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Prologue

初めまして。Kirsiと申します。若輩者ゆえ至らぬところも多々あることでしょうが、お時間と気分の許す限りお付き合い下さい。投稿のタイミングはかなり不定期になると思われます。相当長い期間更新しない場合は忙しいのだなあ、と思って下されば幸いです。面白いものを作るために精一杯努力致しますので、末永くお気にかけていただけたらすごく満足です。

 思えばいつからだったろう。初めに違和感を覚えたのは数日前の事だったような気がする。あまりに些細なことだったのでなにがあったのかは忘れてしまったが、あの日、たしかに俺は朝からなにか不吉な予兆を感じていた。どこにでもある日常の一部。けれどいつもと少し違う日常の一部分。だがもしその非日常な部分に気が付いていたとしても、この結末は変えられなかったかもしれない。あるいは変えられたとしても、結局はバッドエンドなのか。もともと俺たちにこの状況を打破することなんて出来やしなかったのだ。すべてははじめから仕組まれていたこと。はじめから俺の身を狙っての事件だったこと。



 話は唐突だが、神とか天使とかそんなものはいやしないと俺は知っている。それは世界中の誰もが知っている事実だ。神を信じている人の前に、神は現れたりなんてしない。困っている人を助けたりもしない。この宇宙はビッグバンによって生まれ、生命は自然に発生した。創造主なんてものはいやしないし、預言者の言葉も当たりはしなかった。結局この世界に神なんていない。誰もが皆、心の中ではそれを悟っていた。それが真実な筈だった。だがしかし実際にそれらしいことが起きてしまうと、人は神を信じざるをえなくなる。今まで神の存在を否定し続けてきた科学至上主義者たちだって、観測不能な出来事を前にすれば畏敬の念を抱かざるをえなくなる。

 ――観測不能な出来事。そう、例えば、巨大な島が一夜で浮上することとか。

 太平洋上に突如として出現した謎の島、通称「ゲレンデ」。四国ほどの大きさのこの島は西暦2010年、極東沖大震災の直後、房総半島沖の海上に姿を現した。突然の出来事に全世界が注目したが、日本政府が緊急立入禁止区域に指定した為各国ともに手を出せない状況が続いていた。地震による混乱の中、相当な数の憶測が飛び交い情報が錯乱するなど大変な混乱が渦巻いていたが、謎が謎を呼ぶばかり。直ちに政府による調査隊が派遣されたが、その真実は未だに公表されていない―――。そして2015年現在―…。世界では科学では説明できない不思議な現象が次々と起こるようになっていた。また、島の浮上と時を同じくして活動の活発化が始まった世界中でのテロリズム行為。いろんな組織があり、それぞれに主義主張があったが突き詰めると彼らが言っていたことは神の存在。ゲレンデを「聖地」と呼び、神を求めテロを起こす組織もあれば、神を殺さんとする神殺し集団もいた。軍隊が鎮圧にかかるも、テロ組織に煽動され暴徒化した一部の民衆の抵抗に遭い、そのまま紛争に発展した国もあった。日本においてもテロ活動は行われており、民衆の穏やかな生活に暗い影を落としている。

 そんなテロリストたちの存在を間近に感じたのが今回の事件。俺たちの通う中学校が、テロリストたちに占拠されるところから物語は始まる。先の見えない、黒く硝煙にまみれた長い戦いの物語――――。


次回は日常パートからのスタートになります。プロローグのように重くはないのでご安心下さい。それと残酷描写はいまのところ殆ど無いです。日常パートから脱却するのには結構な時間がかかるものと思われます。

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