転生その6
「肉体も一緒に呼んで君に確認を取るつもりだったが、何故か魂だけしか呼べなかった。しかも、運の悪い事に君の肉体は大家に見つかってしまい警察に連絡されてしまった。そしてそのまま変死扱いされてしまった。親戚一同は君の肉体の受け取りを拒否。火葬されてしまった。 ちなみに君の魂が肉体を離れてから約2週間経っている。私のミスだ。本当に済まなかった」
・・・なんだそりゃ!
驚きはしたが、そこまで怒りはなかった。だって生きていても良いことはなかったから。
「別に良いですよ。で、確認とは何ですか?」
「ずいぶんあっさりしてるな!」
「ええ、まぁ。それより話の続きを」
「・・・実はな君を呼んだのは、君に確認をした後了承があれば転生してもらって、新たな人生を送って貰おうかなと思ったのだよ」
「えっ、何故?」
「あの時私は君の優しさに触れて凄く感動した。そして君の境遇を知り、何とか幸せにしてやりたいと思ったのだよ。これを私からの御礼として欲しい」
「いや、御礼をされる事は別に・・・・・・! もしかしてあの時のお爺さん⁉」
「思い出してくれたかな? 私はあの日下界を見たくなって、天使に頼んで姿を変えてもらったんだ。だか、何を間違えたのかあの姿だ。誰も私に声を掛けようとしない。悲しくなってあの場所に座り込み黄昏ていた。そしてもう帰ろうかなと思った時、君が声を掛けてくれたんだ。凄く嬉しくて泣いてしまったね」
何をしているんだろうこの人?
「と、とにかくもう肉体も無いし、どうするかね?」
「転生お願いします!」
「早!」
「だって肉体無いんですよね? このまま死ぬのは何か嫌だし、前世には未練などこれっぽっちも無いですし。 天使さんに聞いた話では異世界ですよね? 何か楽しそうじゃないですか。こちらからお願いしたいです」
「分かった。それじゃ行こうか」
「喜んで」
「その前に・・・スキルは何が欲しい?」