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明星白亜のX‐レポート  作者: 月讀
レポートNo.0 再開
1/5

興味を持って頂きありがとうございます。

皆さんはオカルトに興味はありますか?

私は子供の時から興味が尽きません。中学高校の時は誇り高き中二病でした。大学以降は沈静化したもののネットでオカルト情報を漁ったものです。実は今でもしていますが。

そんなにオカルト好きな私ですが結構厳しめにオカルトを批評しています。世の中のほとんどのオカルトの話は作り話です。

でも本当かもしれない数%とそれに対する自分の仮説を物語にしてみました。そして作者自身の不思議体験も少し入ってたりします。

久々の小説。実に六年ぶりなので拙い文章になっていますが良かったら楽しんでください。


そしてもし本当に不思議な体験をしたことがあって物語にしていいよって方いましたらメッセージください。


挿絵(By みてみん)


 六畳の狭い部屋。あるのはベッド、テレビ、ノートパソコン、部屋の隅に積んだ三つの段ボール。ありふれた学生でも借りられる賃貸アパートの一室。大賀士門おおかしもんは今日この部屋に引っ越してきた。今はベッドに横になり天井を見ている。意味もなくテレビの電源を入れて番組を流すが全く内容は頭に入ってこない。

 明日からはついに大学生活のスタートである。とはいっても士門は浮かれていなかった。

 これまでの人生特別仲の良かった友達がいたわけではない。大学生になったからと言って今までの生き方が変わることはないだろう。適度な立ち位置、適度な交友関係。ほとんどのことを適度にこなしてきたが、勉強だけは人よりやってきたつもりだった。しかし第一志望の大学には合格しなかった。国内最難関大学への挑戦は士門が想定する以上の難しさだった。その失敗から一か月も経っていないのに浮かれることなどできるはずがない。結局入学することとなった大学は受験すらしていない大学だ。特別推薦という名のコネで入学したその大学は士門の叔父さんが理事長を務める市立明星学院大学。授業料免除、返還不要の奨学金と破格の待遇に加え、決して裕福ではない家庭事情を考慮すると浪人するよりはましなのかと考え、この決断に至った。

「はぁ」

 考えると溜息がでる。

 明星学院大学。俗にいうFラン大学である。高校では理系であった士門だが大学には理系学部がない。無理もない。学校法人として設立されてまだ五年も経っていないし、研究施設を建てる金もないのだ。そこで士門は人文学部を選んだ。考古学を学ぶために。

 ピンポーン!

 突然玄関のベルが鳴った。今日で四回目だ。受信料徴収、新聞の勧誘、ガス工事。大学から距離が近すぎたことが裏目にでたらしい。仕方なくベッドから起きて玄関に向かう。

「……はい」

「突然すいません。今お悩みなどありませんか?」

 四十過ぎのおばさんが目の前に立っていた。

「別にありませんけど」

「本当のことを言ってください! 私にはわかるんです」

「なんなんですか? 迷惑です。帰ってください」

「ちょっと待って! この本読んでください。主は常に見ています」

「宗教とか興味ないんで。それじゃ」

 勢いよくドアを閉めると外から宗教勧誘のおばさんがぶつぶつ文句を言っていた。文句を言いたいのは士門の方だ。

 部屋に戻り、テレビを見る。年に数回放送されるオカルト番組をやっていた。画面にはSF映画さながらの巨大UFOが映っている。どう見てもCGである。そう断言できるのは士門が実際にUFOを見たことあるからだ。本物のUFOはテレビに映っているようなメカメカしい姿ではない。単純な白い球体である。これが士門の経験からたどり着いたUFO観である。更に士門が体験した不思議な出来事はそれだけにとどまらない、霊感は無いが人形の影を見たり、登山中につちのこを見たりと半年に一回ペースで何かしら不思議な物に出会っている。勿論見間違いかもしれない、でも士門の眼はそれらの映像を脳に届けていたと断言出来た。それを踏まえて番組を見ると全てがCGに見える。少々批判的な立場であるが、意外にも士門はオカルト番組が嫌いというわけではない。そのままベッドに転がりながら番組を楽しむことにしたが一日の疲れからか士門の記憶は徐々に薄れていった。


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