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封印

「率直に言おう。君のあの力は危険すぎる。だから私はその力を封印しようと思う」


「出来るのですか?」


「ああ。だが・・・」


「どうしましたか?」


「封印するには、今まで君が育ててきた力をフルに使って封じるしかないんだよ。 魔法能力と治癒の力。その力を使うから、何も無くなってしまうんだ。それでも私はあの力を封じたい」


「・・・お願いします」


「良いのかい?」


「そりゃあ未練が無いとは言いませんが、危険すぎる力なんでしょ? だったら・・・」


「分かった。それじゃあ」


神様は僕の頭に手を乗せその手に力を込めた。


僕の中から黒い何かが抜け落ちるのを感じた。それと同時に力が抜けていくのも感じた。


しばらくして


「これでもう大丈夫だ。もう二度とあの力は出てこないだろう」


「・・・ありがとうございました」


「しかし、このままでは君はすぐに死んでしまう事になるだろう。 だから、1つだけ君に力を授ける事にするよ。私の取って置きをね」


そう言うと神様がまた僕の頭に手を乗せる。


そしてさっきとは比較にならない程の力を込めてきた。


しばらくして疲れた風に頭から手を除けて


「私の取って置きを君に授けたよ。 これは皆には内緒にして欲しい」


「分かりました。 あの、取って置きとは?」


「それはな、魔法の中でも異例中の異例。 その名も創造魔法だ」


「創造魔法・・・」


「この魔法は君の思いに発動する。しかし、出来ない事もある。 死者を蘇らせる事は出来ない。それと、危険すぎる力の解放だ。あの力はもう二度と出てこない」


「・・・分かりました。ありがとうございました」


それからどの位の沈黙が有っただろう。神様が口を開く


「もう1つ・・・君に謝らなければならない。 あの一件で、君の住んでいた村人は全員・・・死んだ」


「え? 今何と?」


「・・・全員死んだんだ」


とっさに神様の胸ぐらをつかみ上げてしまった。


「何故! どういう事か説明しろよ!」


「・・・見えていたのに、神なのに止められなかった。 君の暴走も止められなかった。 無力だった私を・・・許して欲しい」


全身の力が抜けていく。その場に膝まづいてしまった。


もう、父さんや母さんの笑顔を見る事が出来ない。 村の皆の姿も。 そしてスノウの笑顔も。


絶望が僕を襲う。


・・・そうだ。神様だけが悪い訳じゃない。僕の力が暴走したせいもあるんだ。


どれ位時間が立っただろう。 力なく立ち上がった僕は、神様に深々と頭を下げた。


「力を封印して頂いてありがとうございました。お陰でもうあの様な悲劇は起きない事でしょう。

しかし、もう少し心の整理がしたいので、もう少しだけここに居て良いでしょうか?」


神様は無言て頷く。


僕はカウンターの椅子に座り両肘を付いた。


カウンターの中から


「何かお飲みになりますか?」


「・・・少し強めのお酒を下さい」


出てきたのは琥珀色のウイスキーだった。


それを一口


口の中にしょっぱい味が拡がっていく・・・。


視界はぼやけ、ウイスキーの味もいまいち分からない。


その後僕は・・・声を殺して泣いた。



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