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真実

気が付けば僕は白い空間の中にいた。


何か見覚えのある場所だ。


辺りを見回すと、僕の丁度隣に扉がある。


他には何も無く白い空間が広がっている。


ここに居てもどうにもならない気がしたので扉を開けてみる事にした。


扉の向こうは薄暗い空間で、カウンターの様な物があり、カウンターの奥には見た目バーテンダーの格好をした初老の人がいる。


そして、カウンターの奥の席には見知った老人がいた。


「来たかね優くん。こちらへ」


「神様。ここはもしかして・・・」


「そう。転生前に君と会った場所だ。覚えていたかね」


「だとしたら僕はまた死んだのですか?」


「いや、死んではいないよ。今は魂が身体を離れているだけだ。言わば幽体離脱って奴だね」


「はぁ」


すると神様はおもむろに席を立ち


深々と頭を下げた。


「済まなかった。あの時転生後は幸せな人生を送って貰うつもりだった。しかし、ある召喚師が君の誕生日前日に召喚魔法を使った。しかし、失敗に終わった。そう、何も出てこなかったんだ。 諦めた召喚師はその場を去ったのだが、うっかり魔方陣を消し忘れたらしい。そこから魔物が大量に沸きだし止まらなくなった。その事を知った私達はすぐに魔方陣を打ち消したんだが、沸きだした魔物はどうすることも出来なくなっていたんだ。しかも運悪く君の住むリムペット村がすぐ側にあった。 魔物は一斉に村へ向かいこの惨状になってしまったんだ。 済まなかった。もう少し私達が気付くのが早ければこんな事には!」


うなだれる神様。


「そうだ!魔物は!? どうなったんですか!?」


「ああ、一匹残らず滅んだよ」


良かった。


「君が滅ばしたんだ」


「えっ? 僕が? そんな馬鹿な!」


「事実だよ。君の父親が倒れた途端君の動きが尋常じゃない程早くなり、まるで修羅の如く周りに居た魔物を斧で切り伏せていった。 そして外に飛び出した君は、村中に居た魔物を殲滅したんだ。 辺りは血の海になって、その光景を見た君はその場に崩れ落ちた。 私はそれを見て、君の魂だけをここに呼んだんだ」


信じられなかった。

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