずっと綺麗だ」
「……馬鹿。この、バカナタめッ! ホント……そういうところが……」
御影の手を振り払って、エボニーはグシャグシャに両手で顔を拭う。思わず一歩踏み出したら、凄まじい勢いで裏拳が飛んできた。顔面に。
「おおう!?」
「避けるな!」
「イヤ、避けるわ! 馬鹿じゃねえのか!?」
「馬鹿はアンタよ! バーカ、バーカ! 馬に蹴られて死んでしまえ!」
「それ使い方あってなくね!?」
「うっさい! てか、私はまだ許してないんだからね! 四月一日の腹蹴り事件!」
「な! ……あ、あれは、その後に顔面殴られたからチャラだろ!」
「女子が男子に膝蹴りされるのと、男子が女子にぶたれるの、どっちが絵面的にアウトかなんて、馬鹿でもわかるでしょーがッ!」
「お前と俺の場合は五十歩百歩だ……ッ!」
「ええ、そうよ! 私とアンタはいつもこれよ! ああ、もう! わかっているのに、どうしてこうなっちゃうのかなあ、私!」
「わかってるならどうにか……ならねえか」
二人の苦笑がシンクロする。エボニーは倒れこむように座りなおすと、また柱に背を預けて、疲れ切ったようにため息を吐いた。
「悪いわね。今前線に出ても、足手まといにしかならないわ」
「そう言ってくれて助かったよ。また腹を蹴らなきゃいけないところだった」
「酷い友人もいたものね」
エボニーがじとりとこちらを見つめてくる。御影は肩を竦めた。
「今更だ」
「ええ、今更よ。でも勝てるの? アイツ、元から化け物だったのが、さらに意味がわからないことになったんだけど」
「シャオナンがダメージを与えてくれていることを祈ろう」
「無理でしょ。アイツは確かに強いけど、マイケル・スワロウは……こう、何? 単純な強さとは関係ない、何かがあるような気がするわ」
「どうしてそう思う?」
「だってさ。アイツ、迷いがないんだもの。今の状況を、心の底から楽しんでいる」
「確かにな」
余裕がある、と言ってもいいかもしれない。二度追い詰められておきながら、彼はふざけた態度を崩そうとしていない。楽し気で、好戦的だ。
「戦いっていうのは、誰だってイヤなものよ。そこには悲壮感が必ずある。何でこんなことになったんだって。少なくとも、私が戦った人間は、みんなそうだった」
「戦闘狂なんじゃねえの? あるいは、自分に絶対の自信を持っているか」
「それだと、何か納得できないのよね。一昨日の私たちみたいに、ハイになっているわけじゃない。……あ、でも、少し似ているのかしら」
「似ている?」
「さっき言ったように、私の私を超えたいという欲求は、真実の一つだった。それと同じ。彼には確かな行動原理がある」
「わからないな。何が言いたいんだ?」
「自分に嘘をついていないのよ。きっと、ね」
「自分に嘘をついていない? そうなのか?」
「だって、悲しそうな顔、してないじゃない。苦しそうにしてないじゃない。それに、彼の目的は、単純に戦うことじゃないと思うの。どちらかと言えば、私たち四人をあしらっていた。誰も殺さず、状況に波風を立てない。あたかも……誰かを、待っているみたいに」
「誰を」
「アンタを、じゃないかしら?」
「俺? 俺と殺し合いたいのか、奴は?」
「殺し合いじゃない。スポーツよ。多分、彼にとっては。アンタが言うように、超越者としての絶対的な自信が、彼に戦いを楽しませている面もあるかもしれない。でも、私の勘違いかもしれないけど……やっぱり、嬉しそうだったのよ」
「……いつそう見えた?」
「最後に、アンタがまた姿を現した時。空中にいたから表情はよく見えなかったけどね」
「わからねえな。俺と奴に、そんな因縁なんてあるとは思えないんだが」
「因縁じゃないわよ。親しみにも似た、共感にも似た、何かよ」
「親しみ? 共感だって?」
なんだか頭が痛くなってきて、御影はわしゃわしゃと髪の毛を掻きまわした。
確かに、最近の彼とは友人関係にも似たものが形成されていた。漫画とかアニメとかを紹介しあって、その話題で盛り上がれるくらいには仲が良かった。つまりは、オタク仲間だ。……改めて考えると、どうして超越者とこうなった。
最初に出会ったのは、忘れもしない四月一日。あのときは交差点もろとも吹き飛ばされかけた。次は、六月末。レイフに超越者の休憩室へと連れられたとき。その次は……。
「あのクソアマが攫われかけたときか。あのときはボクシが助けに入って……アイツを連れて家に帰ったら、スワロウがヴィクトリアの使いとして来ていた。それで……」
御影が記憶操作されていることにスワロウが気が付き、ルーク・エイカーに対して激怒した。七月七日を経験した後には、御影と同じくスワロウもレイフの弟子であることを明かされ、それから頻繁に情報のやり取りをするようになった。
それで一応の説明はつく。お互いがお互いを知り、大人と子供、超越者と学生は友人となった。だがそれでも、御影奏多とマイケル・スワロウが戦うことになる理由がわからない。
「自分に嘘をついていない、か。嘘……嘘、ね。そして彼は、悲しんでない。楽しんでいる。そして、俺にこだわっている。嘘……悲しみ……」
「ハア。私から言い出しといてなんだけど、そろそろシャオナンがかわいそうね」
「……かわいそう?」
「そりゃそうでしょ。超越者を一人で相手させてるのよ? それに、タイムリミットがある」
「……」
「マイケル・スワロウは治安維持隊と交渉している。要求の一つは、メディエイターの映像の公開。あと、何らかの機密情報の開示を要求しているみたいね。元帥が直々に、一学生の私にペラペラしゃべってくれたわ。ま、私を超越者にしたいとか言ってたから、元帥は私のことを高く買っているんでしょうけど……」
「エボ」
「何よ?」
怪訝そうに首を傾げたエボニーに、御影は深く頷いて見せた。
「ありがとう」
「……は? 何?」
「全部わかった。そりゃそうだ。そりゃあ……俺と戦うしか、ないよな」
エントランスの外へと足を踏み出す。エボニーが慌てた様子で立ち上がろうとして、火傷の痛みに顔をしかめた。
「休んでろ。後は俺がやる」
「ちょっと、待ちなさいよ! 説明しなさい! アンタ、何を見ているの!?」
「お前が見ていないものをだ」
ヒョウ、とエボニーが息を吸い込む音がする。御影は彼女の方を振り返ることなく、淡々と続けた。
「お前の言う通りだ。おれは四月一日に、お前を裏切った。その事実は変わることはない。どれだけ謝っても償えないし……たとえやり直せるとしても、俺は何度でも同じことをする」
「そんなこと、もう気にしてない!」
「……ハハ。さっきと言ってることが矛盾してるじゃねえかよ、オイ」
「そうだけど!」
「悪い。話せない。これは、俺とアイツの間でのみ共有されるべきものだ」
「…………わかったわよ、もう。アンタはいつもそうよね。いつだって、周りにいる人間を置いていく」
「お前に言われたくない……って、これも五十歩百歩、どんぐりの背比べか」
御影は肩を揺らして笑うと、ポケットに手を突っ込んで歩いていった。
これから展開される戦争は、きっと、どうしようもなく避けがたくて、受け入れがたくて、痛みを伴う、星の数ほどある悲劇の一つで。
だけれども、希望に満ちたものだ。
歴史上、人間を狂わせてきた感情。それを巡る、平凡で、単純で、だけれども、愛おしい物語。そのために人間は、己の命だってかけてきた。
「もう止めない。止めないわよ。でも……」
エボニーが立ち上がる気配がする。彼女は柔らかな口調で言った。
「必ず、帰って来なさいよ」
「……ああ」
沈黙はときに言葉よりも雄弁だ。だけれども、沈黙は言葉があってはじめて生まれる。
会話は終わった。十分でないにせよ、誤解に満ちていたにせよ、それでも会話がそこにあった。ならもう、口を閉じていい。沈黙を保っていい。そうしなくてはならない。
風が強く吹いている。御影は一度目を瞑り、崩壊した街を歩いて行った。




