転生その3
部屋の中にあるソファーに座り待つこと10分程。ドアからさっきの天使さんともう一人女性が入って来た。
女性は女性物のビジネススーツを着て、銀縁メガネ。スラッとした体型で何処かのモデルさんみたいな美人。髪はロングで艶のある金髪。残念なのは・・・丘が無い。平原みたいになだらかだ。
そんな事を考えてると、美女から泣きそうな顔で睨まれた。
「だってしょうがないんだもん!遺伝なんだもん!努力しているけど駄目なんだもん!」
とうとう泣き出して座り込んでしまった。
どうやら考えを読まれていたみたい。
慌ててフォローに入る。
「気にしませんよ!絶世の美女ですよ!」
「だってさっき残念って思ってたもん!ちっぱいだって思ってたもん!」
「いやいや!僕好みの美女ですよ!大丈夫!その内大きくなります!保証しますから!」
「・・・本当? 大きくなる? 絶対?」
「はい!僕は嘘は付きません!」
それから少ししてようやく彼女の機嫌が直り
「はじめまして。私はこの部署で管理者をしている大天使です。」
「はじめまして。私は赤坂優と申します。」
ポケットから名刺を出して大天使さんに渡す。大天使さんは不審者を見る様な顔で僕を見ている。
ゴホンッ! 大天使さんが咳払いし
「さて・・・赤坂さん。結果から申しまして、貴方は例の無い方でして、私達もどうして良いか分からない次第です。 だから、話し合いをし、上に連絡を取った結果貴方には違う世界に行って貰うことになりました。 赤坂さん。何か希望はありますか? 本来なら天国か地獄に行って貰うことになるのですが、こちらの都合で違う世界に行って貰うことになりますので、出来るだけバックアップしたいと思ってます。」
違う世界に行くの僕? どうしようかな? いろいろバックアップしてくれるみたいだし。
悩んだ結果
「じゃあ3つ程良いですか?」
「どうぞ。」
「じゃあ希望を言いますね。記憶は今のままでお願いします。前世では良いこと無かったので、次はこの記憶を生かして楽しく生きたいんです。2つ目は何か強力な能力を下さい。あちらに行ってから直ぐに死ぬのは御免だから、せめて生き残れる能力が欲しいんです。最後の希望は名前はユウでお願いします。今の名前凄く気に入ってるので。お願い出来ますか?」
「分かりました。何とかしましょう。最後に一つ良いですか?」
「はい。何でしょうか?」
「貴方はどうやってここに来たか覚えてますか?」
僕は真っ白な空間に気付いたらいた事、神殿に入ったら意識が無くなって、気付いたらここに居た事を全部説明した。
「ありがとうございます。その白い空間と神殿はこちらで調べてみます。分かったら、一回だけですが貴方に報告しましょう。 ではこの辺で行かれますか?違う世界に。」
「はい。お願いします。」
「分かりました。貴方に多くの幸運を・・・・・・。」
大天使さんがそう言うと共に僕の意識はブラックアウトしていった。
神殿ですか・・・聞いたことありませんね。上に確認して見ましょうか。 しかし面白い人でした。 ・・・本当に大きくなるかしら?
大天使さんが呟く。