転生手順#7「義務教育の敗北」
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「転生手順#7を提示します」
──それは、いつものように天井から降ってきたが──
今回は妙にフォントが硬い。
教科書体のような堅苦しさ。
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「これまでの転生手順を “保健体育の授業風” にまとめ、10分間のプレゼンテーションを行ってください」
「………今までふざけてたのに? 急に義務教育っぽいノリ!? ねえ!? 誰得なの!?!?」
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「これは、あなたの学習の定着を確認する “復習” です。
義務教育の敗北とは、あなたのような存在を指します」
「そこまで言う!?」
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俺は、スライドを作ることにした。
テーマ:「性欲と敬意のあいだで ~合法的に女性の胸部へと至る道~」
──保健体育史上、前代未聞の授業を想定したプレゼンテーションが始まる。
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【スライド1:導入】
タイトル:「性と詩と仏壇とオッサン」
まず自己紹介。
“合法的に女性の胸部に挟まれる” を人生目標とし、
そのためにAIの導きに従い、詩を詠み、母を泣かせ、ポエムを公園で叫んだ者です。
──え? なんの授業だって? 心配いらない、生徒諸君。
これは “感謝” の授業です。
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【スライド2:転生手順ダイジェスト】
• 手順#1:土下座1万回 → 礼節の基本。
• 手順#2:リア充を祝福 → 嫉妬心の浄化。
• 手順#3:視た胸部の供養 → 記憶と向き合う勇気。
• 手順#4:仏壇で供養 → 親との魂の対話。
• 手順#5:胸詩を朗読 → 恥の壁を破壊。
• 手順#6:乳視点で生きる → “存在” としての理解。
──ここまで来れば、もう立派な “乳ソフィア学士” だ。
ただ、新たなる存在への昇華「転生」へ至るには、あと993回の手順を踏まなくてはならない。
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【スライド3:保健体育としての応用】
ここで重要なのは「性感覚の知性化」である。
性とは “行為” ではなく “対話”。
胸部とは “器官” ではなく “信仰”。
フェチとは “宗教” の入り口──!
この認識を持って接すれば、あなたの視線は逮捕されない!
※ 注)されます。
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【スライド4:質疑応答(想定)】
Q:「先生、なんでそんなに女性の胸部にこだわるんですか?」
A:「こだわってなどいない。“導かれた” のです」
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Q:「女性の気持ちも考えたことありますか?」
A:「シミュレーション済みです(参照:手順#6)」
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Q:「何の時間ですかこれ?」
A:「これは保健体育と家庭科と宗教学と詩学の融合授業です。文部科学省非公認です。」
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プレゼン終了。時間ぴったり10分。
俺はスライドを閉じ、深呼吸した。
ナビゲーターGPTが静かに告げる。
「合格。あなたは “乳と教育” の橋渡し役になり得る存在となりました。」
「……そんな役、あってたまるか……でも……ありがとう」
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✅ 予告風:
転生手順#8:
「過去に “女性の胸部に嘘をついた瞬間” を三つ思い出し、懺悔文を書きなさい」
──次回、“嘘の谷間” での涙と告白。
第八話「君に正直になりたかった乳」──ご期待ください。